「とある科学の超電磁砲[レールガン](TVアニメ動画)」

総合得点
90.8
感想・評価
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ランキング
47

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

総合力の高いエンタメ作品

いまさら説明の必要もないほど、メジャーになったシリーズ。
アニメに関心がある方なら、興味がなくても小耳に位は挟んだことがある作品となっていると思う。

現実には「とある魔術の禁書目録(インデックス)外伝」という事になるのだとは思うが、私的には本編を喰ったタイトルとの認識。

さらに私的には、禁書目録よりも格段に面白く、楽しめた。
ここら辺は、肌に合う、合わないのレベルになるのかとは思うが、まぁ、おっさん目線で言えば「かわいらしいキャラが多く出ていて、賑やかだった」という要素も大きかったのかも。
もちろん、そういうオタク的目線だけではなく、各キャラクタもストーリーもメリハリがあり、大変魅力的だったと思った。


物語は、多くを語る必要もないと思うが
超能力開発を目途とした学園都市と呼ばれる、研究都市?実験都市?を舞台に主人公の御坂美琴を中心に進行していく。
まずポイントは御坂美琴が学園都市で7人しかいないというLevel.5(現状最高位)の能力者であるという事がキーとなっている。
いわば、最高位=貴重な存在。
そう、ここでは御坂美琴は「持っている」存在なのである。
この「持っている」ものと「持たざる者(少ししかもっていない者)」には明確な格差がある、という事だ。

幸い御坂美琴は「持っている」ことを笠に着るキャラではなかったが、
それでも、所々では「持っている者」として振る舞いをしている。
良かれと思って問題解決に自身の能力を使っているのは間違いないのだが、周囲の者はどう思うか・・・、尊敬、畏怖、やっかみ、妬み、劣等感、自分もそうないりたい、アレを超えたい・・・、色々な感情を生み出すことはやむを得ない。
世の中って、そんなものだ。

こういった格差の負の感情を前面に出したエピソードが「レベルアッパー事件」だったのではないかと思う。

このエピソードの他にも、
この作品では、ある意味「人間の業」的な要素を含んだエピソードが複数話存在している。

学園都市が能力の開発・研究を目的としている以上、
そこでの能力者は必然的に研究対象、開発対象としての意味を持たざるを得ない。
ここに、今後のシリーズにも継続して描かれる学園都市の負の一面「闇」あるいは「狂気」の一面がある。


「もちろん倫理的に問題があるのは判るが、確かに科学の進歩のためには・・・、う~ん、もう一方にも一理ぐらいはあるのかなぁ・・・」みたいなモヤモヤを御坂美琴がある意味中学生(子ども)らしい「正義感」でバッサリと切ってくれる点が爽快なのかもしれない。

ん?私、私的には「ならぬものは、ならぬ!」と言いますよ、ええ、言いますとも・・・多分。


作画もとってもキレイ。
各キャラがしっかりと描かれており、バランス的にも破綻は無いと思う。

声優さんは、どのキャラについても個性がしっかり見える形で表現されており、特に違和感もない印象です。
私的に全然問題のないレベルです。
それにしても、白井黒子訳の新井里美さんはキャラが立ちますよねぇ。
他の作品で演じられていても、すぐに判りますし、表現力も硬軟取り混ぜて多彩です。得てしてこれだけ判断のしやすい声質だと「また(この人)か」という事もあり得るのですが、逆に出ておられると安心してしまうくらいです。あと、語尾、話し方に特徴のあるキャラが多いですかね、やっぱり。

音楽は・・・、これはこの作品の大きな武器、魅力の一つとなっていますよね。歌単体でもなかなかにキャッチーな仕上がりで気分が高揚する感覚があるのですが、映像と融合するとこの破壊力は素晴らしいものがあると思います。
作中でも、絶妙なタイミングで差し込まれた際には「ウメェ」とこちらも気分よく盛り上がれます。


キャラについては、
私が気に入った作品の際にはよく言うのですが、どのキャラも本当に個性的で魅力的。
アニメらしく過剰な個性表現もあるにはあるのですが、かわいらしさに負けて受け入れています。

御坂美琴のキャラ付けはもちろんの事、
白井黒子の百合要素も含んだ、お姉さま大好きキャラ、
初春の頭飾り、佐天さんとのスカートめくりのからみw、
婚后光子、湾内絹保、泡浮万彬の微妙な友情トリオ、
御坂美琴に近しいキャラだけでも、バラエティに富み、飽きさせない感じです。

そして、それぞれのキャラが、やっぱりキメめるときはキメてくれるんですよね。
友情、仲間、いいですよねぇ。
ここら辺も、爽快感、心地よさの要因かもしれません。

あと・・・インデックスの方のキャラが登場してくると、やはりニヤリとしますし、世界観が広がりますよね。





この作品は、大きな意味でSF。
フィクションではあるのですが、ポイントポイントに現代社会、リアル社会にも投影できる物心両面での課題をチラ見せ、含んだ作品だと思います。
私が良作を見た際に感じることなのですが、いろいろと考えさせてくれる作品は素晴らしいと思います。
無論、そういった小難しいことなしに、何も考えず観ても楽しめるエンタテインメント作品だと思います。

ある意味「事件・事故・陰謀・トラブル・学生生活、含む『学園都市日常系』」と言っても良いかもしれません。
そして、学園都市での格差、善悪観、倫理感、もろもろ全てが御坂美琴の苦悩として視聴者に投げかけられている・・・と。



私としては、絶対に観て損はしないレベルのエンタメ作品という評価です。
この手のジャンルが苦手な人でも、少々、無理をしてでも見てみて下さいね、とおススメできます。
どうしても、無理だという人は、まぁ、仕方ないですが・・・。

機会がありましたら、ぜひ、ご覧ください。

投稿 : 2021/11/03
閲覧 : 434
サンキュー:

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