「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 追憶編(OVA)」

総合得点
79.8
感想・評価
500
棚に入れた
2910
ランキング
475
★★★★★ 4.1 (500)
物語
4.3
作画
4.2
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

薄雪の散るように・・・・

るろうに剣心は応援していた作品で、のめりこんだのは京都編からでしたが、島原編を放映している時に確かこの追憶編が制作されていて、最初私はこれはノーマークだったのです。後から知って、こっちの方がいいなあと思うようになりました。幕末をよく調べてうまく描いていて、時代劇アニメとしてもレベルは非常に高いと思います。ただ、維新志士側から描いていて、ストーリー的にも許婚者の仇討ちをしようとしていたのに、許婚者を殺した仇に惚れてしまってそっちの味方になってしまうという話なので、見た後後味は悪かったです。その後味の悪さと、無力感で見た当時はラストで泣いてしまいました。

こういう、キャラがあまりにも運命に対して無力で、情けなくて涙が出てくる作品にジブリの「火垂るの墓」がありましたが、それと同質の涙が流れたと思います。まあ「泣ける作品」だということで、何も知らずに見た方は必ず泣くと思います。BGMの盛り上げ方とか、演技のつけ方とか、「星霜編」でもそうでしたが、ものすごくうまいですから。作画もすごくうまい方たちが描いておられて、どの画面もとても美しいです。海外で評価が高いのもわかる気がしますし、この作品なら日本を誤解される事もないと思います。そういう意味で、いい作品ではあると思います。

しかし前述したようなストーリーなので、巴という女性をどう見るかで、視聴した人は180度感想は違ってくると思います。私は同情的になりましたが、それこそ「二股かけている」と思う人も出てくると思うからです。巴というキャラがまた綾波みたいにおしとやかに描かれているので、それがなおさら見た目はあんななのに腹黒だと思う人もいるかと思うからです。そういう、巴の主体性のなさがこの作品の一番の弱点で、今風の生き方を由としている人には、このキャラはきっと受け入れられないと思います。確かシナリオライターの人も、どれかのBOXで「今ではない江戸の女性」というように答えていたと思います。それはきっとそういった意味だと思われます。

この作品は原作があって、原作のストーリーをほぼそのままで作られており、実はこの手の無抵抗主義のようなキャラは島原編の小夜もそうで、原作者がそういった女性の生き方に興味を持っていたのではないかと思われる節があります。私はしかし、この時代設定でそういうキャラを出した事に、意味があるというストーリー展開だったので、この作品はいいと思いました。要するに無抵抗だった巴まで斬ってしまったということで、剣心は殺さずの誓を立てるという話だからです。それは理にかなっているので、やはりこの作品は、私は時代劇として、名作だと思います。

投稿 : 2022/07/27
閲覧 : 303
サンキュー:

10

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