「風の谷のナウシカ(アニメ映画)」

総合得点
90.6
感想・評価
1959
棚に入れた
12591
ランキング
51
★★★★★ 4.2 (1959)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

宮崎三部作(と勝手に命名)

<2020/12/25 初投稿>
日テレ金ローでやってたのでレビュー書いてみます。

原作は最終話まで読みました。
完結したの、映画公開のかなり後でしたが。

初公開は1984年ですか。
初日に友達と自転車飛ばして早朝から映画館に並んで観た記憶があります。
とにかくワクワクしたな。

この年は確か「超時空要塞マクロス 愛覚えていますか」も公開。
どちらも凄い映像美で、宮崎監督が制作時「マクロスに負けるな」とスタッフにハッパをかけていたとかなんとか。

凄いアニメ。
宮崎アニメの中では「天空の城ラピュタ」「ルパン三世 カリオストロの城」と並んで本作が好きです。
自分の中で勝手に「宮崎三部作」と命名してます 笑

舞台は、猛毒を吐き続ける巨大化した菌類による森「腐海」にそのほとんどを覆われ荒れ果てた中世のような、でも銃や飛行艇などはある不思議な世界。
「腐海」は着実に広がり、現在進行形で世界を蝕んでいきます。

そして腐海に住む「蟲」
その構造や生態は昆虫のそれですが、ただし極めて巨大。
並のサイズでも人を一口で食べられそう。
それが「王蟲(オウム)」と呼ばれる蟲の王的な存在になると地上10階建てぐらいのビルサイズ。
ビルのように巨大なダンゴムシ。
ちなみにこの王蟲先輩、怒ると眼が真っ赤(攻撃色)になります。
青は平静、灰色は目が回ってるのだとか。

そんな末期的な世界の端っこ。
谷に吹く風が腐海の毒から守ってくれる「風の谷」と呼ばれる集落のような小国から物語は始まります。

主人公ナウシカは風の谷のお姫様。
お姫様といっても嫋やかとか儚げというタイプではありません。
強く、凛々しく、優しく、芯が強く、慈愛と大きな母性に溢れた、神話に出てくる地母神のような少女です。
ハングライダーのようなメーヴェを操り、風を読み、自由に空を駆け巡るナウシカのその姿はまさに「風使い」。
宮崎ヒロインの完成形だと思います。

本作は、大国のエゴに翻弄されながらも、ナウシカがこの世界の真理に近づいていく様を、極めてハイレベルな映像と音楽、演出、演技で描いています。
ナウシカ以外のキャラもやたらカッコ良いユパ様始め、ミト爺たち城おじズ、クシャナ姐さんにクロトワさんと皆個性的で魅力的。

ちなみに巨神兵の"あの"シーンは後にエヴァを創る庵野秀明さんが一人で描きあげたという話は有名ですね。
エヴァそのものも巨神兵とよく似てるような気もしなくもない。
庵野秀明さんが作った実写ショートムービー「巨神兵東京に現る」ってのがあるんですが、これがまたエヴァっぽい。

ついでにもう一つ。
ナウシカって名前はギリシャ神話から来てます。
オデュッセイアに出てくる、ギリシャ神話には珍しい?健気なお姫様がナウシカです。

とまあ、なんか途中から脱線してしまいましたが。

本作は全てがハイレベルなまさに名作。
アニメ好きなら観なきゃ損です。

そして原作はまた一味も二味も違います。
アニメ映画は気持ちよくまとまっていますが。
しかし原作ではその先。
この世界の真実を全て描き切った、歯応えのある重厚なSF作品になっています。
興味のある方はぜひ原作もどうぞ。。

投稿 : 2020/12/25
閲覧 : 337
サンキュー:

33

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