「劇場版 はいからさんが通る 後編ー花の東京大ロマンー(アニメ映画)」

総合得点
66.8
感想・評価
48
棚に入れた
173
ランキング
2630
★★★★☆ 3.5 (48)
物語
3.3
作画
3.5
声優
3.8
音楽
3.5
キャラ
3.5

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ネタバレ

Fanatic さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

アニメ版はいからさん、38年の時を経て完結 (๑>◡╹๑)o-o∠※PAN!"。

前編で脚本と監督をされていた古橋一浩さんが、後編では脚本のみ。
監督は城所聖明さんに替わっています。
本作が初監督作品らしいですが、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」で助監督&演出を担当されていた方です。

後編は、1978年版で打ち切りになった続きが、大部分を占めます。
ただ、監督が交代したせい?かどうか分かりませんが、前編と比べるとかなり完成度が落ちる気がしました。

{netabare} 伊集院少尉の記憶喪失パート、ラリサを交えた三角関係パート、そして関東大震災パートと、今風の言い方をするとストレス展開が続くため、前編に比べると視聴にも少し疲労感を感じます。
前編は、現代のラブコメにも通じる展開だったため、エピソードの継ぎ接ぎでも十分に楽しめたのですが、後編はかなりシリアス寄りになるので、エピソードよりも心情描写に重きをおくべきだったと思います。

ところが、前半と同じ手法でエピソードの切り張りに終始しているため、青江編集長が紅緒の支えとなり、紅緒もそれに応えようと決意する過程や、彼が最終的に身を引く決断をするまでの葛藤などが、非常に淡白になっています。
この後編の描き方ですと、青江編集長は単なるかませ役であまりにも不憫ですし、一方紅緒はかなりずるい女に見えちゃいますよね……。{/netabare}

もう一つの問題点は、作画。
前編ではほとんど崩れもなかったと思いますが、後編ではちょくちょく崩れてます。
「少尉、太った?」と思うこともしばしば。
前編に比べると、全体的に線が少なく粗っぽい絵になった気がします。

少女漫画って、乱暴に言えば、設定上の細かい粗や物語上の矛盾点なんかがあっても、エモーショナルな絵で有無を言わさず打ち消しちゃうジャンルだと思うんです。
ところが本作の場合、尺の中に物語を収めることだけに拘泥して、少女漫画のビジュアルを見せることがおざなりになっていた印象を受けました。

1978年版が打ち切りになったことが原因で、その後、大和和紀さんは他作(「あさきゆめみし」等)も含めてアニメ化のオファーをずっと断り続けていたそうです。
そんないわくつきの作品をようやく映像化することができたのですから、集大成になるようなものを丹精込めて作ってほしかったです。
前編がかなり良かっただけに、後編の失速は残念でなりません。

とは言え、38年の時を経て完結の時を迎えたアニメ版。
映像で、紅緒たちの行く末を最後まで観られたことに関しては、感謝させて頂きたいと思います。

投稿 : 2020/11/25
閲覧 : 225
サンキュー:

4

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