「冴えない彼女の育てかた♭(TVアニメ動画)」

総合得点
92.8
感想・評価
1420
棚に入れた
7695
ランキング
15
★★★★☆ 3.9 (1420)
物語
3.8
作画
4.0
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.0

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

スナッチャー加藤の日常

少し見方を変えてみました。
特にこの作品ってラノベとアニメではかなり表現方法が違いますよね。理想的なヒロインを形にして提示するってとんでもない技能だと思います。お話は引っかかる部分もありますが後出しはラノベの常套手段。加藤の造形を楽しむ事を優先しました。


特徴のないヒロイン
現実世界の人間相手ではテンプレキャラのように一目で性格思想や行動規範や口調まで一瞬で把握することは不可能。押したり引いたりして距離感を推し量っていかねばならない。特徴のない人間などいない。こちらが知らないだけだ。わかり易いわかり難いの違いはあるけれど。加藤は態度や口調がフラットなのは距離感がフラットだから。好き嫌い尊敬畏怖などの感情が生まれない距離があるというだけ。序盤の加藤は、実に他人である。

モブからのスタート
作品においてメインキャラが全くの他人から、というのは特に珍しいものではない。関係構築にあたり部活に入れさせられたり何かしらのイベントで交流をさせていく。この作品も倫也の強引なスカウトでサークル加入する加藤。この辺は陳腐なハーレム同様。テンプレキャラとワチャワチャする間に、隙間に挟むようにしてゆっくりと加藤の情報が開示される。主張は薄くとも存在は認識され関係は継続される。2クール使ってまだ友達同士の認識。加藤だけなら退屈とか中弛みを超えたスローペース。このゆっくりと押したり引いたりして関係性を確かめていく空気感、感触がこれまでにない現実感を少しだけ感じさせる。周囲に強めのテンプレキャラを配置することにより、加藤の異質さが異常なまでに際立つ。しかし何より現実世界に近いのは誰よりも加藤である。

創作のマキャベリズム
倫也のヌルさは創作者に対しては不誠実であるという中での降って湧いた話ではあるが自身の道を葛藤と摩擦の中で選択する、という展開というのは好きですね。波島伊織や紅坂朱音に創作活動の厳しさを描写させて欲しかったが、あまりやると主題からハズレてしまう。創作話はあくまで舞台でしかない。創作物語にしてしまうと倫也はもう退場するしかない。テンプレ勢のオタクイズムは本作ではスケープゴートでしかない。

オタクのボーダーライン
2次元からも3次元から見ても距離感が異質な2人。特に財布のシーンが顕著だが、これは他人同士、友達同士でもあまりやらない。宿泊と違いストーリー進行上では必要ない情報をあえて描写してわざわざ表現している。メタ的というのかコイツラの距離感ってオカシイんだよわかってんのかオマエラ、と。(宿泊は勿論ですが作者の中では同程度の範疇なのでしょう)倫也はオタク設定だから興味と害が無い事なら何でもありというかどうでもいいし何でもいいのは解る。だが加藤の行動は英梨々と詩羽がもし同じ行動をしても全く意味が違う。加藤は何も誇示する必要がないのだから。だが他人から見ればどう見ても踏み込んだ関係に見えてしまう。加藤もまたオタクとの親和性が高い人間像を期待されているのであろう。


スナッチャー加藤
長いロードマップに飽きさせないためにテンプレとメタパロディをふんだんに散りばめて視聴者に上から目線で視聴しているつもりにさせる。「どうせ○○なんだろ、ハイハイテンプレテンプレ」と。馴染みのあるハーレム要素と良作画のお色気とドタバタギャグで居心地の良い雰囲気を満喫しつつ「黒髪ロングと金髪ツインテに勝てるわけないだろ?どうする気なんだ?」余裕ブチかまして見続ける我々。しかしテンプレ達の暴力に目を奪われているその隙に、加藤は着実に正確に機会を伺っていたのである。凄腕アサシンかの如く音もなく近づいた加藤のビハインドアタック。均衡を事もなく打ち破る華麗なる急襲に我々は成すすべもなく急所を晒す他ない。気付いた時には遅すぎる。我々は既に陥落している。



劇場版まだですか?早くしなさい。





初見の所見
1期は第0話で不意に大ダメージを負った作品ですが、今回は心構えが出来てるので余裕で完走。

えっと加藤は可愛いです。それは良くわかります。

1期は加藤に対する画面的な扱いの酷さで冴えないを演出する手法が目新しく斬新だった事が評価されているのは理解出来ました。

今期は人形のような造形だった加藤がサークル活動にやる気を出したり、倫也の偏狭さにイラついたり、メンバーに思いの丈をぶつけたりといった人間臭い描写で前期から一転して魅力的に表現する意図は解ります。

加藤のモチベーションって何なのですか?
それがわからなかったです。

クリエイター云々も英梨々と詩羽の2人のスゴさの描写が全然足りない。瀬尾公治のマンガの様なセルフスターシステムまではやり過ぎで恥ずかしいのだが凄みが全く足りてなくて終盤の抜擢もご都合に感じてしまう。血反吐を吐くと言うセリフも葛藤の描写も軽く感じてしまう。

コレ萌えアニメでしたね。
そんなもの求める方が間違いでした。すいません。

メイン3人はとても魅力的に描かれてました。
特に太腿の作画は本当に凄まじいです。
本気度がビシビシ伝わってきます。
とても美味しそ、いや健康的でした。

前期はOPEDが両方神でしたが今期はサッパリ。続編という事で前期より開放的な曲調にしたかったのは解る。曲単体も前期に劣るとしてもそこまで悪くはないが、何より歌手に合ってない。曲のポテンシャルを引き出せてない、歌えていないので下手クソに聞こえてしまう。歌手を変えるか曲を変えるかして欲しかった。春奈るなの歌唱は好きだったので凄く残念。好きになろうとして最終回までちゃんと聞いてもダメだった。EDは歌手も曲も映像も前期とは比べようもない不出来。好みの問題なんでしょうけど、前期は個人的にドストライクだったのでガッカリでした。

波島伊織や紅坂朱音の2人をもっと押し出してくれていたら物語として面白くなってたのかなと思う。

それでも完走するほどには楽しめました。
やっぱり作画がいいとストレスもあまりない。
ただドコが面白いのと言われたら説明は出来ない。

加藤は可愛い。うん、加藤は可愛いよ。
多分それが全てなんですよね。

投稿 : 2020/07/20
閲覧 : 438

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