shigi さんの感想・評価

4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

主人公は誰だったのか？

強烈で鮮烈なアッシュ、飛べなくなった英二、バナナフィッシュ。

誰が主人公なのか、という視点で見ると。。

アッシュが主人公なら、ハッピーエンドだろうと思う。
ラオに刺されてしまったが、守りたいと思える人物に出会って、愛することを知って、アッシュは最高の幸福の中、英二の愛に包まれたラストを迎えた。

英二が主人公なら、
飛行機で渡日して物語が終わることを見ても、普通に生きていたら絶対に経験できない経験をして、かけがえのない絆に出会えて、忘れるなんてできない人物に出会って、経験を飛び越え糧として生きていく、という希望を感じるラストであった。

バナナフィッシュが主人公（？）の場合、
アッシュのセリフも印象的だったが、「望んでいないのに”持つもの”として生まれてしまった」悲劇であるとか、「勝手に己を巡って争いだす大人たち」であるとか、「手に入れようと必死に殺し合う」だとか、ラストは炎の中に消えてしまうだとか、
わりとアッシュと被っていて、アッシュとバナナフィッシュは裏の対をなす存在だったのだなと思います。
（対をなすならバナナフィッシュだけが消えてアッシュは生き残っても良かったんじゃねーのとは思うけども）

原作よりもアニメ版の方が、アッシュがなぜ英二に惹かれたのか？を丁寧に描いていたそうで、確かに分かりやすい演出がされていました。


アッシュの悲劇的な人生とその終幕が、この作品をより悲劇的で人気作にしたことは間違いない、けど、


けどさ～～～～死ななくてよかったんじゃないのちょっと～～～～(´；ω；`)
なんだよも～～～殺さなくていいじゃんよ～～～～ハピエンじゃねぇのかよ～～
生きたまま幸せにしてあげてよ～～～～(´；ω；`)


↑そんなことがずっと頭に残り続ける作品でした。


アッシュが凄いからって頼りすぎじゃね？とか、ブランカなんだお前、とか、20話くらいのとき、誰かアッシュに上着かしてやれよとか、なんでラオ入れたのとか、
話しの中で細かいものは色々あるけど、

作品を思い出そうとすると、ラストがちらついて悲しいため息鹿出ない。

最高でした。
最高の作品でした。
でも悲しい。