「マインドゲーム(アニメ映画)」

総合得点
65.9
感想・評価
154
棚に入れた
609
ランキング
3025
★★★★☆ 3.8 (154)
物語
3.7
作画
4.1
声優
3.5
音楽
3.8
キャラ
3.7

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

強烈な個性。

【概要】

アニメーション制作:STUDIO 4℃
2004年8月7日に公開された劇場アニメ。
原作は、ロビン西によって『コミックアレ!』で連載されていた漫画作品。

監督は、湯浅政明。

【あらすじ】

大阪に住む漫画家志望のフリーターの青年・西は元恋人で幼馴染の女性・みょんと電車で再会した。
学生時代に西からラブレターを出して返事を貰い相思相愛になったはずが、
互いに相手を意識しすぎて直接の会話を避けて手紙やメールでのやり取りを続けているうちに、
二人の距離は遠のいて別れてしまっていた。その後も西はみょんにメールを送り続けていたが、
バブル崩壊で出来た父親の多額の借金で一家夜逃げ。彼女は長らく行方不明だった。

彼女が父親と姉のヤンとともに三人で経営している焼き鳥屋に連れて行かれた西。
そこで西は、みょんの婚約者でトラック運転手のいかにも体育会系のりょうという男を紹介される。

西は今でもみょんを好きだったが、その場の空気に呑まれてか自分の本心を言い出せなかった。
そんな時、焼き鳥屋にヤクザのコンビが来店。
ヤクザの片割れで弟分のアツは、風貌からして暴力を絵に描いたよう危険なハゲ。
アツはみょんの父親に恋人を寝取られたことで無茶苦茶頭に血が上っていて、
みょんの父親を殺さんとばかりに、兄貴分の言うことを聞かない状態だった。
りょうを気絶させて蹴りまくる。拳銃で脅す。みょんの服を破っては無理矢理に犯そうとする。
寝取られた復讐心に燃えるアツを止められるものはいなく、
西は泣きながらダンゴムシのように丸まっていた。
みょんがその西に助けを求めたことで、アツのターゲットが西に変更。
恐怖で反撃の機会を逃していた西は尻に突きつけられていた拳銃から発砲されて、
肛門に発射された弾丸が貫通して血しぶきとともにおでこから出るという、
惨めな死を遂げたのだった。(ここまで序盤)

【感想】

お色気あり暴力ありの悲喜こもごもの人生讃歌ストーリー?

主人公の名字が西で作者がロビン西。架空の自叙伝みたいなものなんですかね?
原作漫画は幻の傑作コミック?と呼ばれている古い絶版本で読んだこと無いですね。
Amazonで3000円ぐらい払えば中古本を買えるようですが。

『マインド・ゲーム 漫画 ロビン西』でぐぐってみたら、
25年ぐらい前のサブカル雑誌のサブカル漫画っぽい。
断片的にページをチラ見できる程度ですので、原作の作品評価は控えさせていただきます。

このマインド・ゲームをアニメ化したものが、湯浅政明氏の映画初監督作品であり、
この監督を「天才」として知らしめたものであります。

湯浅監督は昭和末期からアニメーターとして原画クレジットされていて、
ちびまる子ちゃんやクレヨンしんちゃんなどで演出家として大いに活躍されたかたですね。

同じくクレヨンしんちゃんに関わっていた、本郷みつる、原恵一、水島努ら諸監督と比較しても、
過去に関わった作品歴の演出パターンの影響が大きく、
後に演出を手掛けた作品に合わせた振り幅は控えめで、
あくまでも自分の演出のスタイルを維持し続けてるのは監督本人の好みなのかな?

氏の演出の仕方は、例えば満腹になれば腹が数倍に膨れる。
辛いものを食べればドラゴンのように炎を吐く。
たんこぶが出来たら真っ赤に膨れ上がると漫画の記号的な表現を多用する。
人体の構造を無視した動きをする、などのユニークさで動きで笑いを取る。

シリアス寄りのデビルマンすら精緻な日常芝居ではなく、
平和な日常を表すのにコミカルな記号表現を好んで用いる。
更には実写では表現不可能で前衛的な現代アートにも似た、既存の演出方法にとらわれない作画。
そのオンリーワンの他の人が参考にできない型破りさ、ヤクさがマニアにはたまらない。

このアニメではカットによっては普段の絵柄からかけ離れた、
写真からそのままコピーしたかのようなリアルな表情を、ところどころに挟んでいく。
と湯浅監督自身の様々な「好き」を幾重にも塗り重ねていって湯浅ワールドを形成していく。

多分それは欠点ではなくて、湯浅監督の持ち味として尊重しなければならないと思いつつも、
これがオリジナル作品ならいざしらず、監督の個性?クセが強すぎて原作付きだと、
キャラや作品のイメージ破壊に繋がりかねない諸刃の剣。
その点、このアニメ映画は原作漫画を知らずに何の思い入れもないがゆえに、
余計なこと考えずにフリーダムな演出をそのまま受け入れられたのが良かったかな。
湯浅監督自身がサブカル精神で生きてると思うのでサブカル漫画原作と相性良かったのかも。

トリッキーとファンキーさが特徴的でテンポの早い暴力的なまでの映像の洪水。
あまりにもインパクトが強すぎてハマる人にはハマると思います。
ですが、わざとなんでしょうけれど作中の人物の過去の映像が早回しすぎであったりと、
一見さんじゃ物語が理解しにくいですね。例えばヒロインのみょんの情報を集めてみますと、
彼女の事情として、ヤクザが取り立てにやってくる借金地獄から家族のために売春するようになって、
その後ろめたさから真実を話さないままに西と破局してしまった。とそう読める部分があったり、
言葉では説明されない登場キャラ同士の因果関係などがあちこち散りばめられたりしてるのです。

短いカットの畳み掛けからわかるひとだけわかってと、
何度も何度もコマ送りにしてメモでも取らないとわかりづらいシーンの連続は、
動きや表情をじっくりと見て色々と察するものでもなく、
視聴者に対しての不親切寄りな部分が引っかかったりする。
それはシリアスにはやや不向きな演出なので登場人物への共感や感情移入が薄くて、
まるで檻の外から動物を眺めて楽しんでるかのような感覚に陥る。

シリアスは辛気臭いものとして故意にあっさりと流したのでしょうか、
勢いのある映像とともにハチャメチャを受け入れて反射で楽しむ、
バラエティ的なものがやはりこのアニメの本質なのでしょうね。

そういえばバラエティであるがゆえに声優が関西のお笑い芸人ばかりで、
坂田利夫師匠や島木譲二などのテレビで聞き覚えのある声が耳に残りますね。

主人公の西くんの声優がお笑い芸人の今田耕司で、イントネーションや声などがモロに今田ですので、
西くんが喋ってる間ずっと今田耕司の顔がちらついててアニメに集中できませんでしたな(笑)

基本的にこのアニメはお下劣なのですが、
そのお下劣な中に人間の本質や生の喜びを見いだせる人なら楽しめるかもです。

ただ、自分はピンク色のウ○チを手のひらの上に乗せて遊ぶ(比喩)ような作風とは相容れないので、
凄いアニメだと言えば凄いのかもと納得しつつも、あまりハマりきれない内容でしたね。


グダグタとつぶやいた挙げ句に結局は好みの問題になってしまいましたが、
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2020/10/24
閲覧 : 295
サンキュー:

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