「プラスティック・メモリーズ(TVアニメ動画)」

総合得点
84.5
感想・評価
2344
棚に入れた
11062
ランキング
281
★★★★☆ 3.9 (2344)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

基本的には感動的な良い話。ただし5話は除く。これだけはぶち壊し。

1話感想
1話視聴 88点
これはもう設定が卑怯だわー。終盤の展開が丸わかりですが、それでも絶対泣かされるわー。というのがありありと見える。

まあ素直に涙腺緩めて楽しみたいと思います。
お涙頂戴だけじゃなくて、アイラちゃんがめちゃくちゃ可愛いしギャグも笑えたので色々楽しみです。

そこが本質じゃないのはわかっていますが、何で9年なのかは技術的に気になりますね。記憶容量が増大すると処理しきれなくなる、ソフト的な問題が大きそうですね。感情アルゴリズムが難解過ぎてデバッグ不能とかですかねー。入れ替え需要を狙っているという会社的な戦略もありそうですが。まあ現代のPCですら9年も持たないんだから、それより遥かに高精細なロボットが9年持つのは十分大したものだと思いますよ。

5話視聴 -10点
普段はあまり途中で点数を直さないのですが、さすがに酷かったので。
ギフティアの設定がガバガバすぎ。いくらなんでもあの運動性能はないわ。戦闘用アンドロイドか。あそこまで顕著な暴走するなら、なんでギリギリまで待つわけ? 記憶をなくして廃人のようになる、徘徊するとかそういうレベルかと思ってた。あれじゃワンダラーじゃねえ。ターミネーターだ。
アイラが無能な働き者すぎて邪魔。もう黙ってろ。
どうしてこうなったんでしょうね…。

全話感想
まあかろうじて踏みとどまったか、というところ。
あの5話さえなければ+10点でも良かったのに。
心情的にはもっと下げたいくらいだけど、5話を丸々無視すれば決して悪くないだけに、これ以上は下げづらい。

結局闇回収屋も、ワンダラーも、全く必要が無かった。
アニメでは「この話必要だったか?」という無駄話は珍しくないが、「この話はダメだ、このせいでぶち壊し」という台無し話はなかなか見られないので、そういう点では記憶に残る作品になりそう。

5話を無視すればメインストーリーはまあ良かった。
カズキがうざいけど、5話を無視すればそれも我慢できるレベルだろう。
強いて言えばギフティアが完全に人間と同等扱いで、ギフティアと恋人になることが完全に祝福されているのが、いいのかなー? と違和感だった。
でもまあ同性婚も祝福されつつ有る現代、新しいといえば新しいか。

----------------
しかしまあ、重ねて文句を言いますけれど、やっぱり5話ですよ。
おかしいところを列挙すると…。あ、ここから長いです。

(1)ギフティアの壊れ方がおかしい。
まず壊れて性能が上がるとか、絶対無いから。PS4が壊れてPS5になっちゃった! なんてあるか?
リミッターが壊れてスペックの最大限でぶん回してしまう、なら有るけど、それなら壁に激突するとか、まともに制御できるはずがない。
車が壊れてアクセル全開固定になったら、まともに運転できるか? 壁に激突するだろ。
装置が高速で駆動するなら、より高度なプログラムが必要なんだよ。普段の状態なら普通のドライバーで運転できても、暴走したらプロレーサーじゃなきゃ制御不能だ。
なのに、柔らかい子供の首を潰さずに締めあげたりと、制御は完璧だし。
つまりあれがギフティアの元々の性能で、普段は制限をかけているだけ、ということになる。

(2)ギフティアの性能がおかしい。
で、家庭用ロボットに、あんな戦闘用のような性能があるのがおかしい。
コストダウン云々言うならロボットに過剰な性能を与えるな。それこそコストの無駄。あんな戦闘用ロボットを町中に配備して、SAI社はテロでも起こす気か。
ギフティアを世界中に配備してから一斉蜂起して社会を転覆させるテロを狙っていたなら良いけれど、全然テーマが違う。

(3)ワンダラー危険すぎ。
壊れたら人を襲いだすとか最悪だろうが。
てか市販出来ないだろこんな危険物。まあ車も轢かれたら死ぬけど便利だから使っているから、何らかの手段で法整備がなされているとしよう。
それなら、なぜギリギリまで放置する。もっと急いで回収しろ。
こんな不安定なロボットが人権なんて得られるか。発信機も強制停止装置も絶対必須だろう。

(4)カズキうざすぎ。自分のミスで勝手に怪我しておいて何で偉そうなの。
(5)警備会社無能すぎ。子供がふらふら入れて何の包囲網だ。
(6)アイラ無能すぎ。私が私がって、お前何の役に立つんだ。邪魔。
(7)闇回収屋とか必要なのか。好きな相手との別離というメインテーマに関係あるのか。1クールアニメに無駄な要素入れる時間が有るか。

…というのが主な不満。
でもまあせっかく気に入っていたアニメだったので、これらに何とか説明が付けて擁護できないか、一応考えてみたんですよ。

(2)…これはパーツのコストダウンで説明できる。
現代でも、生産終了の低容量メモリが、量産中の大容量メモリより逆に高くつくケースもたまにある。
ロボットの性能が行き着く所まで行き着いて、あとはコストダウン競争に陥っているとすると、性能の高い最新パーツが実は一番低コストってことも有り得る。
コストを上げても性能が低い物のを選ぶことは、確かに有り得ない。リミッター付ければいいだけだし、性能が良いほうが余裕がでるし。
消費電力も、新型の方が普通は省エネで高性能だろう。

(1)(3)…で、折角高性能パーツを使っているのだから、ユーザーが危険に晒された時に助けられるように、緊急駆動モードとかがあっても良い。
車に轢かれそうな時とか助けられたら、SAI社の評判も上がるだろう。

しかし、ワンダラーになると記憶が混濁して状況認識がおかしくなる。
そしてマーシャの場合はたまたまソウタが危ないと誤認識して、緊急駆動モードが誤作動。全力でソウタの元に駆けつけた。
川で溺れているとでも誤認識しており、呼吸させるために吊り上げたのであって、首を絞める意図は無かった。
(かつて川で溺れたソウタをそうして救助したことがある)
(5)…で、緊急駆動モードが誤作動するのはさすがにレアケース。普通はもうちょっと単純な壊れ方をする。
なので警備の連中も全然厳重警備していなかったので警備網も緩かったし、混乱して後手後手に回った。

また、緊急駆動モードは普段の10倍の情報を処理する必要があるので、使用した分は10倍速で寿命が縮む。
マーシャが以前緊急駆動モードを使っていたという情報が伝達不備で伝わっておらず、マーシャの寿命を計算違いした。

どうだろう、これならそこそこ説明が付くのでは。とまでは考えたが…
(6)が満たせない…だったらアイラもその緊急モードに切り替えて追いかけろや! となって破綻。
この設定ならアイラが残り少ない寿命を削っても活躍する、見せ場になったと思うんですけどね。
アイラの存在価値皆無で、あの話は本当に、何の意味があったんだかさっぱりわからない。
(4)は擁護不能。カズキはウザイ。

(7)は…まあ、将来重要な伏線かもしれない、という擁護くらいしか無かったんですが、
それも無駄でしたね。結局ワンダラーも闇回収屋も、一切活用されることは無かった。一話まるまる要らなかった。


大体ワンダラーが暴れる何て馬鹿げた設定、有効に使おうとすると、

ヨータは対ギフティア用格闘術の使い手だった!
ここから始まる対ワンダラーとの死闘!
最終回は暴走したアイラとの戦い! 「アイラ…鍛え上げたこの技で、君を破壊しなければならないなんて…!」
「ヨータ、私を…壊して…」
…みたいな展開しか思いつかない。

メインテーマをよく考えて、不要な設定は入れないようにしましょう。ってことですね。
新人漫画家に対するダメ出しか。

投稿 : 2020/09/30
閲覧 : 338
サンキュー:

4

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