「宇宙のステルヴィア(TVアニメ動画)」

総合得点
68.6
感想・評価
304
棚に入れた
1668
ランキング
1975
★★★★☆ 3.7 (304)
物語
3.8
作画
3.5
声優
3.6
音楽
3.8
キャラ
3.6

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ネタバレ

たこたこ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

また名作を観てしまった…

この作品の見所を語るなら、子供達のリアルな感情変化や『天才』や人類の命運を握らなければならない苦悩、そう言ったところです。
あと、しーぽんが可愛いです。


まず、しーぽんのデザインが可愛い。
あと、宇宙の描写が細かくて、他の宇宙ものの作品の『俺の宇宙では火が出ます!』みたいなのとは違って、リアルな感じがして良かったです。
セカンドウェーブまでは、しーぽん達が授業を受けたり活躍したりして、とても楽しい宇宙学園物っぽいですが、セカンドウェーブからヒモを消すところまでは、登場人物達がうじうじしてます。

まず、片道40日、往復80日の任務に学生でありながら参加したために、ステルヴィアに戻ってから、周りの友達の人間関係の変化に付いていけず、主人公のしーぽんは疎外感や孤独を感じてしまいます。
けど、任務に行って往復80日も一緒に居た彼氏の光太も居るし、まだ大丈夫!!………と思うのですが、彼との間に越えられない実力差があり、彼と同じ宇宙が自分には見れない、感じられない。ことに気づいてしまい、しーぽんは『完全に周りから自分だけ取り残されてしまった。』と思うわけです。
実力差は練習で補うしかない!し、ストレスを練習で解消しようとするんですが、そこで友達に突き放されたことを言われ、更に孤独を深めてしまい、彼女は病みデビューしてしまいます。
ここから彼女の病み女の歴史が始まってしまい、宇宙のステルヴィアという作品は毎回誰かが泣かないと終わらないような感じになってしまいます。

なんやかんやあり、こんぺいとうのとんでもパワーで女同士の友情は修復されます。

しかし、彼氏の光太くんもこんぺいとうを持ってきますが、女同士ではこんぺいとうで許せても彼氏は許されないという謎理論により、彼は許されませんでした。
しーぽんのあっかんべーが可愛いですが、あそこは本当に解せないですよね。
確かに、光太くんは自他共に認めるタイプの朴念人で人の感情に疎くて無口で大切な事を何も言わない人ですし、彼がもう少し出来る男だったらしーぽんも病み女デビューすることも無かったのかもしれないことを考慮すれば、もうちょっと頑張って謝れって理不尽だとしても女の子は思うんですね。理不尽~。

しーぽんは視聴者から見ても可愛いんですが、物語の中でも、可愛くて男にモテるタイプのキャラですす。
しかし、作品内でモテる様になり始めたのが、しーぽんが己の実力を発揮し始めた頃からなので、実力に伴ってモテ始めた可能性もあります。
光太くんは疑惑では無く、どう考えても実力発揮からモテ始めてます。
お前ら見向きもしてなかったのに、優秀だって分かった途端唾つけようとするの止めんかい!って思いました。
そこら辺も、嫌らしい感じでは無く、色々な意味で子供のリアルって感じで良かったです。

町田さんはビックリする程、急にクズ人間の本性を発揮しました。
しーぽんが許しても私はお前のしたことぜってー許さないから。
キリッとした天才然とした彼女が、実は、可愛くて自分より実力がある女の子を事故に見せかけて病院送りにするのが常習化してるヤベェ女だったのは誰も予想してなかったことだと思います。
ちょっと可愛いからって油断した結果がこれだよ。
被害者らの協力により、更正したように見えますが、彼女は終盤までヤベェ女のままでした。やっぱり、こういう人間って変われないんですね。
なんと、彼女は相談女にグレードアップします。
そして、光太くんに相談に乗る感じでグイグイと近づき始めます。
相談に見せかけて、自分は男経験も無くてフリーですよのサインやらなんやらを送ってます。
相談を受け続けた結果、彼女は光太くんを好きになってしまった…みたいな描写があるわけですが、本当この女なんなの……………。
気づいたら好きになってたの…!って泥棒猫の常套句ですが、自分から近づいてくる発情したメス猫が言うんですから、この言葉のギルティさはこのレビューを読む皆さんには分かるかと思います。
彼女の行為にはこのギルティさに加えて、死んでも可笑しくない傷害未遂加害者でありながら、その被害者の彼氏を寝取ろうと、無意識かもしれませんが、してるわけです。
やっぱり!コイツ!やばすぎる!

町田さんと光太の相談現場をしーぽん何回も目撃してるのに、しーぽんと光太、よく別れなかったなと思いますが、もしかしたら、彼女には光太がそんな事やったりするタイプじゃないことが分かっていたのかもしれません。
光太くんは町田さんに惑わされず、というかそんなこと全く気づきませんでした。

終盤、ありさの妹が登場しますが、彼女は身体を40%失っているわけです。
私は『だからか!』と思うことがそれであったわけです。
それは、ありさのお姉さん力です。
しーぽんへの接し方やら何やらで、ありさのお姉さん力に卓越したものを感じていたのですが、少し大変な妹が居ることがわかり納得しました。

宇宙人のカールさんですが、宇宙軍作れ!平和ボケするな!みたいに言って、未確認飛行物体がどこかが隠していた秘密兵器であるかのように言っていますが、実はそれも人類のため、ヒモを消すために軍備が必要だから、それを見越しての発言だったわけです。
このアニメの伏線回収率凄いです。キャラの性格や行動の一つ一つにちゃんと理由があります。

あと、この作品には度々『天才』という言葉が出てきます。
この言葉なんですが、ちょっと考えてみてください。
実はこの作品に出てくる殆んどのキャラはそもそも普通の人に比べて天才なんです。
宇宙に行くのに、滅茶苦茶勉強が必要みたいな描写があるんですが、恐らく本当は、彼らは中学校では卓越した天才だったはずです。ジョジョでさえも、多分。
なのに、彼らはその中で優劣があり、『天才』という言葉に翻弄されています。
晶は多分、この中でそのギャップを一番感じているキャラだと思います。

『天才』、自分に出来ない事が出来る人に対して、彼らはこの言葉を使って壁を作って拒絶したり、色々あります。
他の友達達の遥か先を行ってしまったしーぽんも最終的には、才能という越えられない壁(光太)を『天才』という言葉で拒絶していますが、彼女には彼女の出来ることと、出来ないことがあります。
最終的に、しーぽんは才能を越える事はありませんでした。出来ない事は出来ないからです。
しかし、彼女は出来ることを練習して頑張る事で、壁を乗り越えます。
光太としーぽんの差は、生まれついての芸術的才能みたいな、埋まらない差です。
努力家の彼女が最終的に行き着くところが、努力だけでは埋められないところでした。
だから、彼女は彼を支えるためにプログラミングを頑張ります。
これはありさが、操縦士から整備に移ったことを彷彿とさせました。
そして、ある意味、光太くんは、実力の上では全ての上に立ったとも言えるわけですが、彼は彼でヒモ消し作戦の最中に、目の前で人が沢山死んでいくのを見て、凄い重圧と戦うことになりました。
鈍ちんで朴念人の彼は、太陽系を救うミッションに関してはそこまで重圧を感じていなかったようですが、目の前で死んでいくパイロット達を見て、一気に重圧を感じてしまいます。
まだまだ子供なんですから、当たり前のことではあるんですが、そこも見所でした。

あと、最後の最後でやよいちゃんがアルキュオンに乗っている事に驚くのと同時に本当に良かったなって思いました。
2年も入院していて、それでも彼女は宇宙のステルヴィアに帰って来ましたが、一度は潰された彼女がしーぽんと光太達にしか乗れなかったアルキュオンに乗っている…凄く私は嬉しかったです。
彼女の一度は無くなってしまった未来がここにあるって思うと…。

是非、二期も見たかったんですが、この作品は権利関係がごたついてるみたいでもう続きが見れないみたいで、本当に悔しいです。
それでも、いつか、宇宙のステルヴィアの新作が出ることを祈ってます。

投稿 : 2020/09/01
閲覧 : 363
サンキュー:

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