take_0(ゼロ) さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
気になっちゃったんなら仕方がない・・・
氷菓を評価しています・・・w
ちょっと、ニヤリとしてしまった、不覚。
やはり「さすが京アニ!」という感嘆符が出てしまう。
じつは、京アニ作品の中では、割と後回しにしてみた方の作品になります。
理由は、ちょっと地味に見えたから・・・、かな。
それで、どんな作品か事前にちょっとだけ、雰囲気を調べてからの視聴となりました。
邪道かもしれないけれども。
作品名の「氷菓」については、メインエピソードとは言え、ストーリー全体を縛るものではなかったんですね、少々、意外でした。
良質のミステリ、と評しておられる方もおられたので、骨太のメインストーリが1本で出来上がっている作品だと思っていたので。
ですが、失望したのか?と言われればそうではありません。
作品としては、大変クオリティの高いものでした。
私的には「ミステリ」とか「謎解き」というよりも、
ちょっと人より気付くこと(考察)ができる主人公:折木奉太郎をスパイスとした、学園青春群像劇ってイメージでした。
あまりミステリと感じなかった理由として、この折木奉太郎が自分から「よし、謎を解いてやろう」という探偵の役割を放棄している点があるかもしれません。
本人は、省エネをモットーとし、基本的にどっかの子供探偵みたいにアクティブに謎に挑んではいないのです。
ほとんどの場合は、仕方なく・・・wというのが正解でしょう。
そして、この「仕方なく」の原因となっていることが多いのが、
千反田えるが放つ「私、気になります」の一言です。
千反田えるが真っすぐに真ん丸な紫の瞳でこの一言を放つと、たいていの場合、折木が名前のとおり「折れる」事になって、物語がスタートするのです。
そしてこの千反田える、どちらかというと、容姿ではぶっ飛んだ個性がある訳ではないのですが、かわいらしいですね。
好感が持てるキャラクターです。
そして、多くのサブキャラクター達も個性的で、悩み、葛藤、もろもろを作中で表現します。
なんですかね、やはり、絵がきれい、動きがきれいだと、それだけでキャラの魅力UPに貢献することがすごくわかる作品ですね。
京アニクオリティさすがです。
登場人物が割と多めだった気がしますが、エピソードごとに、固まり感を持って登場してくるので、特に混乱はしませんでしたね。
しかし、サブキャラ、サブサブキャラまで含めて、とても丁寧に表現されていたと思います。
丁寧に作られた作品というのは、観ていても気持ちよく、安心して観れます。
最終エピソードで、ぐ~っと恋愛チックな雰囲気になってきましたが、
あの生き雛の美しさ、桜の美しさに圧倒されて素直に受け入れてしまいました。
本当に、見せる力のある良作だと思います。
学生時代を懐かしく思い出してしまいました。