「無限のリヴァイアス(TVアニメ動画)」

総合得点
80.0
感想・評価
902
棚に入れた
5503
ランキング
345
★★★★☆ 3.8 (902)
物語
4.0
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.8
ネタバレ

臣隠悶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

谷口監督最高傑作!ドロドロの人間関係を描ききった全26話!

DVDBOX購入。
ずっと前に数話見てどうしても心残りだったのと、同監督の「スクライド」「プラネテス」が好きなので思い切って買って見た。自分に合いそうなアニメだったので。

宇宙を漂流する話と聞いて「グリザイアの果実」でのエンジェリックハウルのように殺し合いサバイバルになるのかな?と思ってましたが結構違ってリヴァイアス号の統治を分不相応な少年たちがしていくドロドロ人間関係ものでした。
そう言った点では今作は谷口監督の1番の異色作だったのだと思う。
同監督の「プラネテス」と同キャラデザ担当の「蒼穹のファフナー」この2作品を足してもっと鬱にした感じ。この2作品が好きな人には至高の逸品と言える。自分はどちらも好きな作品なので勿論最高に楽しめた。

物語としてはこじれた人間関係がメインであり、加えてサバイバル要素も一応は絡んでくる為閉鎖空間で見られる人間の汚い面をこれでもかと見せてくる。
自分が1番良いと思ったのはその点の描写で、リヴァイアス号での生活が悪化していくごとに {netabare} 責任感ある人間が腐りだしたり、助けられることを都合よく利用する人間、他者に責任をなすりつけ自分自身が辛い目に合うと弱い者でストレスを晴らすクズな民衆(その他大勢) {/netabare}など、正直途中は吐き気がしてしまうほどのどん底だった。

1番の鬱要素はやっぱり {netabare} こずえがリンチに合うところ。{/netabare}キャラを殺したいほど憎んだのは久しぶり、リヴァイアスはメイドインアビスを超えた鬱だと思う。その点は心して見るべきだったと後悔してます。
ルクスンというバカではあるが、それゆえの明るさを見せていたキャラが居なかったら多分途中で断念してました。(つまらないということでは決してなく、これ以上汚い人間を見せられることに耐えられないということで)
各キャラの関係が大きく変わっていく群像劇でもあるので好きなキャラ視点で見るのも良いかもしれない。
{netabare}兄弟関係は割とサラッと流して終わるので期待しすぎは良くないのですが。 {/netabare}

{netabare} これも結構言われている事なのだが今作は政治的側面も多く見られる「ルクスンの無能な統治→不良の統治→ユイリィの統治→イクミの独裁」と支配者が何度も変わり、リヴァイアスという「環境」が4度変わりましたが、支配者によって変化していく人民(その他大勢)や統治することで追い込まれていく支配者。
そこら辺の描写でもクズな人民たちが1番足を引っ張るという教訓になっていたように感じる。{/netabare}夕方アニメで子供に見せる内容ではないけどw

作中で昴治も言っていたし、他の方のレビューにも書かれていたのですが、 {netabare} 不良のブルーがしていた「恐怖による統治」が1番功を成していた。というのも如何にも現実的で面白い。 {/netabare}

キャラはみんな本来はクズではない人ばっかり(それゆえの変化の度合いが面白いんですよね)ですが、リヴァイアスでの統治が上手くいかなかったり思うように行かなくなることが多すぎて暴力を無くすことについては完璧主義者のイクミがこずえのリンチをきっかけに狂いだしていくのが面白かった(勿論それは見てから時間をおいてレビューを書いているから、見ていた最中はほんっとに吐きそうだった)

イクミが完璧主義の「正義の味方」なのは型月ファンとしては衛宮の家系を思い出さずにはいられなかった。

士郎であれば、昴治のようにどっちつかずで民衆みんなに奉仕をして、切嗣ならばブルーのように半ば独裁という形で治めると予想。
イクミは切嗣に近いと考える、切嗣と最大の違いは「完璧主義か否か」だけ。
Fateの生まれる6年前にそのようなキャラを生み出した製作陣には尊敬する。

イクミも過去のトラウマが原因で狂い出しているのも一致している。
{netabare} イクミの完璧ゆえに僅かな乱れも許すことができない「善」な性格が災いして後の狂行に繋がるという構図はほんとにすごい。 {/netabare}

心理描写も凄く、 {netabare} イクミとこずえの依存関係も見ていてゾクゾクした。こずえはイクミに依存していて、イクミが自身から離れていっていると悟った状態、中盤の展開でのキスシーンはキス程度では繋がれないと感じたこずえが「おかしい...何も感じなかった!」という。
そのシーンは笑い話として流されていましたが、物語の後半になるにつれそのセリフの重みがわかるというのも上手い。
こずえはリンチに会いますが、それすらも「イクミが自分を守ってくれる」という都合の良い理由になり、「狂ってしまったイクミもこずえに依存してしまうようになる」という関係も恐ろしい。 {/netabare}
イクミは中盤までこずえとフラットな関係だったがゆえに余計に恐ろしい関係だったと感じた。
{netabare} 最後は自分自身の依存が原因でイクミを狂わせてしまったこずえがイクミの落ちていく姿を見ていられずに「もう、いいの」{/netabare}と言ったのだろうか。

ルクスンはバカなキャラでしたが、それゆえの明るさと明確な善の意識があるキャラなのは良い、中盤ツヴァイに見捨てられパット君というショタと一緒に居ましたがルクスンと一緒にいることでパット君が明らかに明るくなったのは、ルクスンの明るさが周囲に良い影響を与えるという証拠。
自分もルクスンが居なければ視聴が耐えられなかった。

もう物語に関しては文句ひとつない何もかも完璧な傑作なのですが、この作品はやっぱり1999年とはいえ、作画の悪さが気になりました。あと音楽。

作画は特に悪く。キャラデザも「スクライド」と同じ人にも関わらず悪い。
キャラデザは目がやたら小さいので作った人は「萌え」や「見た目が可愛い女の子」を作りたくないのだろうか。
ファフナーのキャラデザみたいに頬の斜線がないのは良いけど。
中盤から終盤にかけての超鬱展開も、目が小さいキャラが表示を崩して泣きまくるシーンがあり鬱な気分に拍車をかける。

音楽も特に印象に残ったBGMがないかな...opの「dis-」は良いと思った。自分の中でもトップクラスのアニメになったのでBGMにももっと拘って欲しかった。
☆4.0以上はBGMに素晴らしいものがあったか、気になってしまう。
完璧な作品ならば音楽も神であって欲しい。
総評として物語は心理描写、人間関係の変化、環境の変化、どれをとっても完璧。
作画と音楽が完璧なら☆4.8はつけられました。
一度は見ておくべき作品だと思う。
個人的にはSFとして「新世紀エヴァンゲリオン」を超えたと思う。(キャラデザはエヴァンゲリオンの圧勝だけども、貞本さんが相手は分が悪いでしょ)

これが谷口監督最高傑作、さらに言えば90年代最高傑作。
個人的には殿堂入りとしたいレベルの作品になってしまった。(「ひぐらしのなく頃に」あたりに匹敵する「話の面白さ」)

もう見たいとは思いませんが...中盤から終盤の鬱展開のせいで見ていてほんとにしんどい作品なので...。

投稿 : 2020/08/11
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サンキュー:

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