「映像研には手を出すな!(TVアニメ動画)」

総合得点
80.0
感想・評価
583
棚に入れた
2213
ランキング
465
★★★★☆ 3.8 (583)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

Comes to Life!!

[2020/01/17 v1: Comes to Life!! (First impression)]
[2020/01/22 v1.1: 文言修正]
[2020/03/23 v2: Comes to Life!!]

原作は漫画ということを知っている以外、何も知らず(読んでもいません)。

― v1 ―{netabare}

原作・原作者がすごいことは疑いようがない。2話まででも十分に伝わってくる。車のおもちゃを廊下で転がしながらあれやこれやいろんなことを思い考えていたであろう僕が、もう僕の中にいないことを嫌というほど思い知らせてくれる。

しかし、原作が漫画であること、そしてその原作自体が素晴らしいものであることを直感で理解しつつも、あえて言う。

これはアニメでなければならないアニメ作品だ。
実写ではだめ、CG主体でもダメ。アニメというメディア・媒体にのみ許されるアニメーションが本作品をとんでもない次元に高めている。

アニメーション(Animation)という言葉の意味を改めて噛みしめる。

Animate:
 to give life to; make alive;

生命を与えられたもの、精神を与えられたもの。ただの絵があたかも生命を与えられ、現実のものとなったように動く。我々の大好きなアニメがアニメと名付けられた所以。

1話冒頭、PC(テレビ)にかぶりつき夢中になっている浅草みどりは、その映像を見ている画面の前の僕そのものだった。エッシャーの絵を思わせる街並み。展開図がぐわっと動き、ぞわぞわするような立体感をこちらに与えつつ「そこにあるもの」へと変化する。ゆがめられた遠近法の空間内を動く視点の変化。強調される奥行き感に思わず声をあげてしまった。そう、3Dじゃなくとも奥行きは表現できるのだ。写実的でなくとも、CGでなくとも「リアル」をつくることはできるのだ。

これがアニメなんだ。

作中の登場人物のイマジネーションを舞台に、監督はじめアニメータ全員のイマジネーションを形にしてくれている。そんなメタ構造も見えてくる。イマジネーションの連鎖が、生きたものとして眼前に提示される。それがこんな快感をもたらすものだったとは。


これは凄い。

追:{netabare}なお、上記初投稿時点で、実写映画の話を知りませんでした。イムラさんに教えていただきました。そちらに関しては、「へぇ~」という感じです。三人とも美人でいいんじゃないですか?(すっとぼけ)。アニメ放映の後に回したのはどうしようもない戦略ミスと思いますが、アニメとは違った世界を期待したいところです。{/netabare}{/netabare}

― v2 ―{netabare}
水崎氏、金森氏のFeature回はそれぞれお話として素敵で、結構ウルっと来た。

物語としての勢いは終盤にかけて弱くなってしまったように感じる。最終話が急ぎ足に感じられたこともあり、ちょっと残念。圧が抜けた感じの幕引きに対しては、正直モヤっとしたものを感じる。主要三人の個性と能力の相乗効果をもっと前面に押し出してほしかったな。

最終盤での「音楽に合わせてかっちり作画」にこだわる水崎氏。シンフォギア1期を愛する僕としては「いいぞもっと言ってやれ!」な心境でした。が、あっさり陥落してしまったのは残念。「現場の苦労と判断」ということなのだろう。

しかし、「アニメーション」を見せる作品としての本作は最後まで押し通すことができたのではないかと思う。個人的には、第1話や金森氏の回想シーン、その他多くの場面で魅せつけてくれた「立体感」と、自転車のシーンで魅せてくれた「疾走感」が印象に残っている。

{/netabare}

投稿 : 2020/03/23
閲覧 : 453
サンキュー:

50

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