「ジョゼと虎と魚たち(アニメ映画)」

総合得点
78.2
感想・評価
158
棚に入れた
622
ランキング
529
★★★★☆ 4.0 (158)
物語
4.1
作画
4.3
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.0

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ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

夢を諦めないで

海を添えた物語です。
恒夫には夢があります。
夢のために勉強を頑張り海外留学を目標に頑張っています。
そして彼は目標にしていた留学できる事になります。

ヒロインのジョゼは凄く我儘な女の子で助けてくれた恒夫を変態扱いしてお礼1つ言わない。
最初は私は、あぁ…このヒロイン合わないわ…って思いました…
ずっと捻くれていて当たりがキツくて、ジョゼのお世話を頼まれ始めたバイトの恒夫を無駄に正座させたり、畳の目を数えさせたり、嫌がらせばかり!
本当に何様?って感じ…

でも、物語が進むたび理由がわかりました。
彼女はお婆ちゃんと2人暮らし。
お婆ちゃんは外の世界は危ないからと彼女を外の世界に出してくれません。

何が危ないの?交通事故でしょうか?事件でしょうか?……いぇ違います。
{netabare} 人の心です…海に行くシーンの駅の改札で切符を買おうとして男性が車椅子に乗る彼女が邪魔なのか舌打ちをするシーン…車椅子とぶつかっても謝らないシーン…ジョゼとの出会いのシーンもお婆ちゃんの話によると、坂道で何者かに車椅子を押されたとの事。

もし、事故なら誤って押してしまえば押した人物も来るはずです。
それでも、坂を下ってきたのはお婆ちゃんだけでした。
つまり、シャレにならない悪意あるイタズラをした人物がいるわけです。{/netabare}

実は、私も人の冷たさは経験した事があります。
勿論、優しい方も暖かい方も居ることを知っていますが、実際そんな人ばかりではないのです。

子供の頃…小学生に上がりたてくらいの私は歩道で右足首を捻ってしまい激痛で立つ事が出来ませんでした。
痛くて上半身を立たせるだけで精一杯…激痛のあまり私は泣く事しか出来ず恥ずかしくもボロボロ泣きながら20分くらい歩道の真ん中で泣き続けました。
道行く人は、そんな私を見ながら私を避けていきます。

立ち止まる人がいても声を掛けて貰えず手を差し伸べてくれる人さえ居ませんでした。
この時は本当に人が冷たく感じました。
今は沢山の方に助け支えられて生きて来たで、暖かい人がいる事が判りますが、ジョゼもそんな気持ちだったんじゃないかな?

こんな世界しか知らなければ我儘になっちゃうかもしれません。
それを考えるとお婆ちゃんも心配で外には出せなくて…でも、そんな生活はジョゼには窮屈でしかなくて…

そんな中、恒夫はジョゼが海が好きなことを知り海を始め沢山の場所へ連れ出してくれます。

{netabare} 彼女は駅の人混みに驚き、飛行機と聞くとテンションが上がり、海の味に感激して、初めてクレープの美味しさを知る。
私達にすれば当たり前の世界にジョゼは感激する。 {/netabare}
それだけ彼女は狭い場所で生きて来たのかもしれません。

そんなある日…

{netabare} お婆さんがお亡くなりになります。
寂しさに打ちのめされるジョゼ…このあたりから彼女は趣味の絵描きを仕事にしたいと夢を持ち始めます。

そんな時に嫌味なオッサンが訪ねて来ます。
近所から心配の通報があったとか生意気なオッサンでジョゼの夢を馬鹿にします。
現実を見ろとか言うけど、ジョゼの夢の理由も絵も見た事がないオッサンが偉そうに!
自分の考える狭い世界の現実で他人の夢を否定するなよ!って私は内心ムカムカしてました!
しかも、最後に余計な事を言いやがって!

さて、お婆さんが亡くなられたので金銭的に余裕がなくて、ジョゼは恒夫のお世話のバイトを雇えなくなってしまうのです。
そして、自分の書いた絵も全て処分してしまい現実に打ちのめされてしまう。{/netabare}

そんな中、ジョゼは恒夫の最後の仕事として海に一緒に行くのですが……
{netabare} 恒夫が隠していた留学の件がバレてしまい打ち解け出していた2人の間に亀裂が入り、先に帰ろうとしたジョゼの車椅子がアスファルトの穴に車輪がハマり込んでしまい、それに気づいた恒夫は助けようとして事故にあってしまう。

この事故で怪我をした彼は留学を取り消されてしまう。
留学を取り消されるだけならいいけど…彼の趣味であるダイビングすら出来なくなる…彼の夢はダイビングが必須で、出来ないと夢すら叶わない…治るかもしれないけど、治らないかもしれない…そんな現実を目にして彼は夢を諦めてしまう。
ジョゼも事故でショックを受けていて塞ぎ込んでしまう。{/netabare}

この作品で私が一番好きになったのは、バイト先の後輩の舞
彼女は恒夫が好きでずっと見てきた。
{netabare} 彼女は恒夫の弱音を全て受け入れて告白してくれるけど、舞はその答えも恒夫の気持ちも既に解っていて。
彼女の力では立ち直らせる事が出来ないのを知ってる。

だから、彼女は自分に出来る事を考える。
それは「最低の女」を演じる事。
最低な女になりジョゼを煽る。
全力で嫌な女を演じる。

だって、彼を救えるのはジョゼしか居ないから…舞は、気持ちを伝えても自分には救い出す事すら出来ないのに、それが出来る唯一のジョゼが塞ぎ込んでいるのだから…ジョゼは彼女の言葉で立ち上がる。{/netabare}

舞は自分を「良い女だから」って言うけど本当にその通り!
彼女の気持ちの強さや勇気が凄く伝わる。
本当に恒夫が好きだから選べた選択肢だと思います。
世の中、これはチャンスだと考える人もいると思う。
それも間違いじゃないって思う。

でも……
{netabare} 彼女の様に好きな人の気持ちや夢を応援しようと行動に移せるのは本当に好きだから出来る事だし凄く感心する^ ^ {/netabare}
本当に良い女ですよ。

そして、同じバイトの同僚の隼人
こいつはチャラチャラしてて女の子ばかり追いかけてる奴なんですが、周りをしっかり見ていて、いつだって恒夫の味方であり、周りの頑張りに一早く気づいてサポートしてくれる本当に良い奴なんです。
恒夫とジョゼは本当に周りに恵まれてると感じます^ ^

話を戻して。
{netabare} ジョゼは自分の夢である絵本作家として出来る事を考え準備する。
恒夫はジョゼの翼としてジョゼを外の世界へ連れ出してくれました…
でも、その足と言う翼は動かなくて…リハビリすら踏み出す勇気がなくて…
でも、今なんだ!ジョゼが恒夫に翼を与えるために恩返しできるのは…

彼女は絵本作家として恒夫に自分の気持ちと思い出と恐怖を交えた物語を書き上げます。
その話は彼を奮い立たせ、もぅ一度夢を取り戻すためにリハビリを決意する。
結果は完治して、夢を追いかける事が出来るようになる。
これが彼女の唯一与えられる翼…心の翼{/netabare}

{netabare} 退院の日にジョゼが姿を隠してしまう…彼女を探して街中を駆け巡る恒夫{/netabare}

{netabare} そんな中、ジョゼは車椅子が滑ってしまい坂道を下ってしまう…大事故の寸前で救い出してくれた恒夫 {/netabare}

「あぁ!また足が!」って私は心で叫んじゃったけど2人は怪我なくて安心しました。
{netabare} そして、2人は気持ちを確かめ合い恋人になる。
そして、EDですが止め絵が多かったですねw
是非、動いて見たいシーンもありましたがそれでもしっかりEDに後日談をいれてくれてよかったです^ ^ {/netabare}

この作品は夢が題材となってるみたいです。

物語で起きる展開は結構リアルに感じられました。
1つ例えを出すと、夢の為に頑張っていたのにこんな形で夢を諦めかけてしまいそうになる恒夫。
この辺りは本当にありそうだと思いました。

でも、そんな絶望の中でも夢を支えてくれる人達が周りに居て自分のことの様に応援して支えてくれる人達がいる。
そこに希望がある気がしました。

夢って時に応援して貰えなかったり否定されたり、自分では、どうしようもない壁を超えられずに立ち止まってしまう人もいると思う。
そんな救いの無い現実でも、きっと周りの人に助けてくれる人もいるよ。って事なのかな?って考えてみたり^ ^

恒夫には夢が有って、だからジョゼの夢も応援したくて、恒夫は夢を失いかけて、それをジョゼの夢が救う。
素敵な連鎖です。

投稿 : 2022/07/29
閲覧 : 315
サンキュー:

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