「オーバーロード[OVERLORD](TVアニメ動画)」

総合得点
85.0
感想・評価
2178
棚に入れた
11503
ランキング
190
★★★★☆ 3.9 (2178)
物語
4.0
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

無課金勢は白旗を揚げる

原作未読 全13話


まずはじめに言いたいのがこの1期終了時点で完全に2期を視野に入れた畳み方をしてること。むしろ「絶対終わらせまい!」という確固たる意志すら感じた最終回。1期が2015年夏で2期が2018年冬。あのまま終わってたら清々しいまでの俺たたENDだったでしょう。結果オーライなんでしょうがよくこんな終わらせ方したなとそのことにびっくりです。

有名タイトルだしレビュアーさんからの推薦もある。なぜか2期を地上波再放送やるってんで廃…じゃなかった配信で1期を観ることにしました。

とあるVRMMOがサービス終了するタイミングで、その重課金ユーザーかつギルドの長まで登りつめた男が感傷に浸りながら最終日を噛みしめてたらそのまま異世界に転送されちゃって、ログアウトも管理者アクセスもできず「さてさてどうしたもんか」というところから始まる物語。

そこから紡がれたお話は大人気となったわけですが、要は主人公最強系の異世界モノなわけです。
2020年現在でトライする場合、このテのジャンルには半信半疑で

 「この時期にはまだ珍しかったからウケたんじゃねーの?」

先入観バリバリっすよ。

 …それでも面白かった。

  …どうしてなんだろう?

有名タイトルでも苦手分野だから躊躇することってあると思うんですけど、私にとって“主人公最強系”がまさにそれに該当します。
結局楽しめてたんで杞憂に終わった『オーバーロード』で気づいたことがいくつかありました。これまでは下手に言い訳じみたものより清々しいまでに最強だといいかな…くらいの認識だったのです。


■楽しめる条件其の壱

一つ目。理由が“そりゃそうだよね”と納得感がある。

理由なき最強はぺらっぺらに見え時間の無駄と感じる確率が極めて高い。そしてそんなん山のようにあったからこその不信感なわけです。たぶんなにかしらウケたやつがあってその後バッタもんが粗製濫造されちゃってブランド毀損しちゃったんでしょ?とありがちなやつだと思ってます。
『オーバーロード』での最強理由はいたって明解。

 {netabare}重課金ネトゲ廃人だから{/netabare}

チートなはずです。理由が理由だけにコメディにも化ける。


■楽しめる条件其の弐

二つ目。イキってるの見るのしんどい。

其の壱をクリアしてないイキリ主人公だと即離脱対象です。そこをクリアしててもちょっとしたことで離脱対象になりがちなのがこれ、イキリの有無。さらに今回の気づきのが以下↓

 {netabare}謙遜 VS 謙虚{/netabare}

似て非なるんですけど主人公が“謙虚”なほうが楽しめます。自分が強いのを理解してて力の行使は惜しまずさりとて背伸びせず。
これが“謙遜”タイプだとふとしたことで傲岸不遜な態度に早変わりしがちです。「いやいやそんなことないですよ~」が嫌味に聞こえちゃうのを指します。なにせ力はあるのにへりくだるポジショニングをするわけですから。このタイプは自分を客観視できていないため周りが求める役割を担わず時期を逸し状況が悪くなってから土壇場で力を発揮する、みたいな。


こんな諸条件をクリアした主人公アインズ・ウール・ゴウン / モモンガ (CV日野聡)は安心銘柄です。
あくまで私基準で“主人公最強系ウザい”方向けに「大丈夫ですよ」と言いたいレビューでした。



※ネタバレ所感

■『オーバーロード』のこういうところは面白い

1.煽る煽る

いわゆる敵がイキりまくるわけで、本人の死亡フラグをばんばん立ててくれるわけです。観てる方は結果だけは知っているので神座の視点から高みの見物。イキリのボルテージが高ければ高いほど面白い。『ワンパンマン』なんかもそうですね。
{netabare}クレマンティーヌ(CV悠木碧)は最高でしたね。顔芸もさることながら悠木さんの怪演。基本ご機嫌なんだけど感情の起伏が激しい。興奮して早口で罵詈雑言をまくしたてるのがなんとも。緩と急とそれ以外も高速回転しながら目まぐるしく変化する彼女は1期のみどころです。{/netabare}

2.アンチヒーロー

本人も骸骨なんですけど、本拠地「ナザリック大墳墓」で従えてるNPCたちもヴァンパイアやインプなど人外さんです。悪役の悪役たらんとしてる振る舞いと根はいい人みたいなギャップは面白かったです。

3.ところどころ気を抜く

同じLV100でもNPCはプレイヤーには勝てないだろうねって基本ルールなんだと思います。NPCはプレイヤーに逆らえないという力関係が眼前としてあるみたい。

{netabare}・プレイヤーのハンドルネームがひどい
 →“ぶくぶく茶釜”“ペロロンチーノ”“たっち・ミー”センスが…
・レアアイテムのネーミングセンスもこれまたひどい
・現実世界でのプレイヤーがチラ見できる
 →いくらひどくても“至高の御方”の崇高なお考えで納得できるNPCたち{/netabare}

4.アインズ様

日野さんのオフィシャル声とモノローグ声の演じ分けがナイスでした。日野さんあってのアインズ様だったと思います。他にも

{netabare}「お前のミスをすべて赦そう」
「お前のすべてを差し出せ」
「お前に罪はない。この言葉をしかと覚えておけ」

至高の御方として振る舞うべく努力されてたお姿が印象的です。
そんな横で創造主の名前がふざけ過ぎてて膝から崩れ落ちるんですけどこのへんのギャップで魅せるやり方は成功してましたね。{/netabare}


■まあでも結局は…

{netabare}たしか41人。廃課金者の元気玉で勝利を収めたラストがとても清々しいのであります。

もっともアインズ様の心が乱れたといいますか激昂してた箇所覚えてますか?

{netabare}夏のボーナス全部つぎ込んだ課金ガチャでゲットしたアイテムが無効化された時{/netabare}

ネトゲ廃人の生態をよく表わしてました。そういえばシャルティア復活も5億枚の金貨を“溶かす”ことで成就してましたが、こういう細かいメタも好まれる理由でしょう。{/netabare}


課金課金で隆盛を極めたソシャゲも一段落。『あつまれ どうぶつの森』などコンシューマー機器とネットワークとの融合にて課金せんでも楽しく遊べるゲームも出てきており、数年後に振り返ったら

 「課金って何?」

と新卒社員に不思議がられる時代がくるかもしれませんね。
そうなると本作は歴史的遺産の意味合いも出てくると思います。

投稿 : 2020/10/17
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