「とらドラ!(TVアニメ動画)」

総合得点
90.9
感想・評価
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棚に入れた
53139
ランキング
44
ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

いいもの見せてもらいました 至極のラブストーリー

あにこれでの評価が高いので興味を持って視聴開始。

【作品概要】
 主人公高須竜児は親譲りの目つき悪さが災いし、
 本来は優しい常識人なのを、
 周囲にはヤンキーと誤解されていました。
 竜児ははソフト部の女子櫛枝実乃梨に片想いでした。
 高校2年の始業式の日、ちびっちゃいヤンキー逢坂大河と
 激突して、殴られるところから物語は始まります。

【作品に対する感想】
 他のラブストーリーのレビューでも書きましたが、
 すでにオッサンとなってしまったこの身で、
 10代のラブストーリーを視聴して何も感じないほど
 枯れていたらショックを受けそうという理由で
 なかなか視聴開始に至りませんでした。

 しかしいざ視聴してみると、
 予想を超えたいい作品に出会えたと大満足です。

 前半は王道学園ラブコメの様相、後半はガチのラブストーリー。
 最初の頃は個性的過ぎるキャラが物語から浮いた印象でしたが、
 徐々に深堀が進んでいくにつれて馴染んでいきます。
 
 節目までちゃんと描き切っているところが好印象です。

 多分1周では全部理解し切れてないと思うので、
 周回したいと思います。

1)物語
 キービジュアルを見れば誰と誰がくっつくのかは
 最初から分かってるんですけど、
 かなり複雑な人間関係(サブキャラ含む)で意外とこじれて
 見応えありました。

 ただ「善意のすれ違い」と「自己嫌悪リレー」が続くので、
 重いと捉える方もいるのではと思います。
 私は物語の厚みとして肯定的に感じましたけど。

 この作品、人と人はタイミングだったり、間だったり
 数式通りにはいかない何かが大事なんだなって感じさせられます。

 {netabare}
 駆け落ちのシーンでは、本当にあのまま駆け落ちして
 俺たたエンドで終わったら評価急降下だったんですけど、
 ちゃんと逃げずに向き合って筋を通そうとした物語で
 安心しました。 
 {/netabare} 

 ちょっと気になったのは女子同士でグーパンのガチバトルが
 ちょこちょこ発生し、流血青アザも遠慮なしだったところですね。
 あそこまでやらんでもという気持ちと、
 そこまでやるほど本気だという意思表示だったのかなという解釈と、
 男子もうちょいしっかりせえという
 半ば巻き込まれ的な非難とが混ざった
 不思議な気持ちになりました。

2)作画
 2008年の作品ということで、やや古さを感じますが、
 問題ない範疇だと思います。


3)声優
 釘宮理恵
  くぎゅうううううう。
  釘宮病なんて難病もありましたね。
  私にとって釘宮さんはアイマスの水瀬伊織です。
  声質は割とスイートボイスなのに
  どぎついキャラが多いのはなんでなんでしょうね?

5)キャラ
 作ったキャラのような振る舞いが多く、一見馬鹿でも心の底で
 何を考えているのか分からないところが好印象でした。

 ➀高須竜児(たかすりゅうじ)
  キャラ設定がエンジェル伝説の北野誠一郎と被った印象ですが、
  あそこまで極端ではなく割と常識人。
  決して自信過剰なタイプではないため、
  割と煮え切らない態度が目立ちますが、
  最後の決断でちゃんと立ち向かったところが好印象。

 ➁逢坂大河(あいさかたいが)
  道場で仁王立ちしてそうな名前ですね。
  ピーキーで切れやすいうえ、暴力的なので、
  とても魅力的とはいいがたいのですが、
  深く理解していくとじわじわ味が出てくる娘ですね
  しかし部屋(寝室)に当たり前のように竜児を入れて
  何とも思ってない時点でもう普通の関係ではないですよね。

 ➂櫛枝実乃梨(くしえだみのり)
  独特の感性と言動の無駄に体育会系女子。
  あれだけ部活とバイトに勤しんで一体いつ勉強しているんだ
  という苦労人。上っ面の言動の裏に何があるのか
  分かりにくい娘で別荘の辺りからどうも勘繰りっぱなしで
  好きになれなかったんですけど、
  マジ切れした最後の方で印象が良くなりました。
  あとやたらバイトしまくってる理由もね。

  この娘の言葉、分かりにくい比喩だらけで、
  逆に混乱させるといい勉強になりました。

 ➃北村祐作(きたむらゆうさく)
  ラノベサブキャラに多い「バカ」と「鈍感野郎」と一味違った
  人の内面を見分ける良キャラでした。序盤は。
  しかし後半に進むにつれ、突然意味不明な奇行に及んだりと
  評価が低下の一途をたどったキャラでした。
  大学の飲み会では脱ぎ魔が約束されていそうで、絶対一緒に
  飲みたくないタイプですね(笑。
  良い奴なんですけどね。

 ➄川嶋亜美(かわしまあみ)
  解りやすい腹黒キャラで、最初なんなんだと思いましたが、
  徐々に評価アップ。
  本来言う必要のない、厳しい指摘も愛あるものなんかなと
  感じました。見下していたその他大勢ではなく、
  対等な仲間に対して。
  手ぇ上げてはいかんですけど。

 最終的な女子キャラの好みは 亜実>美乃梨>大河でした。


6)印象深いシーン
{netabare}
 ➀北村祐作 会長への別れの告白
  「会長は本当に優しい人です。心からアナタが好きでした。
   好きになれて、恋をして、本当に良かった。
   ありがとうございました!!」
  これを最初からやっとればいろんな人を
  巻き込まずに済んだわけですが、
  ここまで清々しい敗北宣言は類稀なので印象深かったです。
  ただ、これがまた自分を鼓舞することにもなるわけで、
  人生って分かりませんね。

 ➁お前の失敗を俺に押し付けるな
  竜児の気持ちはわかるんですが、
  これ言われると親としてはキッツいね。
  成功だけで生きてきた親なんてまずいないし、
  大切な子だからこそ同じ轍を踏んでほしくないと願うのは
  当然のことだから、これも善意のすれ違いなんですよね。

 ➂さむいし もういちど
  初々しくも溢れ出す思いが乗っかったキス。
  3回ですよ!3回!👊ぎゅむ
  なんかもう、若い愛全開過ぎてお前ら幸せになれ!って
  感じでしたね。
  恍惚とした大河の表情に、唇の柔らかい感触まで
  伝わってきそうな神作画だったと思います。
  


{/netabare}
 

7)名言
{netabare}
 ➀泣き叫べば救ってもらえるって思ってる奴は、幸せだね
  (川嶋亜美)

  これほんとそう思います。
  北村が本当にそう思ってるかは分かりませんが。

 ➁分かってくれる人が一人でもいたら、
  きっと、大丈夫なんだよね。
  たとえそれが、恋じゃなくたって。(川嶋亜美)
  
  なんかこれ、10代の頃こんなこと考えてたなーって
  懐かしくなりました。
  
  なお亜実と竜児に関しては、亜実からすると
  今までのやり口で通じない本当の自分を評価してくれる
  相手で、興味を持つのは分かるんですよ。
  ただスペックというか住んでる世界が違い過ぎて、
  竜児は亜実の良き理解者ではあるんですが、
  並び立つには力量不足かなと思います。

 ➂ふっざけんな!
  あたしの幸せは、あたしがこの手でこの手だけで掴みとるんだ!
  あたしには何が幸せか、あたし以外のだれにも決めさせねぇ!
  だから大河!あんたのやり方も見せてよ!
  (櫛枝実乃梨)

  自分に嘘をついて逃げようとする大河に向けた
  強烈な決意の咆哮。
  堀江さんの演技も相まって、たとえ美乃梨が深い傷を
  負うことになっても「逃げるのは絶対許さない」という
  硬い意思を感じさせます。  

 ➃逃げてたら、誕生日が来たって、大人にはなれない(高須竜児)

  この考えに至った竜児だから、
  この作品は名作になれたのかなと。
  大河側の家族の説得は相当大変と思いますが、
  最終回の竜児ならばきっと何とか出来ると確信しています。

{/netabare}

8)ちょっと気になる点
{netabare}
 6)➁の件、竜児も冷静になった後でいいので、
 母親に一言あってもよかったのかなと。
 
{/netabare}

投稿 : 2023/05/17
閲覧 : 405
サンキュー:

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