「八男って、それはないでしょう!(TVアニメ動画)」

総合得点
66.1
感想・評価
412
棚に入れた
1500
ランキング
2937
★★★☆☆ 2.9 (412)
物語
2.7
作画
3.0
声優
3.1
音楽
3.0
キャラ
2.9

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.5 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

世界のシンエイ動画がなろう作品を作ったら…

こんなことになっちゃいました。
詳細は公式でも。

なろう作品です。人気があるのかどうか知りません。制作は「ドラえもん」のシンエイ動画。制作協力は「メジャー」シリーズのSynergySPです。そしてOPがデーモン閣下とアリプロの宝野アリカ、EDは「1万年と2千年前から愛してるー」のAKINOという布陣です。

初回は可もなく不可もない印象。
サラリーマンが豚バラ炒めを食おうとしていたら、異世界転移して貧乏貴族の八男になるという、なろう特有の強引な展開で、またかよ感がすごいですけどね。

それにたまたま本棚にあった魔力を調べる玉に手をかざしたら、強力な魔力を持つことがわかり、使い方がわからない状態で魔法使いが現れ、小枝を投げたら落石が起きて巨大イノシシが襲ってきて、キュウソネコカミ状態で風の魔法が使えるようになりましたという。

これまた、なろう特有のご都合展開ではありますが、所詮はなろう作品なので、この程度なら問題ないと思えるほどには期待はしてません。

「世界のシンエイ動画」が、なろう作品をどう料理してくれるのか楽しみにしていますよ、それなりに。

=====第2話視聴後、追記です。
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魔法使いのアルフレッドに弟子入りしたヴェル。修行によって、あらゆる魔法を習得していきます。しかし、そんなヴェルの様子がおかしいと家族が訝りはじめます。

特に家督を次ぐ長男は、もしかしたらヴェルに魔力があるのではと疑いの目を向けます。そんな折、森に「語り死人」という、いわゆる幽霊が出るとの噂が……。

時を同じくして、アルフレッドは身体に変調を来しています。すでに役目を終えたアルフレッドは自分が語り死人であることをヴェルに打ち明け、浄化魔法で消し去るように頼みます。涙ながらに師匠を浄化するヴェルなのでした。
{/netabare}
というお話。

う~ん……。
みなさん書かれている通り、このヴェルは転移する前はサラリーマンだったんですよね。せめて「今は5歳だから、それらしく振る舞わないと」的なことがあればいいのですが、そういうのもなく、精神年齢まで“ちゃんと”5歳になるのがおかしいですよね。

たとえば「本好きの下剋上」では、マインが幼女らしからぬ知識、分別があるように描かれて、それが疑惑につながるなど、齟齬をきたすことも出てくるわけです。

それに対し、この作品ではヴェルがすっかりショタの精神状態になってしまっている。転移の意味がねえ。このへんが、確かに気になるところです。

ストーリーは、まあ序盤だし、このへんまでは、なろうアマチュア作家でも構想を練っているはずなので悪くはないです。ま、そのうち飽きてしまって雑な展開になるという懸念もありますし、そういう作品も多いので。

とりあえず、まだ視聴に耐えうる展開ではあります。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
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ドピュッと時間は飛んでヴェルは12歳になりましたよ。

ガッツリと日本語で書いてある「冒険者予備校」に入学したヴェルでしたが、とんでもない能力を持つ魔法使いの特待生ということで、クラスの子たちは一目置きすぎて話しかけもしないボッチ状態に。

パーティーを組むよう先生に言われたクラスメートたちは、ヴェルを仲間にしたいけど声かけられません。いいとこ見せようとモンスターを狩るも、ヴェルは桁外れの力で誰もかないません。

すったもんだあって、貴族のパーティーでヴェルはエルヴィン、イーナ、ルイーゼの3人と組むことになりました。
{/netabare}
というお話です。

あれあれ?
意外と面白くないですかこれ?

ん~。まあ、なろう特有の俺TUEEEEE状態ではあるのですが、強くなったのが師匠のアルフレッドに弟子入りしたからという理由がハッキリしているので、それほどのご都合感はないですね。

ちょっと評価を見直してみました。ただ、まだ信用していません。なろうだから。
{/netabare}
=====第6話視聴後、追記です。
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王の命を受け、竜討伐と魔物の殲滅の任を負ったヴェル。そこには、救護班として婚約者のエリーゼも従軍します。12歳なのにね。

でまあ、戻るとイーナとルイーゼを側室にするとヴェルは安請け合いしますよ。
{/netabare}
というお話。

うーんと……。
どこからツッコんで良いやら。

世界観が中世ヨーロッパなのに、なんで側室? せめて「第二夫人」とか。そもそもキリスト教下で一夫多妻制は認められてなかったのでは……?

てか、ヴェルもなんていうか……。何も考えずにエリーゼと婚約したり、エルヴィンを家臣にしたり、イーナとルイーゼを側室にしたり、安請け合いが酷い。パーティメンバーで友達だと思っているはずが、配下、側室って、パワーバランスがおかしくならないかねえ? どうしても下に見るでしょ。

そもそも、こいつは5歳のヴェルに転移してきたわけですが、その後10年ぐらいずっとヴェルなんですよね? じゃあ何? それまでのヴェルの人格は消滅しちゃって死んだってこと? それもなんか酷いなあ。

これはもう、原作の設定とか物語の建て付けにアラが多すぎるんじゃないかしら。原作未読なので、脚本なのか、こんな話なのか分かりませんが。なんとなくの印象は、あまり出来の良くない原作を必死に調理して出しているという感じがします。

雑な設定を「いいんだよ、異世界なんだから」でスポイルすると、何でもありになりますよね、それでいいという人であれば、楽しめるのかも。そろそろ切るかどうかボーダーです。
{/netabare}
=====第7話視聴後、追記です。
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ヴェル一味は武芸大会に出ることに。
エルヴィンは魔力が弱いことをコンプレックスに感じ、優勝しないとパーティをクビになると脅かされ、稽古に勤しみます。

そして大会当日。
イーナやルイーゼが次々と敗退する中、エルヴィンは決勝まで残ったものの、近衛騎士団の中隊長やらに敗れてしまいました。でも、それぞれ剣術の師匠ができて、稽古をつけてもらうことになりましたとさ。
{/netabare}
というお話でした。

今期、同じ「なろう異世界転生モノ」として、低いハードルでスタートした今作と「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」。どうして、ここまで差がついたというほど、こちらは酷い低空飛行です。

まず、純粋に面白くない。
今回の話だけでもツッコミどころ満載。

・そもそも八男という設定がどうでもよくなってる。
・謎の日本食推し。海苔とかどうやって調達した?
・エリーゼがパーティに入るみたいだけど、これ冒険者予備校の課題として組むって話でしょ? なんで貴族のお嬢様が入るわけ? ていうか、今のところパーティ組む意味って何?
・ちょいちょい江戸時代風味。ヴェルが「お館様」って……。こんなの書かないで時代劇でも書けば?
・早くもイーナ、ルイーゼの側室設定がどうでもよくなっている件。
・メンバー応援のために徹夜で弁当を作るヴェル。うずらの卵に「ガンバロー」って……。
・大会が終わったら剣術の師匠ができて稽古をつけてもらうって、いったい何のために? 冒険に出る感じもないのに。

なんていうか、読んでないけど原作が面白くないのでしょうね、これ。7話まで観てきて、主人公のヴェルの魅力がまったくわかりません。メンバーに、お弁当作ってくるような優しいところですか?

自粛などで退屈しのぎに観ていますが、普段なら絶対3話切りしているレベルです。後半、少しは面白くなってほしいですね。なんでこんな作品をアニメ化したのか謎です。
{/netabare}
=====第8話視聴後、追記です。
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いきなり3年飛ばして、15歳になったヴェルは成人になりました。相変わらず日本の歴史っぽさを引きずってます。元服かよっ!

で、晴れて冒険者パーティを組めることになりましたという。でも初心者パーティだから、まずは街の近くでレベル上げをしようという。えっ? ドラゴン倒したり、国王の依頼を受けたりしてたのに?

で、お試しダンジョンに潜ることになるわけです。過去に多くの冒険者たちが挑んでは戻らなかったダンジョンに。実際、下層には過去の冒険者たちの
白骨がゴロゴロと……。お試しダンジョンなのにね。

で、トラップにハマって最下層に飛ばされた一行。どれだけ上がればいいかわからないということで、必死に戦う仲間を尻目に、ヴェルはおにぎりを食べながら「やっぱりエリーゼのお弁当は美味しいねえ」と……。

そして、ついにラスボスのミスリルドラゴンが登場。いや、普通ダンジョンって最下層部にラスボスがいるもんじゃん? そんな上の方にいるの? じゃあトラップにハマらなかったら、すぐにラスボス戦になるわけ?

で、苦戦しつつ、エリーゼが「奇跡の光」という魔法という名のキスで奮起したヴェルがミスリルドラゴンを撃破しますよ。もはやツッコむ気もないけど……。

ダンジョン攻略したら、お宝が。なんでも古代の飛行船の動力源やらとかで。それで、エルヴィンが「それだけじゃないぜ」って見せたのは、窓が開いて外が見えるという……。

なんで、こんな変なアニメ観てるんだろう。しかも、今回は作画も適当。鎧のゾンビ兵士みたいな敵はCGですが、安っぽいのなんの。

いやもう、こんな適当に作るならやめればいいのに。てか、これがコロナの影響もなく延期されないのに、見所のある作品が軒並み延期されてるの納得できないですね。あ、こんないい加減だから、逆にコロナでも制作できるのかな。
{/netabare}
=====第9話視聴後、追記です。
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いやあ、なんでしょう、この面白くなさは……。

お試しダンジョンの攻略の報酬が、国家予算すら一括で払えないレベルの金貨というのは、もはやツッコむ気にもならないですが、パーティの3人がまさかの要らないからとヴェルに譲るって……。

で、嫌がらせもあるから王都を離れるということで、その際の屋敷の管理を、ウザく仕官して来ていた緑髪のあいつに。ところが、これがまた有能で、しかも貴族の妾の息子だったという。

いちおう転生したんだよということを見せたいのか、無理やり日本食にこだわる寒い演出。なんでも魔力で取り寄せられる魔法陣で、取り寄せたのがマグロって……。すしざんまいかよ!

そして、またもパーティにメンツが増えました。ピンク髪の食いしん坊女子。刺客かと思いきや、単に食べさせてくれるかということで偵察していたそうです。

どうも原作とまるで違う作品になっているらしいですね。だとすると、監督や脚本家がよほどセンスがないんじゃないかと。MXだと、これの後に「かくしごと」やってますが、これ観た後だから面白いこと面白いこと。

パーティなんて派手な展開にするから、もの凄い人数のキャストがエンドロールに出てました。このあたりは、さすがシンエイ動画といった感じでしょうか。ま、無駄遣いですけど、これでは。
{/netabare}
=====第10話視聴後、追記です。
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ヴェル一行は実家であるバウマイスター家に行き、ブライヒレーダー辺境伯から依頼された“魔の森”に巣食うアンデッドの浄化を行うことに。

しかし、交渉のテーブについたヴェル一行に、長兄のクルトは敵意むき出しでした。ヴェルはさっさと依頼を済ませて、実家の領地からすぐにでも引き上げようと決めます。

しかし、ブライヒレーダー辺境伯からは十分な説明もないまま、実家で待機するようにとの指示。それで慰霊の儀式を行う一行だったが、クルトは姿を見せず、兄嫁と幼い子供2人だけが……。
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というお話です。

これは原作が、こなすべきエピソードが盛りだくさんだったんでしょうかね。適度な内容で、まったく面白くないということはなかったです。

そう考えると、ここのレビューを見る限り、原作を無視した展開では、具が足りずに余計なことをして間延びした面白くない展開になり、今回のように原作に内容が詰まったエピソードの回は、不要なボケとか無駄な描写を抑えて、ちゃんと見せる形になっているのかなと。
(あとは2話の師匠浄化までのエピだけ)

結局、これまでこんな感じで作れば、ここまで低評価にならなかったんじゃないかと思いますけどね。時既に遅しですが……。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}{netabare}
長兄・クルトを誘い出すために、あえて未開拓の領地を訪れたヴェル一行。
案の定、ヴェルを亡き者にしようと目論むクルトは、渡された魔道具「竜使いの笛」を手に、ヴェルを攻撃します。

が、それは「竜使いの笛」ではなく、自分の身をアンデッドにして怨念を集めて攻撃する「怨嗟の笛」だったのです。アンデッド化したクルトの攻撃に、ヴェルは……。
{/netabare}
という最終話でした。

10、11話は最終局面に向けて盛り込む要素が盛りだくさんだったので“ちょっとイマイチだけど普通の異世界ファンタジー”だったのですが、最終話にしてポンコツに逆戻り。アンデッド化したクルトを退けるバトルのショボいことショボいこと。そして、そこでデーモン閣下のOPをBGMにするのは合わないでしょ……。

ヴェルを排除しようと画策する貴族の始末もこれまた雑というか。「ぐああああ」って杉田智和さんの演技がギャグに見えましたw

まあ、すべての面でツッコミどころが満載のあまりレベルが高くない作品でしたが、致命的なのはヴェルが、これっぽっちも魅力的なヒーローではなかったという点。最終話にしたって、この期に及んで長兄を殺すことにためらって動けなかったのを、エリーゼが身を挺して浄化魔法をかけているのを見て、いきなり躊躇なく兄殺しをするとか。

また、可愛そうだからと思ったのか、長兄の2人の子のために、ご法度の爵位任命権を皇帝に求め、譲らないという。そして、それを認めさせるために周りの貴族が演技したって。なんで、そこにそんなに情を傾けるのか。

未開拓地を魔法で整地するのが面倒くせーみたいな感じなのに、醤油工場だけは気合い入れて建設するぞーという、最後まで謎の日本食へのこだわりがバカバカしい。あ、ラストシーン! そこで豚バラ炒めを食って締めるなら、現世に戻ったほうが評価できたと思いましたけどね。

とまあ、観てきてヴェルの魅力がさっぱり伝わらなかったのが、すべての面で作品として失策だったのかなという印象です。やっぱり、なろう作品を創り慣れているSILVER LINK.あたりが請け負っていれば、もう少し違ったのでしょうか。

決してオススメできる作品ではないです。
{/netabare}

投稿 : 2020/07/13
閲覧 : 1149
サンキュー:

13

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