「交響詩篇エウレカセブン(TVアニメ動画)」

総合得点
90.3
感想・評価
4406
棚に入れた
20423
ランキング
57
★★★★★ 4.1 (4406)
物語
4.1
作画
4.0
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ゼロからThe End

(13話まで視聴)
古き良きアニメの香りがして、少年の心で観るべきか?
“エヴァ”を意識しながらも、“イデオン”へのリスペクトも感じる。
さて、ここまでで、大まかなプロットは整ったか?
形而上的な存在であるゾーン、そこへたどり着くことが救済であると信じる人々。
アゲハの雌雄?二体のニルヴァーシュ。
滅びかけている人類は、“幼年期の終わり”を迎え、次の存在に羽化できるのか?
アーサー・C・クラークが投げかけた永遠のテーマ。
“エヴァ”とはまた違う解釈を期待したい。
音楽、良いですね。特にED、『秘密基地』!
つづく!

(26話まで視聴)
ワンクール全てがレントンの放浪譚に費やされる。
鬱々としたお話が続いて行くことになるが、これも、2人が覚悟を定めるために、ホランドが悟りの境地に至るために必要なステップとしましょうか。

面倒臭い奴らを思い出した。アムロ君とブライトさん!

エウレカセブンの副題は交響詩篇である。
登場人物の何人かが読んでいる『金枝篇』、もちろん読んだことはないけれど、神話と伝承を依り代に、古代人の知を探り出そうとする試みだそうだ。
何ともこれは、大風呂敷を広げたものだ。
後半につづく!

ヘルタースケルター、勿論ビートルズの名曲だ。
“乱痴気騒ぎ”と言ったところか?
いやいや、チャールズ・マンソン曰く、ハルマゲドン!

そして、トレゾア技研、これまた楽しい!
デデデ出た!!!
グレッグ・イーガン!!!
奇跡のSF作家、時空を超えたマッド・サイエンティスト!!!

続き見ょっと!
つづく!

ヴォイジャーまで出て来て、やはり“未知との遭遇”ですか。
“アクペリエンス1~4”も、きっとハイネック博士の“UFOとの遭遇(エクスペリエンス)”を元ネタにしているんでしょうね。
ウィキによると、第三種接近遭遇は宇宙人との直接接触で、博士の著書ではここまでだそうです。
因みに、第四種は“誘拐とインプラント埋め込み”。怖い、怖い!

地下に埋まっている“情報統合思念体”?、がコンタクト?観測?のために生み出した長門有希ちゃんじゃなくて、エウレカが感情(我々の認識)を持ちつつあるという設定。
ツーシーターのニルヴァーシュの理想形が飛翔体であるというイーガン博士。いよいよ、クライマックスに向けて準備が整ったかな?

今後、“The End”と“アネモネ”はどのように絡んでくるのだろうか?
エウレカと同じくアネモネも思念体(神)の憑代(よりしろ)と考えた方が自然か?

ところで、生命体にバンカーバスターミサイルが撃ち込まれたとき飛び出してきた、ラブクラフトのクトゥルフ神話に出てきそうな異形の生き物の描写は、どこかで見たような・・・?
そうそう、押田守の“サマーウォーズ”だ。
エウレカセブンに於ける大災厄が“サマー・オブ・ラブ”と言うことから見ても、このアニメの与えた影響は大きかったのでしょうね。
つづく!

(視聴終了です)
もしかして、これは3人のロリコンオヤジ、レントン父、インプラント坊主、同じくサイコパス兄が夢見たネンドロイド達の救済の物語か?
「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」
・・・、オイ!願いのベクトルが間違ってるぞ。

まあ、何はさておき、生き抜くことに執着する登場人物達に、また、外連味たっぷりに愛を、人類の救済を語ってくれた脚本に感謝である。

そして、最終クールのOPで、皆に抱かれる地球を見る時、『幼年期の終わり』と同じクラークの名作『都市と星』がモチーフとなっている事に気付く。
それは滅びた星である地球に戻ってきた人類の、そして少年の成長物語。

しかし、このアニメには若干の忍耐が必要であることも確かであった。
そう、レントンがなかなか成長してくれないのだ。
思春期悶々ネタを次々とぶつけた挙句のサッカー回。
二人してホランドを踏み台に、大人の入り口に入った筈であった。
あぁ、それなのに、毎回のようにエウレカにイラつき、結果として絶望し、悔恨の涙を流すのだ。
それでも、周りは諦めず、働きかけ、気付かせてくれるのである。
これは一人で勝ち取ったのではない、周囲の人々が育てたヒーローとヒロインの物語だ。

アネモネとアゲハ隊が死ななくて良かった、良かった。

おしまい!

(補記)
ゾーンの描き方が印象的であった。
モチーフになったのはレムの『ソラリス』であろう。
思念体と統合されていないレントンが会話出来るのは、記憶のある姉のみだ。
父は一言も話さない。彼には父との記憶がないからだ。
また、大切な人に負わせた痛みを、自分を打つ事で解消しようとするシーンは心に刺さるものがあった。
タルコフスキーの映画でも命を絶った主人公の妻が何度も同じ苦しみを突きつけてくるシーンがあり、重なるものがあるように感じた。

(補記2)
世界樹の根元に広がる琥珀の丘、封じ込められた足跡は、指輪のイニシャルが示すとおり、時空を超えて戻ってきたレントンとエウレカのそれであろう。
二人の愛がスカブコーラルの“願い”の源となった時、大きな輪廻の輪が生まれることになる。
無地で生まれてきたエウレカは、1万年の時を経て、LOVE“ハートマーク”を記し、その輪を閉じるのである。
そして、すべての始まりへの橋渡しを果たすのが“ゼロ”のニルヴァーシュであるとするなら、“The End”のそれは人間全ての業を背負った姿だ。
彼が白のニルヴァーシュとなって消えるとき、人類を象徴するアネモネが救済されるのだ。

投稿 : 2019/10/21
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サンキュー:

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