「宇宙よりも遠い場所(TVアニメ動画)」

総合得点
94.0
感想・評価
2593
棚に入れた
8944
ランキング
6
★★★★★ 4.2 (2593)
物語
4.3
作画
4.1
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.2

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

エモさ以外を捨てたアニメ。

【概要】

アニメーション制作:マッドハウス
2018年1月 - 3月に放映された全13話のTVアニメ。
監督は、いしづかあつこ。

【あらすじ】

群馬県に住む高校2年生の玉木マリ(キマリ)は、高校生になったらしたいことが色々あったはずが、
何も出来ないままだった。高校に入学したらやりたいことを書いた手帳を自室で見つけ、
「青春する」という文字を見て号泣。友人にアリバイ作りを手伝って貰って、
学校をズル休みを一人旅を目論むも、踏み出せずに諦めて結局は登校してしまう。

その日の帰宅途中、駅のホームで駆け込み乗車をしていた同じ学校の女子生徒が、
スポーツバッグから落とした封筒をキマリは拾ってしまう。中身は100万円の札束だった。
持ち主である女子生徒は小淵沢報瀬。南極観測隊員で行方不明の母親がいた場所に行くために、
高校生が行けるわけないとバカにされながらも日々のアルバイトで貯めたという。

バカにされながらも頑張っている報瀬を応援するとキマリは言うが報瀬は素直に受け取らない。
更には、南極に同行する気があって広島県呉市にやってくる南極観測船の下見に行くのなら、
応援が本気だと信じると言う。後日、広島行きの新幹線の中でキマリは報瀬と再会。
それは、一緒に南極を目指す少女たちの第一歩だった。

【感想】

アルゴリズムの変更に伴い、総合ランキング1位に躍り出た作品。

ALL5を付ける人が多い一方で、

『数々の名作を差し置いて、これが1位はおかしい!』

という意見も多く、画像無しのアカウントでALL1を付ける人もちらほら。
それはさておき、実際に観てみた感想ですが、かなり作為的なアニメに見えます。

このアニメで伝えたいことは、4人組の南極行きを通じた様々な出来事で、
何を思い何を感じたか?の一点に絞られて4人組の主観・視点で構成されています。

なので、彼女らの感情に反する人たちは、
原則的に徹底的に負の存在&雑音として扱われています。

南極に行きたいという話にしても、
身内として反対してたはずの保護者(説得シーンカット)
&許可できないとしていた民間南極観測隊(芸能人レポーター参加の交換条件で承諾)
ですら簡単に折れる“物分りの良い存在”ですし、
未成年者に対して責任を持って対応しているはずの大人の言い分すらオミットしている。

明確に自分の考えを持って南極行きに対してアンチ工作していた例の人も、
結局はマイナスの感情で卑怯なことをしていたとの話ですし、
夢みたいな主人公らの気持ちに歯向かう存在には、正しい行動がないという作為。

これが、P.A.WORKS作品であるならば、ババーン!と年長者が若者のふわふわに対して、
丁寧に諭して導いたり厳しく躾けて鼻っ柱を折るところでしょうが、

大人キャラの視点からの常識的で冷静な指摘や提案などは、
それらが作品で伝えたい主題に背反して、展開に収拾がつかなくなる要素であるからこそ、
スポイルされまくった物語と言えるでしょうね。

“肯定されたいティーンズの欲求を代弁するアニメ”から不必要な要素を伐採し、
その要素を敵視しまくった作品。このアニメには、こんなイメージを持ってしまいますね。

『やりたいからやる!』
『夢を否定しないで!』
『今までと違う自分になりたい!』

未成年時にありがちな感情なのですが、夢を叶えるのは一筋縄では行かず、
夢に向かう者は“気持ち”だけでは不十分。目指すステージへの参加資格を得ようと、
知識・経験・技術を得る鍛錬と努力をしていますよね。
受験に合格するにも学力が、スポーツ選手がプロ入りするにも実績やスカウト評価が、
必要なのと同じです。

振り返ってみれば、「南極少女」と陰口を叩かれていた報瀬が『ざまあみろ』と見返すために、
とった手段は、専門的知識・経験を持った技術者として観測隊の公募に応募することではなく、
本人が手回しをしていないにせよ、コネで芸能人にくっついて観測隊に参加という裏技。

母親を南極で失った報瀬以外には南極に行かなければならない切実な理由がなく、
4人組のやりとりは気分的には観光旅行と大差がない。あと自分探し。

南極観測隊員の仕事がメインではなく、
あくまでも南極行きを肴に友情を育んだり観測船などで日常をする話でありますので、
4人組の感情を理解して共感して、彼女らの視点で物語を楽しめないと、
ただ単に毎回泣かせに来ているだけのアニメとして充足感が中途半端に終ってしまいます。

このアニメに否定的なニュアンスを持つ人は物語の作り方が気に入らないし、
肯定的な人は、『良いんだよ!アニメで表現したい部分は4人の気持ちだから!』
評価を分けるポイントは、そこだと思います。

個人的には、
・日常コメディが笑えるほどに面白くはなかった。
・南極観測隊員の大人キャラ(特に男性)にプロとしても人格面でも魅力が薄かった。
・4人が南極行きに苦労をしてないし、遊んで帰ったという印象が強い。
・↑報瀬の母親の死と12話後半の感動ドラマに比してあっさりしすぎて軽いという印象。

大人の職業人や老成した人格が描かれているアニメ作品が他社に存在していて、
作品で伝えたい主点が全く違うこともありますが、比較すると意図的に狭い視野で作られてて、
主人公たちの友情や泣かせ以外の描写がイマイチに見える。

友情や自分の知らない世界に接する感動で少女たちが心を動かされる話にせよ、
彼女らは特別な景色・特別な友達で無いと決定打にならない人たち。
どことなく、4人の少女たちの心のなかで序列と区別を作ってしまっている。
それが周囲にも見透かされていて、心の溝を作っているのは彼女たち自身ではないか?
とも思えてしまいます。本質的には少女たちの“好き”と“嫌い”で、
彼女らの眼鏡にかなわなかったものが、毀損されている部分があるのではないか?

と、純粋に物語を楽しむには脳内に雑音が多すぎたので、
ちと点数が微妙になってしまいました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2019/11/09
閲覧 : 521
サンキュー:

72

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