「ログ・ホライズン(TVアニメ動画)」

総合得点
84.8
感想・評価
1964
棚に入れた
11932
ランキング
264
★★★★☆ 3.8 (1964)
物語
4.1
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

🏅世界をカッコよくするためのギルド

<大災害>により異世界化したMMORPG「エルダー・テイル」に囚われた
プレイヤーたちの奮闘等を描いた同名小説(未読)のアニメ化シリーズ1期目。

【物語 4.5点】
<冒険者>としてアキバの街で暮らすプレイヤーたちは脱出こそできないが、
HP全損しても復活するし、かつてのNPCに該当する<大地人>に対しても能力的に優位にある。

だが出口の見えない状況下で、彼らの多くが、毎日、漫然と味のしない料理をかじり、
高レベル者が低レベル者を搾取する陰険な街のムードを放置し、
死んでこそいないが、生きているとも言えない無様な醜態を曝し続けている。


この誠に格好悪いアキバの空気を好転させようと立ち上がった
主人公青年の<付与術師(エンチャンター)>シロエ。

元の現実世界でもゲームでも、周囲と本気で関わらず、
積極的に生きているとは言えなかった彼が、
この異世界で生き抜くと決意し、ギルド「記録の地平線(ログ・ホライズン)」を結成し、
“全力管制戦闘”と称される参謀能力を、
社会秩序構築に発揮し始めてからの、
政治・経済も含めた駆け引きは本当にシビれます。


ゲーム時代の諸設定が、異世界でどう位置付けられ、また変容しているのか。
適宜、設定を開示して詰めていくことで、世界観に引き込んでいく手腕もお見事。

特に、{netabare}ゲーム時代におけるプレイヤーのゲームオーバー→復活→ペナルティが、
異世界にて、再生する肉体と摩耗する記憶と精神に置き換えられた状況を
<魂魄理論>で論じられた時は、脳内で快楽物質がドバドバ分泌されました。{/netabare}


【作画 3.5点】
我々の現代文明が一度滅んだ上に開花したような剣と魔法の異世界。
背景美術が廃墟のビル群にファンタジーの構造物がへばり付く等の異様を描き演出。
描き込みも普段は平凡だが、
「僕たちがこの景色を見る この世界で最初の<冒険者>だ」のシーンなど、
ここぞという場面ではギアを上げて来る。


人物作画も安定度は凡庸。群衆処理等に使用されるCGも並。
戦闘シーンでも作画枚数や派手さで魅了するのではなく、
パラメーター数値変動などの説明にソースを割く。
敵からのヘイト値や、技のリキャスト・タイムまで把握した、
高度な管理、連携の奥深さを再現することで、
2010年代のゲーム・異世界物でも屈指の頭脳戦を伝え、
渋く興奮させて来る感じ。

この地味な1期の戦闘レクチャーの上に、
2期の本格的なレイド戦闘の醍醐味があるので、
“合宿”で連携の基礎を叩き込んで置きましょう。


【キャラ 4.5点】
「腹ぐろ眼鏡」の異名を誇る主人公シロエ。

<円卓会議>中枢を担う、大規模ギルドマスターで戦闘狂のクラスティ。

ギルド<三日月同盟>マスターの補佐をする(尻を叩く)秘書ポジションで、
趣味はアカツキちゃんの抱擁と着せ替えのヘンリエッタ。

以上の3メガネのレンズが煌めく時、この異世界に何かが起こるぜ祭りw


シロエらがリアルな政治的駆け引き等を繰り広げる割に、
ヒロイン陣はややチョロインなのでは?との初期の印象でしたが、
彼女たちについても終盤にかけてキャラやロマンスが掘り下げられます。
ただ、これも、本領発揮は2期以降か。


NPCだった<大地人>の人格表現も、社会性含めて上々。

意外と印象的だったのは、
{netabare}<天秤祭>にてガチで商取引にやって来た<大地人>が、
お祭り気分を残して店をやっているアキバの<冒険者>と齟齬を来すシーン。{/netabare}

死んでも次がある<冒険者>と死んだら終わりの<大地人>という死生観だけじゃない、
価値観の違いは多岐に亘り、両者の関係は今後も波乱含みです。


【声優 4.0点】
主人公シロエ役・寺島 拓篤さんの謀略畳み掛けボイス。
ヒロイン・アカツキ役・加藤 英美里さんの「主君」お慕いボイス。
など個性的な声が並んだキャスト陣。

だが、私は何と言っても、にゃん太役の中田 譲治さん。
ダンディー過ぎて、私もセララ役・久野 美咲さんの恋慕ボイスみたいに、
蕩けてしまいますにゃw

そしてラスト強襲して来る
{netabare}濡羽役の斎藤 千和さんの黒い“シロ様”偏愛ボイス{/netabare}
堪りませんw


【音楽 4.5点】
劇伴担当は高梨 康治氏。
交響(シンフォニック)ロックを軸にエレクトロ成分もアレンジし、元ゲームの異世界を好演出。

“「エルダー・テイル」のテーマ曲”がこの世界がゲームだった頃の
“ナツメロ”として懐古されるのもユニーク。


OP主題歌はMAN WITH A MISSION「database feat.TAKUMA(10-FEET)」
あまりにも格好良すぎて?1期だけでなく2期に至るまで全50話、OPを完全制圧♪

ED主題歌はYun*chiさんの「Your song*」
“守ってあげるわ~”や“愛おしくなるわ~”など
甘くて伸びやかな“わ~”が特徴的なラブソング。

いけないわ~。アカツキちゃん。これ以上デレたら、
アカツキちゃんが溶けて無くなってしまうわ~w



【付記】
大分前、深夜の再放送枠で18話辺りを見かけ、
この<冒険者>たちは何て格好良いんだ!と感銘を受けた私。
だって{netabare}何のクリアボーナスもないレイネシア姫の<大地人>救援要請演説に応える{/netabare}
自由民の心意気グッと来るじゃないですか。

続けて観ると彼らが格好良くなるまでには相当、紆余曲折があったらしく、
これは何時か是非最初からしっかり視聴せねば!と決意して以来、
怠惰なこの私は、長らく見そびれたままでしたがw
来冬の3期放送が決定されるに及び、観念して2期4クールマラソン敢行しました♪

いきさつを知った上で改めて件のシーンを再見した私。目頭が熱くなる物がありました。
3期も格好良い<冒険者>たちの活躍。期待しています♪

投稿 : 2020/11/02
閲覧 : 555
サンキュー:

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