「東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)」

総合得点
78.0
感想・評価
666
棚に入れた
3437
ランキング
563
★★★★☆ 4.0 (666)
物語
4.2
作画
4.1
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.0

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ネタバレ

きつねりす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「家族愛、子供への愛」を描くヒューマンドラマ

どこだったかは忘れたけど、おススメの映画として取り上げられていたのでいずれ見ようと思っていた作品。やっと見るまでに至りました。

作品全体として「生活が苦しくても、距離が離れていても、取り返しのつかない失敗をしても親は子供を第一に考え、帰る場所を作ってくれている」ということ、つまり「誰しも親から生まれ、そして親は我が子のことをいつも思っている」ということが主題なのかな、と思いました。

作中に出てくる登場人物たちは複雑な事情や歪な関係で繋がっているものの、一貫しているのは「子供への愛」があること。(自分のせいで)ホームレス生活になりながらも残してきた妻と子供が忘れらないギン、露骨に子供への愛情を示すもそれは自らの愛なき子供時代の裏返しであるというハナ、最初は悪態をつきながらも徐々に拾い子に愛情を覚え始めるミユキ。最終的には主要キャラクターの中では唯一その「子供」という立場であるミユキが清子(仮)をさらった女性に対し「その子も両親に会いたがっている」と説得するシーンを挟むことで「本当は帰る家が恋しい」というミユキの本音を引き出す構成、やはり評価されるべき作品だなと思いました。

形は違えど、ストーリーの軸に深くかかわるキャラクターだけでなく通りすがりのようなキャラまでも「家族愛、子供への愛」を語る今作は、一見ドタバタコメディのようにも見えますが純度の高いヒューマンドラマだと思いました。


他に見どころとしてはやはり「アクション」と「表情の豊かさ」。
テーマとして大人しいものになりそうな雰囲気がありますが、とにかく動く動く!終盤の逃走劇→カーチェイスはハリウッドの雰囲気も漂わせるほどの描きこみっぷりで、見ていて飽きないな~と思いました。
「アクション」を"動"の部分とすると、キャラの内面を映し出す"静"の顔のバリエーションもかなりのもの。
悟ったように落ち込むギン、電話口の父親に「ごめんなさい」が切り出せないミユキ・・・よく観察しているからこそ描ける表情がいくつもありました。もちろん腹を立ててまくしたてるハナの百面相のような"動"の顔もなかなかに見応えがありますが(笑)

作られた年は結構昔ですが、クオリティはかなりのものだと思います。劇場アニメの完成度はこの頃から凄かったんだと感じられたので、この時代の作品も今後見ていければな、と思います。

投稿 : 2019/10/26
閲覧 : 354
サンキュー:

6

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