「映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-(アニメ映画)」

総合得点
79.4
感想・評価
363
棚に入れた
2243
ランキング
494
★★★★☆ 4.0 (363)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

🏅傑作シリーズ堂々の完結編

傑作シリーズの締めに相応しい劇場版。
ファンムービーとしても楽しい。

1期完走してこれ以上は蛇足だろうと思いきや2期も傑作。映画はもう流石にファンサービス程度だろうと思いきや…京アニさんすいませんでした。まさに完結編といった劇場版でございました。

未だに中二病を続ける六花を見かね海外移住の強行を企む十花。仲間たちにそそのかされ勇太と六花は交渉材料として駆け落ちを決行。弱みを握られ十花の手先となった凸守と森夏が追跡する中、くみん先輩や七宮も巻き込み全国を飛び回るドタバタ逃走劇の開幕。


十花の策士っぷりが半端ない。自分自身の新生活が始まろうというのに強制連行などしたくもないはず。ここまでやらんとこいつらは動かんと強引に介入。どうにか着地点を見つけてくれるだろうとの期待と信頼から自身での対応はせず、弱みを握るという言い訳を与えて自分達で解決させようとする見事な手腕。六花たちはそれに期待以上に応える成長を見せたことで、心置きなく十花を送り出すことができた。


「爆ぜろリアル!弾けろシナプス!バニッシュメントディスワールド!」

現実逃避のごまかしでしかなかった六花の呪文は、敵対しての相互詠唱であればバトルへと発展。今作終盤では同方向での共同詠唱で勇太と六花は同じ世界を共有する。ただこれは価値観の共有が条件だと思われる。一方的に不可視境界線を見せてもらった1期とは違い、六花自身もまた勇太に見せたい世界が出来たということ。バトル時と文言は全く同じ。なのに2人で創った世界はこんなにも美しい。

「連関天則」

2期では自身の連関天則をブラッシュアップさせた七宮。今作も見せ場はあるものの、やっぱりつらい立ち回りに終始する。今回のドタバタ逃走劇の間で勇太・六花・凸守・森夏・くみん先輩・七宮たち(一色)へと巡り巡った想いは十花にも伝播し、そしてそれは六花へと贈られ終幕。


完結編として完璧なデキではないでしょうか。オールスターのドタバタ多めなバランスでありながら、これまでのテーマにしっかりと決着をつける今作。自身のトラウマ克服から始まったこの成長譚は家族からの自立までもしっかり描いてくれました。それでいてきちんとタイトル通りの内容でもあったという。この劇場版をもってシリーズ完結、見事な劇場版でございました。





「爆ぜろリアル!弾けろシナプス!バニッシュメントディスワールド!」

この呪文は見て見ぬふりをする現実逃避にも使えるし、また他人へ気付きを与える手段にも成り得る。ただ自分のモノの見方でどのようにも見えるし、自身の経験から自動的に歪んだフィルターを通して見ているのかもしれない。年を重ねてしまえば詠唱せずとも自動発動するパッシブスキルになってしまい、それぞれ勝手な色眼鏡で物事を見てしまいがちになる。もしかして今の自分が見ているものが本当に正しい形で見えているか?偏見に囚われてないか?そんなときには自覚的にまたこの呪文を唱えてみれば見えてないモノが見えてくるかもしれない。





え?恥ずかしい?

ではこれを。中二病患者必修の偉人の名言。


There are no facts, only interpretations.
Friedrich Nietzsche

訳{netabare}
事実などない、あるのは解釈のみ。
フリードリヒ・ニーチェ
{/netabare}

投稿 : 2021/01/04
閲覧 : 292

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