「デカダンス(TVアニメ動画)」

総合得点
82.6
感想・評価
623
棚に入れた
2249
ランキング
354
★★★★☆ 3.8 (623)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「自」らの「分」をわきまえず、生きる実感を「勝」ち取るためにその「手」を伸ばせ、バグ達よ。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
アニオリ作品。ジャンルは、SF、アクション。

久々に本格派のSF。個人的には、「シドニアの騎士」「メイドインアビス」「宝石の国」「正解するカド」などと同じような温度感を感じた(内容や作風、クオリティに差はあっても)。

それは、「世界をきちんと創造しよう」という姿勢。私はそれが、SFの魂だと思っています。

かなり尖った作品で、好みは分かれそうだけど、私は好きです。

レビュータイトルは、本作の人物(バグ)達が、みんな「自分勝手」に生きているのに、どこか眩しい存在だったので、こんな言葉遊びにしてみました♪

レビューでは、ラストの展開を中心に、書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作、世界観は少し複雑ながらも、内包するテーマはシンプルで分かりやすい。それは、OPの歌詞を読めばよく分かる。

「生きている、ただその実感が欲しかった。(中略)未完成の地図なんて頼らず破り捨てて、響くエラー音振り払って向かおう。(中略)間違いを指摘する人は放っとおいて、君ともっともっともっと先へ、見たことない景色を見ようよ。(中略)偽ることのできないこの想いこそが、この人生だ」

、、、もうこれ以上、書く必要がない気がする(笑)

「バグ(異分子)は、誰の目線(基準)から見るかで変わる」ことや、「科学技術がいきすぎた先の世界」「運営の絶対性」など、書きたいことは多いのだけれど、いつものごとく長くなってしまうので、1つに絞ります(笑)

私が興味深く思ったのは、「世界の主役たるサイボーグは生きる意味を探していて」、「世界に取り残されている人間は生きる術を探している」という、互いに満たされない存在であること。

そんな両者が、「ナツメはカブラギから生きる術を学び」「カブラギはナツメがら生きる意味を学んでいく」という、「互いに補完しあう関係」だったのは面白い。

「共生」

というのは本作で大事にしていたことだと思う。

ラストは、まさにそんな展開になった。

疑問に思ったことは、「なぜシステムは、ジルやミナトの行動を黙認しているのか」ということだが、これは、最終話で明かされた「システムの真意ではバグの存在は認められている」という、システム本人の言葉がヒントになると思う。

システムは、「進化や成長には、バグは有用であり、より良い世界に近づくためには利用もする」という、どこか宗教じみた、運命論者のような視点を持っている。「好き嫌い」ではなく、「合理性」で動くのがシステム。

であるから、自らが下した「空間圧縮」という方法以上の結果(カブダンスによるオメガの殲滅)を成したカブラギ達を、「自ら(システム)より有用」と認めたのではないだろうか(あくまで合理的な判断として)。

ちょっと言いすぎれば、「世界にとっては自ら(システム)がバグ」だと、認識を改めたかもしれない。

よって、「まずは静観」しているのだろう。ただ、その結果がやはりシステムとして許容できなければ、再び牙を剥くのかもしれない。

全ては、ナツメやジルなどバグ達の、今後の生き方次第ということか。

ラストシーンは、ご都合主義的な部分もあるけれど、救いのあるハッピーエンド。私は、こういう「ベタだけど幸せになる終わり方」が好きだ。

つまりはまあ、この作品は、「モンハンに飽きて、あつ森を始めた話」ということである(なんじゃそりゃ)w
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
独特の世界観と作画。宿敵であるガドルと、ある意味共生関係にあるのが面白い。バグ? 作画もよく動くし、久々に骨太のSFになるかな?

2話目 ☆4
ゲームの世界。しかし、人間にとってはリアルの世界。いや、プレイヤーは機械? 新たな人類? 世界の真実と、ナツメの真実。2つの軸があるか。

3話目 ☆4
修行パートがちゃんとあるのは良いね。それは武器だ。

4話目 ☆4
バグが世界を変える。まあ、イベントなんて、運営次第だもんな。

5話目 ☆5
しっかし、必殺技がロケットパンチってのがな。新ステージ。運営がその気になれば、無敵だもんな。

6話目 ☆4
ドラッグ? 非人道的な取り調べ。強くてNEW GAME

7話目 ☆4
なんか色々、胸熱な展開になってきた。

8話目 ☆4
裏切り、だよな~。

9話目 ☆5
クソにまみれてる、という比喩。メガンテ、熱い。

10話目 ☆4
あのガドル、サイボーグに寄生? ナツメ、闇堕ち? 束の間の平和。ただ、デカダンスの文明、食料はガドルに依存してるからな~。本物の化け物が生まれる。行きすぎた科学技術。これだって、運営からすれば、テロリスト。

11話目 ☆4
バグガドル。人間の命より、システム。当たり前か。デガダンスになる。サイボーグに、自我がある時点でこうなるわな。

12話目 ☆4
パーティー。分かる気がする。システムはバグを許容している。すげぇ考え方だな。バグは、伊達じゃない(笑) 熱い、救いがあるラスト。まあつまり、「あつ森」になったのね(笑)
{/netabare}

投稿 : 2020/09/26
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サンキュー:

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