みゃあ さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

大変面白い超能力バトル、京介の物語に感情移入

THE UNLIMITED 兵部京介

原作　椎名高志　「絶対可憐チルドレン」

いわゆるスピンオフ作品となります。

で、原作未読のままこのアニメを観たんですが、滅茶苦茶面白かったです。
兵部京介の格好良さは半端ない。
原作を知らなくても大丈夫、兵部京介とその仲間にフォーカスしているので、この作品に関しては絶チルの知識はマストじゃない。とはいえ作品中で絡みがあるので、チルドレンと皆本及び彼らが所属するB.A.B.E.L.との関係性だけは押さえていた方が良いかも。


色んな超能力者が現れて様々な活躍をしている中、超能力者の開放を目指すP.A.N.D.R.Aのリーダー兵部京介の思いや行動が描かれていき・・・。


よくある構図です、アベンジャーズと被りますね。兵部京介はアベンジャーズと敵対する方なんですが、観ていくともうね、京介に肩入れしたくなるんですよ。という風に物語は進みます。

京介がなぜその立ち位置に至ったのか、チルドレンがいるB.A.B.E.L.と敵対しながらクィーンの元に超能力者が集い人類と戦うという予言は？もう気になることのオンパレード。すっごい面白い。

京介は学生服を着、その能力は登場人物の誰をもしのぎます。チルドレンが3人がかりであっても簡単に対応しきれない。彼が力を使う時学生服についている制限装置を解除しなくてはならない。そして彼の額には何かの傷跡があるのです。
そこには隠された大きな大きな秘密があったのでした。



1クール13話ですが、出だしから惹きつけられついつい最後まで観てしまった作品です。音楽が中川幸太郎さんで、かなり大仰な曲でいかにも普通じゃない雰囲気を作り出しています。

OPのロック調の曲は英語版と日本語版があり、バックは毎話エフェクトを替えてくるという凝りようでした。そして、英語版より日本語版の方が格好良いという。


僕のヒーローアカデミアとTHE UNLIMITED 兵部京介
どちらも超能力もので超能力者同士のバトルがあるものですが、京介の場合、超能力者の安住を求めることに対しては己の私欲のために動いてはいません。というか自らの目標の為にP.A.N.D.R.Aとして経済活動も行っています。まあ、非合法も含まれるんで手放しでは褒められませんが。
ただ、一点、それを求めることになったことに関しては強い個人的な感情によります。それは作品の後半に分かってきます。善悪の二元論で語るのではなく超能力者も人であることを描いているので、つい京介に感情移入してしまうのです。
これも後を引くアニメで、観るのを止められなくなりました。


余談ですが、このアニメの制作会社マングローブはこの放映の数年後に破産となってしまいました。

（放送当時に視聴済み）