「このはな綺譚(TVアニメ動画)」

総合得点
79.6
感想・評価
557
棚に入れた
2408
ランキング
484
★★★★☆ 3.8 (557)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.9

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take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

なるほど「奇譚」ではなく「綺譚」ですね・・・

ちなみに「奇譚」とは「世にも珍しい言い伝え。面白くて不思議な物語」との
事です。
そして、この作品のタイトルは「綺譚」、こちらは「美しい物語」を意味します。

観終わりましての第一印象としては「綺譚・・・、なるほど」と
納得できるものでした。
それほど、大事件が起こる訳でもなく、舞台となっている此花亭を舞台にした、旅館日常系と言ったところでしょうか。
ですが、本当に美しい、ほっこりとするエピソードを内包した作品でした。

どうなんでしょうか、放送当時の状況は知る由もないのですが、
それほど第一級の話題作と言う訳ではなかったように散見いたしました。
ですが、これは個人的には観ておいても良い作品ではないかと思います。

ただ・・・、ただ若干ではありますが、万人受けしない点もあったりするので、そこは、当たり前の話ですが、お好みという事になりますね。
ここはやむを得ません。

一応、万人受けしないかも、しれない点を挙げるとすると、
・和風ファンタジーである。
・けもみみ+しっぽ関連である。
・登場人物が、若干、幼っぽい。
・ささやかな百合要素。
・折々に登場するデフォルメ変化(私は某パタリロのタマネギ部隊が目に浮かぶ・・・)

ってなところでしょうか。

ただ、ケモミミ+しっぽについては、たまにある「萌え≒かわいい」を主眼にしたものとは若干テイストが違うのではないか、と思っています。
登場キャラは、かわいいと言えば、かわいいのですが「キツネ」である必要があるのですよ。
これは追々わかることになると思うのですが。

それに、主人公の柚(ゆず)というキツネっ娘についても、
私個人的には、萌え方面の「かわいい」と言うよりも、けなげで、真面目で一生懸命、頑張れ、というような、我が子を見るような「かわいい」を感じました。
※個人の感想です。

ああ、あと丁寧な言葉づかいも好きでしたかね。

その他に・・・そうですねぇ、観ている間に浮かんできた他の作品としては

・花咲くいろは
→旅館、仲居繋がりでしょうか。
 けれど、この作品は柚の仲居としての成長を描いたものではありません。
 現状、主題としては。もちろん、物語中で成長はしていくのでしょうけれ ども。

・ごちうさ
→仕事を一本の筋としての、女の子のわちゃわちゃ感。

・しゃみこ、ご先祖要素
→追加で加わる「呪いの日本人形w」キャラ。

・パタリロ
→デフォルメ変化。

・夏目友人帳
→雰囲気、物の怪系の要素。

が浮かびました。
念のために、付け加えるならば、これは「パクリ」とか「似ている」と言って非難をしているわけではありません。
そういう要素もあったなぁ、と言う所感、メモ書き程度です。
作品としては、やはりよくできている、という評価です。


さて、★の評価に関するコメントも書かせていただきます。

物語:
特別な出来事も、全話を串刺しにしての大筋的なものも特になく、1話1話のオムニバスと捉えても問題ないのではないかと思います。
あえて、大筋があるとすれば、此花亭で働く女の娘たちを中心とした群像劇、と言うところでしょうか。

しかも、その個々のストーリーがよく出来ています。
私は観ている間、どの回も大変長く感じました。
退屈だから、と言う訳ではなく、上手に組み込まれており密度が濃い、と言うのが正解だと思っています。

そして、観終わった後に
「そっかぁ、そういう事だったのかぁ・・・」と口元にふっと笑みが浮かぶ、そういったエピソードが複数ありました。

特に第12話「大晦日の奇跡」このエピソードは私の大好物系のお話でした。
他の作品でもこういう系の仕掛けは大好きです。

ぜひご覧になってみてください。

作画:
こちらについては、全体的に大変に綺麗で美しいものでした。
キャラはアニメ絵としては、スッキリとシャープな絵柄で、大変に好みでした。
そして、それ以上に、画面の折々に出てくる着物の柄、色使い、大変に美しいものでした。
さらに、途中に挟まれるアイキャッチ、こちらも美しい。

この面でも、この作品はもっと評価されるべきと思います。

声優:
柚の声が若干幼すぎるかな、とも思いましたが、
性格、もの言いにあっていたかな、と納得しました。
丁寧で素直な物言いは好感が持てました。

その他のキャラクターも破綻がなく、
しっかりとしていたと思います。
問題はなかったと思います、安心、安定して観れました。

音楽:
取り立てて、際立ってはいないのですが、和風ファンタジーを
破綻させることなく、作品を構成していました。
OP/EDも特徴的という事はないのですが、美しい絵柄とマッチして、作品を形作っていたと思います。

キャラ:
若干、ケモミミが大きかったかなw
個別には語りませんが、どのキャラクターも丁寧に描かれており、個性的でした。
また、サブキャラ的なキャラまでもしっかりと丁寧に描かれている印象でした。


私の評価では、すべてが丁寧に作られており、
いい加減な印象を受ける点は、ほぼ皆無。

良作です。


Webでいろいろ拾ってみると、
第2期は難しいかも・・・、とのことですが、個人的にはこういう良作が継続できるようになってほしい。

投稿 : 2020/06/09
閲覧 : 336
サンキュー:

16

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