「ドラえもん のび太の恐竜(アニメ映画)」

総合得点
66.6
感想・評価
105
棚に入れた
606
ランキング
2719
★★★★☆ 3.6 (105)
物語
3.7
作画
3.3
声優
3.7
音楽
3.4
キャラ
3.7

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

子供には戻れないことを痛感。

【概要】

アニメーション制作:シンエイ動画
1980年3月15日に公開された劇場アニメ。
原作は、藤子不二雄が『月刊コロコロコミック』
にて連載していた「大長編ドラえもんシリーズ」作品。
監督は、福冨博。

【あらすじ】

スネ夫の家でパパのお土産のティラノサウルスの爪の化石を見せびらかされ自慢される、
のび太たち。もっとよく見せて!とせがむ、のび太であったが、
スネ夫から除け者扱いされて、自分だけ化石をよく見せてもらえなかったことに腹を立て、

『ツメだけじゃなく、恐竜まるごとの化石を発掘してみせる!!』

と悔し紛れに宣言してしまった。あまりの突拍子の無さに皆から笑われたのび太は、
帰宅するや否やドラえもんに泣きつくが、呆れの言葉の数々をかけられてしまう。
そして、本で地層について調べて自分で恐竜の化石を掘り出してみようとしたのび太は、
紆余曲折の末に丸くて大きい石を発掘するのだった。 

『恐竜のたまごだ!』

と喜んで持ち帰ったのび太であったが、他の可能性を羅列して否定するドラえもん。
と、口ではあれこれ言いつつもドラえもんは、“タイムふろしき”をわざと落として、
のび太を見守るのだった。のび太がタイムふろしきで大きな石を一億年前の状態に戻すと、
それは間違いなく卵だった。のび太は卵を温めて孵そうとするのだった。

【感想】

25本ある大長編ドラえもんの第1作目。幼い頃にぼーっと観た覚えがあるのですが、
最初から最後までちゃんと観たことがなかったので、観てみました。

うん?ドラえもんの知識がなまじっかあると、割と粗だらけな話ですよね。

首長竜のピー助が大きくなりすぎて飼えないから、一億年前の世界に戻そう。
というわりにスモールライトを使うのは持ち運ぶとき限定。
飼育するだけならば、ライトで小さくして水槽で飼うこともできますし、
異空間にピー助が住める生態系環境を作って、もとの大きさで飼うことも可能。

厳密に言うと人間と首長竜では住む世界が違うから本来の環境に戻そうという、
意味合いなのかもしれませんけどね。
あと、本来生まれることが出来なかったピー助が一億年前の世界で子供を作っちゃうと、
歴史に影響しちゃうような気がしますよね。

四次元ポケットの中にあるドラえもんのひみつ道具は本来なら何でも出来るのに、
何故かそうしないことが気になるのですよね。

それは、一億年前の恐竜の世界でドラえもんたちは話の都合で思考の幅を狭めて、
使うひみつ道具の種類や運用方法を何故か限定してしまうことであって、
本来楽勝な逆境を無理やりピンチに変えてしまっているのが目に付くのです。

でも、そんなこと気にしちゃダメなんですよね。

子供の純粋な気持ちで、のび太に共感して、一億年前の世界を楽しんだり、
のび太とピー助の触れ合いの物語に癒やしや感動を得る。
それが、正しい鑑賞方法なんだと思います。

自分としては、『おばあちゃんの思い出』『のび太の結婚前夜』『45年後…』
あたりは本当に傑作だと思いますし、
素晴らしい大長編ドラえもんが何本もあるのを承知の上で『のび太の恐竜』は、
ドラえもんの傑作エピソードと比較して、あまり感動できなかったと断言します。

のび太に懐いたピー助は他の古代生物と違って、妙に表情が人間っぽい。
そのピー助を成長促進剤を使って短期間で無理やり成体に成長させる。
一億年前の世界でアメリカ大陸から日本列島に移動する時に襲ってくる恐竜などは、
“桃太郎印のきびだんご”で自由な意思を奪い強制洗脳して頭の上で遊んだり乗り物扱いしたり。

これは人間が恐竜と友達になる話でもあるのですが、敵となる恐竜ハンターとは違う形で、
ドラえもんたちもまた、恐竜などの生き物を人間のエゴと都合で支配して利用しているような?

と、いろいろ思うことがありすぎて感動するどころではなく、
こんな点数になってしまいました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2020/03/22
閲覧 : 280
サンキュー:

39

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