「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(TVアニメ動画)」

総合得点
83.7
感想・評価
789
棚に入れた
3029
ランキング
306
★★★★☆ 3.7 (789)
物語
3.7
作画
3.6
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.8

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

主人公の人たらしぶりの面白さ

 原作は未読。
 ネット小説では悪役令嬢ものというのは一ジャンルとなっているぐらい多くの作品が
あるらしいが、個人的にこのジャンルに接するのは本作が初めて。

 異世界転送ものでゲーム世界に転送するような話の多くは、プレイヤーが自身で扱っていた
キャラとして転送するのに対して、本作の主人公であるカタリナ・クラエスの場合、元ゲームの
「FORTUNE・LOVER」においてはNPC、と言うかプレイヤーの障害物のような存在で
あるところが面白い。
 カタリナの転送前の人(名前判らん)が「FORTUNE・LOVER」のプレイヤーだったことも
あって、ハッピーエンド時のカタリナの破滅的結末を判っており、本作ではその破滅フラグを
回避しようとするのだが、先が見えている状態でそれを回避しようとする展開はタイムリープもの
なんかに通じる部分も。

 本来ゲームでは主役であるマリア・キャンベルがヒーローキャラと結ばれることでカタリナが
破滅するわけだが、じゃあこの世界では「マリアの恋を妨害すればいいか?」と言うと、それは
悪役としての正しい行動で、むしろマリアとヒーローキャラを結びつけることに協力することに
なるわけで、この破滅フラグ回避ミッションは結構難しそう。
 結局、カタリナが破滅フラグを回避しようと意図した行動より、本人の感情の赴くままの
行動が、悩める登場キャラを救い、更に好感度を持たれてしまうことで破滅フラグを
回避してしまうが、本人は至ってそれに気付いていないという点が面白いところ。
 このカタリナが次々と登場キャラを籠絡していく様が痛快で、本作のハイライトとも言えそうな
部分。
 その人たらし振りは一種のチート能力とも言えそうな感じだが、本人の人柄の良さもあって、
嫌味な感じはないし、作中世界では重要な能力である魔力の方はお粗末なことでうまいこと
バランスを取っている感がある。

 こうやって次々とカタリナ好きを増やしていく展開は当然カタリナの人柄によるものが
第一なのだが、カタリナに好きなようにやらせているルイジとミリディアナの両親の存在も
大きいように思える。ミリディアナは小言こそ言うもののやはり基本的には放任主義の印象。
 この二人自体、カタリナによって夫婦仲が良くなったように、カタリナによって変えられた
部分もあるのだろうが、クラウス家内部の問題であるキース・クラエスやアン・シェリーの
エピソードを観るに、ルイジなどは根本的に偏見や差別意識がないような人みたい。

 中盤以降はレギュラーキャラによるカタリナ争奪戦の様相を呈してくる。
 客観的には婚約者であり、王子であるジオルド・スティアートが有利なのかな?と思うが、
他のキャラも遠慮ない感じなので、横一線で終わっていった感じ。
 相手が王子であろうと平気で妨害していくところなど、この作品世界では貴族の勢いが強くて、
王権はそれほど強くない世界なのかな。

 作中世界ではマリア、メアリ・ハント、ソフィア・アスカルトのような優しい顔立ちが良しと
されているようだが、自身が悪役顔と言うカタリナもキリッとした感じがなかなか良いと
思うんだけど。

2020/06/29
2022/06/27 追記・修正

投稿 : 2022/06/27
閲覧 : 281
サンキュー:

9

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