「少女革命ウテナ(TVアニメ動画)」

総合得点
74.2
感想・評価
514
棚に入れた
2624
ランキング
909
★★★★☆ 4.0 (514)
物語
4.0
作画
3.8
声優
4.0
音楽
4.1
キャラ
4.0

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ネタバレ

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

かしらかしら、ご存じかしら?

“世界の果て”をご存じかしら?

かつて、そして今も。
我々は、社会というインキュベーターの中で、自己幻想という決して孵らぬ“卵”を抱き、共同幻想という“ごっこ遊び”に興じる存在である。

そう、この作品は、資本主義社会に護られながら、反体制だ、反商業主義だと声高に叫び、シレッと社会の中で安寧を享受してきた世代への強烈なアンチテーゼとして、いやいや、ファッションとしてのアングラ演劇として観るのが良さそうだ。
全共闘世代のバイブルであった“共同幻想論”が、自分たちの拠り所である思想信条、その自己矛盾に気付く契機を与えたという皮肉にニヤリとするのである。

彼らは今も、“世界の果て”で“世界を革命”することを独り夢想し続けるのである。

実を言えば、完走するのに相当な忍耐を必要とした作品であった。
しかし後半、それもラスト10話の展開は中々である。

そこでは、メインキャラの面々それぞれの心が解放されててゆく様が描かれてゆき、それまでの苦労が報われたように感じられる展開が上手い。
そして、“ウテナ”と“アンシー”の関係性が明らかとなる時、我々は、感動のフィナーレを目撃し、主人公に対して新たな、そして今日的な意味でのシンパシーを感じることになるだろう。

以下が、この物語の核心であると信じる。

{netabare}バイセクシャルと言う“対幻想”の矛盾に生きる“ウテナ”の生き様を見よ。
家族・友人・恋人といった一対一の関係、“吉本隆明”的に言うなら性的な交渉(性交渉ではない)である“対幻想”こそが“薔薇の刻印”という秘密結社、すなわち“共同幻想”からの脱却を意味するのである。
ウテナを貫くアンシーの剣が一対多(この場合は、ウテナとアキオ、アンシー)の幻想に決着をつける結末に痺れる。{/netabare}

正に“絶対運命黙示録”である。

投稿 : 2020/07/30
閲覧 : 332
サンキュー:

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