シン さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
シンをもっと魅力的に描いて欲しかった
学生の頃たまたま見たSEEDにはまり続編もアニメ雑誌を買ってまで楽しみにしていました。が、10話あたりからなにこれ?の連続でもはや最後まで見たかどうかの記憶すら無く、結局はまりかけたアニメからまた遠ざかり、またアニメにはまるまでかなりブランクが開くことに。
でも前作のSEEDは本当に大好きなので、時間のある今の機会に改めて視聴。
批判の多い作品ですがやっぱりつっこみどころ満載でした苦笑
<物語について>
またしてもナチュラルとコーディネーターの対立になるのとかと思いきや、軍需産業として戦争を望む勢力にスポットをあてたのは斬新でとても考えさせられるものがありました。
また、序盤では温厚で平和主義の人物と思われていたデュランダル議長が実は狂気を秘めたとてつもない計画をもつラスボスとして描かれたのも面白かったです。議長の真の目的が露になってくるアスラン脱走からはとても惹きつけられました。
ただ、結局シンをはじめとしたさまざまなキャラの登場、旧作のキラ達もガッツリ登場した結果、彼らのエピソードにも多くの時間を割き、おまけに総集編も多くせっかくの魅力的な題材が終盤にバタバタと描かれてしまったように感じます。
シンが結局あんな酷い扱いになってしまうのであれば、新キャラは極力登場させずに物語を絞ったほうが良いのではとすら思いました。
<キャラクターについて>
シン:初めて見たときはよりにもよって主役であるシンを好きになれず視聴意欲が失せてしまったんですよね・・・オーブになぜそこまで憎しみを向けるのかがよく分からなくて・・・一番酷いのは中立国に対して無茶な条件をつきつけて開戦した大西洋連邦であるはずでは?それが無ければオーブからは戦闘行為をしないのに。序盤カガリに楯突いたときはドン引きしてしまいました。(でも日本人もコロナに対して、一番悪いのは不衛生な環境でコロナを発生させ、世界中にばら撒いた中○なのに、国内で自粛警察したり政府を叩きまくってるからな…)
とにかく一国の元首、上官、先輩に対しての礼儀が全くなっていない、軍規違反を全くのためらいもなくやってしまう所が個人的に受け付けない。ザフトレッドって優秀な兵士の証だと思うんですけど、単純な戦闘能力だけでなく、品行方正さとかも問われないんですかね?キレキャラだったイザークでもわきまえるところはきちんとしていたと思うのですが。
それなのに周りは諫めるどころかお咎めなしにしてしまうので、観てるこちらはますますシンに思い入れが薄れてしまう・・・
改めて見ると彼にも同情するところは多少ありました。そもそも演出的にもまるで悪役のような表情をさせたり、BGMが邪悪だったり。何のために主人公にしたのか・・・
タリア:優秀な軍人とのことですが、クルーの前でいらつきを隠せない、副官のアーサーが何か言うとすぐ叱る、あまり理想的な上司とは言えないような。シンがステラを逃がした際も、ステラの人命を尊重したシンに対して「個人の思惑は認められない!(正論ですが)」を突き付けたところでシンには絶対通じないでしょうに…
旧作のアークエンジェルがマリューとナタルは対立も多かったものの互いに補完しあっていたし、ムウは経験豊富で優秀な軍人であったことを考えると、ミネルヴァは副官は頼りない、エースパイロットは万年反抗期、おまけにフェイスも乗ってくるとなるとかなり苦労人だなぁとは思いますが。
ルナマリア:妹のメイリンが撃墜されてしまった時、撃った本人であるシンを恨むのではなく、この様な状態を引き起こしたロゴスが悪いと言っていたのが好印象。また、「コアスプレンダー、出るわよ!」もかっこよかったです。折角ザフトレッドの女性パイロットだからもっと戦功をあげさせて欲しかった。
ただ、シンとルナマリアがいきなりああなっちゃっうのは・・・アスラン脱走の前から同期として仲が良い描写がもっとあればともかく、ステラにあれだけ入れ込んでいたのに、なんでルナマリアといきなりそうなる?そういうシーンを入れたかっただけじゃないの?とすら思う唐突感でした。
ステラ:最初は可愛いけど戦闘になると強くて、強制的に強化人間にさせられた不遇で魅力的なヒロインだったのに、最後はギャーギャー叫びまくる、操られてるとはいえ大殺戮を何の躊躇いもなく行う…正直キラが倒してくれてホッとした。あれだけの殺戮をした相手にシンが盲目になってるのも本当に謎でした。
他にも1話であれだけかっこよく機体を強奪したエックステンデットのアウルとスティングは話が進むにつれ存在感がなくなり死亡シーンもあっさり。敵の親玉も小物で悪なりの正義感が感じられない。終盤に出てきたラクス様親衛隊のドムトルーパー3人組もキャラがたったと思いきや特に掘り下げられることもなくキャラの扱いが雑。
新キャラで扱いが良く感じたのはのはデュランダル議長、レイ、ミーアだけでした。(というかSEEDではキャラの扱いが良い悪いなんて思いすらしなかった)
<演出について>
音楽は相変わらず神がかっていました。「ignited」「深海の孤独」「君は僕に似ている」等の楽曲も良かったです。音楽のおかげで無理のある展開もドラマチックに仕上がっているなと思った箇所がいくつかありました。この作品は音楽が平凡だったらもっと悪評価だったような…
ただ、裸の描写はいらない、というか必要性を感じない!
SEEDで期待値が爆上がりしたのもあり、不満点を多く感じてしまいましたが色んな媒体でキャラの行動に対する補完がされているようなのでそれを観ればまた感想も変わるのかもしれません。