シン さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
優しさと残酷さの振り幅がすごい
あらすじは言わずもがなの有名作品。
原作も中学生の頃に読んだことがあり、夢中になったのを覚えています。
母親を亡くした本田透と、十二支の物の怪つきの呪いに縛られている草摩一族の物語。十二支の個性あるキャラが次々出てくるので飽きることなく観れます。
透の純真な優しさやギャグシーンに癒される一方、十二支の子供たちと猫憑きの夾に向けられた容赦ない悪意がえぐいことえぐいこと。漫画を読んでいたので覚悟をしていましたが、声優さんの声がつくとかなりしんどいです。
大人になってから改めて視聴すると、今日子さんや花ちゃんの家族のように尊敬できる大人もいますが、反面教師にさせて頂きたい大人がよりどりみどり。
本人は何も悪いことしていないのに、どうして子供達に悪意を向けるのか。それも呪いなの?由希、夾、紅葉、杞紗の気持ちを思うと辛い・・
「ありのままを受け止める」って子供にとって本当に大事。短所に目をつむって優しくするのではなく、良いところも悪いところもひっくるめて、一緒に泣いたり笑ったりしてあげるのが大切なんですよね。
<キャラクター>
一番好きなのはやっぱりぶっ飛んでる綾女さん!
底を知らない自信、天性のオーラ、独特な言い回し。どれをとっても最高に面白い。綾女さんが出てくると必ず笑います。あと蛇姿が意外とかわいい。マブダチトリオの会話や、由希や夾の突っ込みも面白い。櫻井さんのぶっ飛びキャラボイス大好きです。
透の友達の魚ちゃんと花ちゃんもかなり好き。魚ちゃんは頼りになるし情に厚い姉御肌。花ちゃんは時折すっとぼけている所がツボ。佐藤さんの独特のしゃべり方もキャラに合ってます。
<笑ったエピソード>
12話「楽しそうだね」潑春と紅葉が入学してきて、生徒会長をやりこめるところが楽しい。
13話「元気でいたかな?我が弟よっ」修学旅行の件、その発想はない!先生方といっしょに「アホかー!」とつっこみました笑
15話「そうでもないさ」綾女さんが出てくる回は全部面白い!
<泣いたエピソード>
5話「勘違いをしていました」お母さんを失いいつの間にか草摩家の家が
心のよりどころになっていた透。そんな透に容赦ない言葉をあびせる叔母一家。母親を亡くした子によくそんなこと言えるな。とりあえずあの従兄弟は警察官にだけはなるなー!
14話「秘密だよ」これは号泣必死。あんなに小さいのに母親の拒絶を、自分を忘れられることを受け入れ、誰も恨まず明るく生きている紅葉。なんて素敵な子なの・・・
22話「だって嬉しかったのよ」花ちゃんの過去が辛い、辛すぎる。自分のしたことを棚に上げて花ちゃんを責めるいじめっ子。犯罪レベルのことをする同級生。それでも自分が悪いと思う花ちゃん・・・優しすぎるよ!酷な描写が続く中、透が登場した時の安心感。花ちゃんのご両親は親の鑑ですね。
24話「帰りましょう」ありのままのその人を受け止める。難しいけれど。そういう存在がいてくれることは救い。
<作画>
細いタッチに柔らかい色使いでフルバの世界観を素敵に描いてると思います。時折まじるデフォルメチックな絵がかわいい。変身するときの煙がやたらリアルです。
ギャグパートは思いっきり笑えるけど、辛いシーンは本当に辛い。ただどんなに鬱展開でも必ず前向きに終わるのが救い。優しい気持ちになるお話です。