「風の谷のナウシカ(アニメ映画)」

総合得点
90.6
感想・評価
1959
棚に入れた
12591
ランキング
51
★★★★★ 4.2 (1959)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ジブリ作品では一番ベスト

この映画はジブリでもというか厳密に言うとジブリではないのですが、好きですね。おそらく宮崎監督作品で私にとってはベストです。原作漫画も全巻所有していますし、ムック本や水彩画集も持っています。ナウシカというヒロインは、私の好きな女性キャラでも格別の位置をしめています。この映画は、ポニョと本当に同一人物が作ったものかなあと思ったりします。これだと、さっき言った大自然との敵対関係みたいな図式は、はっきりと出ているんですね。そう、腐海です。ナウシカはそこへ、「野生のエルザ」みたいにして探索に行く。人間にとっては危険な場所ですが、美術設定でとてもファンタジックで美しい風景になっています。それが冒頭場面に出て来て、そういう静かな場面から入っているのもこの映画が普通のものとは違うところで、その場面は何度でも見たいと思うほどきれいです。

ポニョではああ書きましたが、この映画は封切り当時映画館で見て、ナウシカが王蟲の子供を助けようとする場面では泣いてしまったんですよね。そこから本格的に私とジブリ作品とのおつきあいが始まったわけです。このナウシカはそういう私にとっては記念碑的作品で、当時「ルパン三世カリオストロの城」ですでに世間では評判になっていましたが、この作品で、私は宮崎監督を信頼していこうと思ったのでした。作品背景になっている、シルクロードにあった国々のような設定も大好きでした。今私がそのあたりの語学を少し勉強しているのも、そういう国々の描写から入っていったのもあります。また映画のあらすじもよくできていたと思いました。敵対するクシャナも、蟲に体を食われ、ただの悪役ではないように描かれていました。この映画に対する批判で、有名な押井監督の発言がありますが、ナウシカがオールマイティすぎて、御姫様すぎるという指摘も、私には映画の描写でナウシカもいろいろ痛めつけられているのだからと思い、別にいいのではないかと思いました。というか、姫様というのは名ばかりで、むしろ小間使い的な作品だと思いました。風の谷や王蟲を背負っているナウシカは、本当のそういった昔の王族の、もしかしたらあった姿ではないかと思いました。そういう、姫が守られた存在という固定概念を打ち破っている点でも、この作品は当時の強い女性たちの台頭の風潮から描かれた作品だと思います。それはおそらく前作の「カリオストロの城」のクラリスに対する批判意見を受けての事だったと思います。

という風に今いろいろ考察してみましたが、この頃は本当に真面目に作られていたんですよね。どうしてポニョがああなったのか、私にはわかりません。宮崎さんも歳を取られたという事なのでしょうか。もしそうなのだとしたら、とても悲しい事だと思います。「アルジャーノンに花束を」のように、どんなに賢い人間もそうなってしまうのだとしたら、寂しい話だと思います。

投稿 : 2020/10/06
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