「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 2nd(TVアニメ動画)」

総合得点
76.0
感想・評価
499
棚に入れた
2301
ランキング
732
★★★★☆ 3.6 (499)
物語
3.3
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.6

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

SAOの集大成

さて、長かったアリシゼーションもいよいよ最終章。
1期からの流れの集大成になります。
原作読破勢として、
どういう結末とするのかを楽しみに視聴開始。

【作品概要】
 仕事として、また個人的な思いから
 アリスの奪取を目論むガブリエル・ミラー。
 そしてとある理由でアインクラッド時代から
 執拗にキリトをつけ狙うヴァサゴ(PoH)。
 一方で目覚めぬキリトを助けにUWに飛び込んだ
 アスナ・シノン・リーファ。
 これまで積み上げてきたすべてを出し切り、
 アリスを死守します。
 
 現実とUWが交差しながら、物語は進みます。 

【作品に対する感想】
 私は原作を先に読破してしまっているので、
 自分のイメージに合っているところ、
 それ以上にすごかったところ、
 逆に「そこはもうちょっと」と思ったところ、
 いろいろありました。
 ですが、原作執筆後に制作されたOSの内容もうまく入れつつ、
 かつ原作に忠実に、長丁場を上手く走り切ったと思います。

 SAOという大きなスケールの物語の最終章に
 ふさわしかったと思います。

 アリシゼーションはもともとのWeb版での終着点で、
 2020時点ではラノベ版でもUWのこの先は
 まだほとんど描かれてません。
{netabare}
 消えたヴァサゴの死体や茅場(ニエモン)、
 コピーキリトなど未消化なフラグもあったりしますが、
 それはきっといつか描かれていくんでしょう。
{/netabare}

1)物語
 戦場の真っただ中なんで
 いきなり5速スタートって感じですね。

 ただ物語として印象深いのは、アンダーワールドの
 ごたごただけで終わらなかったところですね。
 エピローグが結構長いんですけど、
 この辺は賛否あろうかと思います。
 私はSAOは「ただゲームしてバトルして」って
 わけではない作品と思いますので、この事後処理だったり
 各立場の方々の思惑だったり、きっちり描かれている方が
 好感持てます。

 AI、人造の魂の在り方などの問いかけは
 いろいろ考えさせられました。
 AIの人権なんて言葉が出てきたときは
 理解が追い付かなかったですね。

 全体的に説明や裏付けはカットされていたところが
 多かったので、その辺は原作読んで
 補完するしかないかなと思います。

2)作画
 ➀痛みの描写1
  アリシゼーション編の作画において、私が最も注視したのは
  「痛み」の描写です。
  何せペインアブソーバ0なので、今までのVRMMOとは違うのです。
  規制やら現実のしがらみの中で
  どう表現するかと思ってましたが…。

  痛みの描写は前半はかなりマイルドになっていたかなと思います。
  これまでのアリシゼーションと同様、不満でした。
{netabare}
  原作の方ではヒロインアスナでさえ、味方をかばって
  わき腹をランスが貫通するなんてシーンも
  あったんですけど…。
  エギルはシリカをかばって槍をその身に受け、
  クラインも左腕を切断され…。

  ただ、後半リーファが参戦したあたりから
  突然きつい描写が増加したように思えます。
  私は最初からこのくらいの描写があっても
  よかったと思います。
{/netabare}
  賛否はあるとは思うんですけど、そのくらい
  厳しい環境に覚悟を持って臨んだって
  分かるようにしていないと、
  「所詮仮想空間で死なないんでしょ?」って
  思われないかなって感じたんですよね。

 ➁痛みの描写2
{netabare}
  併せてキリトが復帰してからは、アスナも含めギャラリーの
  描写はちょっと違和感ありました。
  骨折など負傷でボロボロのはずなのに
  普通に立って声援を送ってます。
  アニメのみ視聴の方からすると
  「立てるなら援護しようよ」って思っちゃいそうです。
  もっとボロボロ感あってよかったんじゃないでしょうか。
  エギルなんか槍3本刺さってるんですから
  立てる状態じゃないと思うんですよね。
  それどころか意識飛んでもおかしくないと思います。
{/netabare}
 ➂太線
  苛烈な戦いの表現方法としてSAOシリーズで
  初の試みではないでしょうか?
  最初違和感ありましたが、これはこれでアリかなと。

 ➃裏斬り
  無茶苦茶かっこいい描写に仕上がってました。
  

3)声優
 時間が押してるせいか、間を切り詰めてセリフを
 詰め込んでる印象を受けたシーンもありました。
 ちょっと残念。(独白とか)

 痛みの演技。
 規制なのか、演出の影響なのか、キャストの力量なのか
 ペインアブソーバーゼロという感じが
 出てなかったと思います。
 この辺はReゼロ並みにやってほしかったなと。
 戸松さん渾身の「苦悶の絶叫」聞いてみたかったですね。
 神様アカウントやコンバートゆえHPが莫大で死なないけど、
 「気絶してもおかしくない痛み」を精神で凌駕してなお戦う。
 この辺の必死さ、尋常ない様を演じてほしかったです。
 でないと、アスナの心が折れたのが割とアッサリに
 見えてしまって…。
 アニメ組の方に、その辺のきつさが伝わってくれてれば
 いいんですけど…。 

4)音楽
 OP「ANIMA」
 強烈な一言「魂の色は何色ですか?」。
 おっさんには北斗の拳の名セリフ
 「てめえらの血の色は何色だ?」
 を彷彿させますね。
 
 SAO集大成だけに1期の頃の名曲が流れてたり、
 興奮させられました。

5)キャラ
 ➀朝田志乃(シノン)
  GGO直後はキリトに対し愛っていう程の
  好意ではなかったと思います。
{netabare}
  しかし今作ではっきり「好き」と言葉にしたり
  お守りにキスしたり、ちょっと大胆な言動が多いです。
{/netabare}
  クールビューディーでありながら、強い愛を示すこの娘は
  かなり魅力的に見えました。

  ダイブ直後でありながら強固なイマジネーションで
  弓をヘカートⅡに変換するという、整合騎士もびっくりの
  離れ業をやってのけました。
  この辺も想いの強さがなせる業なんでしょう。

 ➁桐ケ谷直葉(リーファ)
  フェアリーダンスでメインヒロインだったはずなのに
  ここのところMore DEBAN組のリズ・シリカに取り込まれる
  勢いでしたが、今作では頑張りました。
  
  ダイブしたばかりで心意拡張したヴォーパルストライク
  ぶっ放すなど、覚悟のほどを感じます。
  健気なところにやっぱり魅力を感じるんですよね。

 ➂結城明日奈(アスナ)
  キリトへの半端ない愛情が伝わってくる奮闘ぶりでした。
  逆に他のヒロインに対してちょっと余裕がありすぎるという
  違和感はありました。
  もうちょい嫉妬や防衛本能みたいなのは
  あってもいいんじゃないかと。

 ➃桐ケ谷和人(キリト)
  アリシゼーションでの最大の失敗は、ダイシーカフェで
  何者かの視線に気づいていながら、
  一人で解決しようとしたことですね。
  あそこで毒を受けなければ、ここまでの大騒ぎに
  なってないと思われます。  

 ➄ベルクーリ
  渋すぎる粋なおっさん。
  こんなおっさんになりたいと思っていた私もおりましたorz。

 ➅ヴァサゴ・カザルス(PoH)
  プログレッシブを読んでたら彼の異常な行動の理由も
  少し納得いくかもしれませんが、これまで映像化された
  部分だけだと、ちょっと理解しきれないですね。

 ⑦アリス
  まさか{netabare}現実世界に出てくるとは{/netabare}。
  23話のアリスは可愛さ5割増しでした。
  半世紀後にはこんなことが実際に起きるんでしょうかね。
    

6)印象深いシーン
{netabare}
 ➀ロニエのボヤキ
  シノン登場に「おんなのひとばっかり」
  ここ拾ってくれて大感謝です。
  原作読んでても噴いたシーン。

 ➁大胆シノン
  正妻アスナがおる前でスキをついて(?)ほっぺチュー。  
  もーちょっと「普段は抑えているけど、壊れたキリトを前に
  せざるを得なかった」感が出てればなお良かったです。
  
 ➂ベルクーリVS皇帝
  皇帝の気持ち悪さが爆裂でしたね。
  原作読んでるときもベルクーリはベクタの噛ませに
  されるのかと思ってましたが、スーパーアカウントに
  勝っちゃったのはびっくりでした。
  オジサマの執念に脱帽です。
  ただ、リアルワールド側の人間は実際死ぬわけではない。
  アリスの絶望感は良く描けていたと思いますし、
  茅野さんの演技も秀逸でした。

 ➃一瞬ですがフレニーカ描いてくれてた
  誰?って思うかもしれませんが、アリシゼーション
  1クール目で下衆の側付やってた娘です。
  このワンカット有難かったです。
  騎士への道から修道女への道に転身していたんですよね。

 ➄ナメクジさん、アドミーちゃんにコントロールされる
  フラクトライトの人格に、人間がコントロールされてる
  というのは原作読んだときから割と衝撃でした。
  柳井さんとナメクジさんと声一緒なのは
  こだわりを感じました。

 ➅PoHの扇動をユナの歌で上書きするアニオリ
  後付けのOSの設定を上手く使っているのは好感度UPです。
  SAOサーバーの起動はユナを呼ぶためだったんですね。
  ARでの戦い方を踏襲したような気合の入った
  バトルシーンは見ごたえありました。
  そしてエイジの心の成長もまた感慨深かったです。
  過去の失敗を認め、受け入れて乗り越えていきましたね。
  尤もOSを観ていない方からすれば
  「誰こいつ?」だったと思いますが。

 ⑦キリトVS PoH
  原作読んでた時も予想外でした。
  まさか生きたままアンダーワールドに閉じ込めてしまうとは。

 ⑧キリト アスナ 互いの愛情
  キリトのアスナへの愛情って凄いと思うんですよ。
   体感時間で200年も会えなくなる
     +
   まともに現実世界に戻れるかわからない。
  という状況で、迷わずアスナを現実世界に戻し、
  自分を犠牲にすると選択できる。
  10代で簡単にできることではないと思うんですよね。

  でアスナの方もキリトの思惑を読んで
  共に200年UWから出られなくなる方を選んだんですから、
  本当に互いを想ってるんだなと感じました。

  ちょっと後の話ですけど、キリアスの
  足ちょんちょんでのイチャイチャには参りました。
  こういう表現もあるんだと。

 ⑨キリトパパ キリトを説教する
  説教と粋なおちょくりをカットしなかったのが好感触です。
  大人がまともだと物語の説得力が増しますね。
  スグの「オ、オトウサマ!?」に噴きましたけど。


{/netabare}


7)惜しい!と思ったシーン
{netabare}
 ➀アスナ VS PoH マザーズロザリオ
  OSでやっちゃったのがものすごく勿体ない。
  ここで初出だったらトリップするくらい
  「キターーー!!」だったと思うんですけど。 

 ➁真意≒イマジネーションの説明は確り入れたほうがよかった
  シノンの弓→へカートの描写とか、その辺の説明がないと
  「なんで?」ってご都合主義に捉えられかねないと
  思いました。
  思いの強さで限界を超えるって、
  やっぱり熱いじゃないですか。

 ➂ゲーム未プレイ者やプログレッシブを読んでない人は
  PoHがほぼ初出

  PoHってアインクラッド編で
  名前すら出てなかったような気がします。
  アニメのみの方からすると「誰こいつ?」って
  思っちゃうんじゃないでしょうか?
  圏内殺人の時の映像使って説明するとか
  フォローが必要だったかなと思います。

 ➃人族が 豚を助けて 人を斬る 友蔵心の俳句
  アリシのレビューでも書きましたが、
  ほらやっぱりDILに無茶苦茶された。
  触手プレイがトレンド一位とかになるし(# ゚Д゚)
  やりすぎると何が本筋かわからなくなるので、
  ほどほどでよかったんじゃないかなーって思いました。

 ➄目覚めて突然エレメンタラー キリト
  キリトはもともとエレメントの扱いがあまり
  得意ではなかったはずなのに、目覚めたとたん
  風素で空飛んでったり、ちょっと唐突感がありました。

  また扱えるようになった説明があまりなかったため、
  心意で飛んでったように見え「何でもありじゃん」に
  見えた方が多数いるのでは…。

 ➅ガブリエルVSキリト
  作画が凄まじかったものの、説明不足で残念に感じた
  ところも。
  ガブリエルって全属性吸収+銃撃以外の直接攻撃吸収って
  無茶苦茶な属性持ちなんですよね。

  作画班が死んでしまいますが、
  体術も絡めたバトルは再現してほしかったかなと。
  ガブリエルの強さがより際立ったと思います。 
  テンポとのトレードオフなので、
  しょうがないとは思うんですけどね。
  ご都合主義に感じた方は原作読んでみてください。
 
 ⑦200年後のSpaceArtOnline
  映像になると唐突感が半端ないですね。
  機竜ってもっとメカドラゴン的なものを想像してたん
  ですけど、まんま戦闘機でずっこけました。

 ⑧正妻VS現地妻 ピリピリ感があまり…
  シーンがカットされてたり、表現がマイルドになってたり
  アスナは菩薩かと思ってしまいました。

  アスナは割と他の女子と仲良くしてますが、
  アリスとは割と犬猿の仲なんですよね。
  というのはキリトへのアプローチの本気度だと思います。

   リズ…好意はあるがアスナを応援してる側
   シリカ…妹扱いで彼女にはなれないと思っている感じ
   リーファ…禁断の愛ではないものの、割り切った模様
   シノン…アスナから奪いたいとまでは思っていない様子
   アルゴ…好意はあるようですがキリアスを応援してる
   アリス…ガチで正妻は自分と思っている
  

{/netabare} 

8)プログレッシブ
 余談ですがプログレッシブ映像化決定したようですね。
 原作準拠だとアインクラッドを1層から順に描いていく…
 という物語なんですけど、
 どのように描いていくか楽しみです。

{netabare}
 ちょっとSAO1期の頃のような、デスゲームゆえの悲壮感が
 希釈されているような気がしますが、
 ゲーム「SwordArtOnline」のルールや細かい所が
 物語のキーになってたりしますので、
 違った切り口で楽しめると思います。
 街の中でのやり取りなども細かく描かれていて、
 無印のアインクラッド編に比べると生活感が出てます。
 
 個人的にはアルゴという情報屋の出番が増えるのが
 楽しみの一つ。
 無印では名前も出てこなかったんですけど、
 鼻にかかった眠そうな声が印象的でした。

{/netabare} 
 今でこそいちゃラブのキリアスですが、警戒心バリバリの
 アスナをもう一度見られるのも期待大です。

 心配なのは、原作ストックがまだ6層で、
 間に合うのか?というところですね。

投稿 : 2022/03/13
閲覧 : 305
サンキュー:

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