「魔王様、リトライ!(TVアニメ動画)」

総合得点
71.5
感想・評価
504
棚に入れた
1879
ランキング
1282
★★★★☆ 3.3 (504)
物語
3.2
作画
2.9
声優
3.5
音楽
3.2
キャラ
3.4

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 2.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

転送先ではおじさんでした

 原作は未読。
 設定の基本構造などは「オーバーロード」(以後、オバロと表記)に似たものがあるが、オバロに
較べてかなりギャグ寄り。
 まず主役である九内 伯斗だが、作中で自身が「マフィアのボス」と突っ込むように、魔王という
言葉から想像されるイメージとの違いに驚いた。元のゲーム「Infinity GAME」は近未来的舞台で
あるためそんな風貌なのだろうが、そんな世界のキャラが中世風ファンタジー世界に放り込まれたと
いうギャップが面白い。
 転送先の異世界では圧倒的な力を持つ九内だが、スキルポイントによる実行制限や
「Infinity GAME」には存在しなかった魔法への耐性がない点といった縛りがストーリー上における
良いアクセントになっているように思える。

 転送先を自身の望むように変えていこうとする展開自体はオバロと似ているが、
アインズ・ウール・ゴウンのやることが魔王の名に相応しいものであるのに対して、本作の九内の
それは魔王という名とは裏腹に「弱きを助け」の世直し的なものに近い。
 アインズの場合、性格も中身の鈴木 悟よりアインズに近いものになっていっているのに対して、
九内の中身は大野 晶という一般人のままというのが大きいのかな。
 あと九内の独白や側近達の会話を観るに、「Infinity GAME」の大帝国の逆を行っているようで、
作中では語られなかったが大帝国にあった何かの反動というのもありそう。

 異世界で九内が最初に出会ったのがアク。彼女のこれまでがあまりにも不幸であったため、
九内との出会いにより幸せになっていく過程が観ている側としても嬉しくなってしまう。
 前述の九内の世直し的行動は、アクと出会ってその境遇を知ったことも、影響があったのかも。
 以後、ルナ・エレガントを始め様々なヒロイン(男の娘のユキカゼを含むw)が登場して一種の
ハーレム状況になる。
 こういった展開自体はラノベ原作異世界転送作品の定番とも言うべきものだが、主人公が
おじさんになるとこうも印象が変わるのかといった感じ。
 このヒロインの中では三聖女が三者三様のチョロさで面白い。

 人名や地名を始めとする数々の名称のネーミングが適当感満載でこれ自体が結構面白かったり
する。
 加えてスキルや魔法に関しては発動された事象が名称とあまり合っておらず、その辺も面白い。
 まあこういった部分は狙ってやっているのだろうけど、原作者がナチュラルにやっているとしたら
それはそれで面白い。それにしても「世紀末聖女」ってw。
 こういった脱力するような名称やキャラ同士のやり取り、ストーリー展開などツッコミたくなる
ことが多々だが、視聴者に代わって作中で九内がツッコミを入れてくれるのがこれまた面白い。中の
人である津田 健次郎の渋い声でやってくれるだけに余計に面白かったりする。

 作画に関しては良いとは言えないのだが、これはこれで味になってくると言うか。
 こういうところは同系統の先行作品である「この素晴らしい世界に祝福を!」でも
感じたことだが、「これはこれで味わいとなるか否か」は作画以外の要素がフォローできるぐらいに
ちゃんとしているかどうかは結構大きいんじゃないかと。
 そういう点では本作は展開、演出、キャラ設定などいずれも悪くない。
 あとキャスティングがかなり良く、新人からベテランまでかなり贅沢な印象。
 特に九内役の津田 健次郎氏は九内というキャラの魅力の底上げにかなり大きく貢献している
ように思える。
 個人的にはキラー・クイーン役の戸松 遥氏のテンション高すぎな演技が、同時期に放映されて
いた「女子高生の無駄づかい」の菊池 茜役と同様にかなり面白かった。

2020/05/07
2020/08/10 誤字修正

投稿 : 2020/08/10
閲覧 : 368
サンキュー:

10

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