oxPGx85958 さんの感想・評価

2.3
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態：観終わった

不快ではないが面白くはない異世界転生もの

私のいまのアニメ熱のきっかけとなった2作品の1つ『この素晴らしい世界に祝福を！』(もう1つは『響け！ユーフォニアム』)と同じ原作者ということで見てみたのですが、本作はあちらにあった魅力には欠けていました。それはなぜなのかを考える材料にはなると思って最後まで見たんだけど、そうでなければ途中で断念していたでしょう。

関連資料を見ていて驚いたのは、主人公のライバルであるレスラーMAO、そのMAOを召還した、花子のライバルであるイオアナ、その従者でありカーミラのライバルであるローゼ、さらにはオークの族長とコボルト夫がいずれもアニメのオリジナル・キャラクターだということでした。というのも、これらのキャラクターと、それぞれが関わる「ライバル関係」はいずれもスベってるな、と、本作を見ているあいだずっと思っていたからです。

これらのライバル関係を扱うプロットはストーリーのかなりの部分を占めているので、本作のつまらなさのかなりの部分がアニメ・オリジナルの脚本のせいだと推測できます。その一方で、こういうものを追加しないとどうにもならないほど原作の内容が薄かったのだ、という説もどこかで見掛けました。自分で確かめる気力はありませんが。

本作を見ていて改めて、『このすば』が絶妙なバランスの上に成立していたということを痛感しました。使われる材料の性質はそれほど違いはないのだけれども、『このすば』はぎりぎりのところで上品で端正だった。

そんな中で、シグレ役の関根明良、花子役の八木侑紀、カーミラ役の櫻庭有紗、ミーシャ役の集貝はなが決して悪くなかったことは書いておきたい。それだけに、『このすば』の雨宮天や高橋李依との(明確な)差がどこから生じるのかということに考えを巡らせざるをえないわけですが…