愛しのレイラ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
雨を見たかい
何となく絵の雰囲気が良かったという単純な動機で
大した予備知識もなしに視聴を始めたのが悪かったのか・・
まず、設定上、「靴職人を目指している少年」という
かなり世離れした位置付けと序章での映像の美しさに
かなり幻惑されていまい、気が付けば話は世俗的な方向へ
気持ちとしては、かなり複雑な気持ちになりました。
緑の湖面、降り頻る雨、路面に写る影、雨音
第三者的な目線の通勤風景と部分的なカット
何の「迷い」もなく向かった先に庭園の休憩所に佇む女性が一人
何の「躊躇」もなく横に座り、普通に婦人靴のデッサンを始める少年
そして女性の足元を確認する様な視点に職人の目を感じイメージする
女性は、朝っぱらからビールを飲んでる。う~ん ちょっと初見では
この普通では有り得ない光景を見て愚かな勘違いをしました。
単純に、靴職人と依頼人が仕事上の細かな打ち合わせの為に集合し
尺的にも、小話を挟みながら、ちょっと不思議な良い話が始まるのだと
数秒後に消しゴムをを落とす場面で、普通の世界観に戻れました。
演出として、ピアノ旋律を背景に流れる時間を描く、時の圧縮感
斜光で透過する地面で跳ねる雨粒や新緑 雨の反射による素足
雨によるレフ板の効果を巧妙に最大限に描く技術は見事なものでした。
多感な年頃の少年と仕事の悩みを抱える女性のロマンスも悪くはない
ただ、美しい場面だけ切り取り構成した話に感動が見えるのか・・
悪くはないが、光と影を描くには尺が足りなかったのだろうか・・
短編の良さも悪さも、一興かな