「ワンダーエッグ・プライオリティ(TVアニメ動画)」

総合得点
68.1
感想・評価
65
棚に入れた
379
ランキング
1642
★★★★☆ 3.6 (65)
物語
3.4
作画
3.9
声優
3.4
音楽
3.5
キャラ
3.5
ネタバレ

VECCI さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:今観てる

第6回パンチドランク・デー

流石ビッグネーム参加作品、品質半端ない。
正直叩くつもりで観た。やられた。面白い。

胸糞悪趣味ビックリドラマで名を馳せた野島伸司の原案脚本なのでもの凄いビックリアニメが観れるだろうとアニメファンからの期待も熱いのではないでしょうか。リアタイ勢からすると今更感はありますが、実写ドラマはキャストばかり注目されがちでネームド脚本家って希少ですからね。作画技術は発達したものの脚本とのバランスがおかしい作品が目立って来たので一時代を築いた作家の手腕に期待は高まるでしょう。劇判のミト(クラムボン)さんもいい仕事してます。クラムボンも昔出てきた時は衝撃だったなあ。懐かしい。


第1回 子供の領分
{netabare} 「欲しいものなんか無い」と嘯く引きこもりのアイはひょんなことからワンダーエッグを手に入れる。出てきたのは「くるみ」と言う名の少女。不思議な世界で二人して「ミテミヌフリ」に襲われたと思えば標的はくるみだけだった。襲われるくるみを見捨てるようにやり過ごしたアイが見つけたものは、過去唯一の親友であり自ら命を絶った「こいと」の変わり果てた姿。いじめられてた自分と関わった為、苦しみを背負わせたあげく見殺しにしてしまった過去を思い出す。この異世界の中では不死身のアイ。目の前には窮地に追い込まれたくるみ。アイは走り出す。
「もう見て見ぬふりはしない」

スゴイ。謎しかないのにしっかり面白い。様々な意味不明な謎を散りばめておいて、それらを全くと言っていいほど説明しないのにも関わらず、目の前の出来事はきちんと解決させカタルシスはしっかり提供。流れの中で自然に主人公の目的と役割とルールを提示して物語の構造のみ理解させるようにしながらも謎の一切はしっかりキープしたまま次週へ、というあまりにも完璧すぎる第1話。謎をブチまけるばかりと思いきや話の筋はしっかりと基本に忠実な組み立て。すげえ。マジすげえ。昔売れた大御所なんて持ち出してきやがってどうせ…とか思ってました。ごめんなさい。ドラマとアニメでは勝手が違うかもですが最後まで突き抜けて欲しい。マジで。137{/netabare}

第2回友達の条件
{netabare}異世界行ってゲストモンスターやっつける隙間に登場キャラとの関係を差し込むって構造だけなら異世界ピクニックと似てますね。あっちは既にヤバそうな雰囲気ですが。トラウマ具現化モンスターと戦うってのもプロは観慣れてるでしょう。一般向けなのかな。劇中殆どアイとゲストキャラで進むのですが、単発キャラばかりに毎週時間割いてアイやねいる等他キャラに時間使わないと深堀ガーが湧きそうですけど大丈夫ですかね。大御所作品なら説明不足でも「難解な作品であるキリッ」してくれるからいいかもですが。作画も凄いのですが少しドヤ臭を感じましたし、先生さようならもちょっと唐突に感じました。正直ちょっと不安です。「ククク…。貴様のようなニワカには天才野島伸司の神脚本は理解出来まい」みたいなプロご用達イキリウェポンにならない事を願います。これが成功すれば今後脚本家と資本の流入が見込めると思いますので。220{/netabare}

第3回裸のナイフ
{netabare}あーこれは多分評価が割れるやつかな。エロゲアニメを見慣れたプロには物足りない可能性もあるかも。上手く纏まってるけど新鮮さはないみたいな。実写ではショッキングな演出でもアニメにするとマイルドになるからな。実写ドラマの文法でやると説明不足ガー深堀ガー感情移入ガーは不可避なんだけど、今んとこコメディもご都合もちゃんとあってしっかり深夜アニメっぽいのは凄いと思う。この手の作風なら全ての謎を説明する必要はないと思うけど、考察しがいのある難解な作品であるキリッか説明不足ガーのどちらに転ぶかは原作者をどう捉えるかに依るので年齢層で分かれるのかな。今後はメインキャラ同時出撃で絡みも増えてエッグキャラは添え物になりそう。このスライドめちゃくちゃ巧いなあ。くそう。個人的には野島嫌いだったけどアニメになると下品さが中和されて良いところが引き立ってるのでいい感じ。でもビックリアニメを目指して無理はせず、やりたいことだけキレイに纏めていくのではと思う。268{/netabare}

第4回カラフル・ガールズ
{netabare} ここで新キャラ登場で4人が合流と順当な流れ。しっかしまあ野島センセは相変わらず下世話なネタが大好きですね。メインキャラが闇を抱えてるのは当然としてエッグキャラも自殺するに相応しい原因が必要。ゲストキャラなので毎回手を変え品を変えのショッキングなネタが使い放題。だって必要なんだもん!みたく、もうこれ書くのウキウキだったでしょうね。でもこれだけPOPな画面だと際どさも薄まるし、しかもアニメファンは鬱ネタ大好き。もっと早く参入してればまどマギクラスの存在感は出せたでしょうに勿体ないなあ。しかしOPから構図から小道具の使い方からなにからなにまで映像のセンスが凄まじい。この監督のおかげで野島センセのドヤァァァ感が薄まって楽しく観れる。違っていたら本格派気取りの重厚な作品であるキリッで暗い画面にされてたかも。お金あるからって■■■みたく大作名作気取りじゃないところもいい。最後の匂わせも相変わらず悪趣味だなあとは思うけど今後胸糞アニメを見慣れたプロをビックリさせられるのかはちょっと疑問。OPからさらばせんせいだもんな。過去の焼き直しでないことを祈る。この監督はもう名前売れたでしょうから、次は爽やかでベタな作品を作って欲しい。372 {/netabare}

第5回笛を吹く少女
{netabare}ポップな画面でド迫力なバトルシーンに釘付け。すっげえ。このメンヘラ感をポップに飾る雰囲気は今のボカロ曲みたい。ちゃんと世相を研究してんなって感じ。展開は魔法少女の枠組みなんだけど専門用語をほぼ使わず、ガイド役はおっさん2人にして既視感も上手く隠してる。時間の経過も緩急激しく省略の技法は漫画のテクニックの様。主題以外はすっぱり切り落としてはいるが、深堀ガー説明不足ガーを煙に巻くサクサクハイスピード展開で引きずっておいて、日常パートでスローダウン。キャッキャウフフを見せつつ相関の整理をしながらも、しっかりと理由付けまで済ませてしまう。巧いよなあ。誤魔化しといえば誤魔化しなんだけどやっぱ実写ドラマの脚本家はレベルが違うということなのか。粗を探したくとも感心しかしねえ。「命賭けて戦わなくていいんじゃん」ってところを潰しにかかるタイミングもいい。でも異世界ピクニックよりはマシだけどあまり危機感を感じないのがなあ。死にそうになった場面も無いしバトル中も身体能力向上し過ぎで爽快感はあれど命を落としそうな緊迫感や臨場感は無い。バトル作品じゃねえよって言われたらそれまでか。これまで先生が怪しかったが今回お母さんをやたら持ち上げるのでお母さんまで怪しくみえる。とみせかけて実はアイ本人が一番ヤバかった!みたいな(笑)。そうはならんか。大人が悪い!しかやってきてないからな。エロゲアニメならともかく今の時代に大人が悪い!って話はウケるのか?493


─余談─
{netabare}
「戦わないという選択肢がある中で戦うことを選択する」

今回戦う理由を再定義したわけだけど、結局人の死が絡んでいる以上戦わないという選択肢は無いも同然だと個人的には思う。結局選ばされてるのと同じ。見せ方としては非常に巧いんですけど卑怯とも言える。ここは2019年作のグランベルムもやってたけど、あっちの方が遥かに誠実な話だと思う。「他人からどう捉えられようとも自分の意思を尊重する」ってのが思春期における自我の発達。「おまえ何も無えじゃん」って非難を覆す必要があるのに比べ、こっちは「人死んでるし」で順当に解決してしまう。戦闘の結果死人が出る話と違って、こっちは死人から始まる話なので比べるなと言われればそれまでなんですが。叩かれない手法を凄く研究されてて凄いなあと感心はするのですけど。俺ガイル葉山の「それしか選びようが無かったものを選んでも自分が選んだとは言えない」を思い出しました。あーここまで書いて気が付いた。この子達ってまだ中学生か。グランベルムや俺ガイルは高校生だもんな。まだこの辺がわかってなくて自分で決めたつもりになってるってやつですか。なるほど、じゃあこれでいいのか。流されてしまうお年頃ってやつですね。考えながら書くと整理がついていいですな。{/netabare}{/netabare}

第6回パンチドランク・デー
ミテミヌフリから生まれる卑屈なアンチはアイ達を狙う。凶悪なアンチに対し逃げるしか術のない中、お助けアイテムを授かるアイたち。そんな中、母親から先生と付き合うとカミングアウト。アイはエッグキャラから受け継いだ数珠を手に学校へ。先生へ学校へ行くと宣言する。

パンチドランクってそういうことか。剃刀などの引用もキャラに沿っててドヤ感を感じさせないのほんと巧いし、視聴者の考察という名の妄想をこれでもかと潰しにかかる手口も面白い。キャラデザも媚びまくってるくせに海外勢への嗜好も考慮しつつ、超絶作画のおかげで格調高くさえ見える。メタファーの嵐な割には奇抜な絵でいちいち思考停止させずに素通りでも楽しめるエンタメ性の高さ。最後のビックリな引きのモヤモヤさせて興味を引く手法は現代のアニメ界でも主流。アニメ界というかエロゲ勢。しかし閉じたアニメ業界と違って様々なスポンサーに忖度する必要のある実写勢ならではの鍛えられてる感が凄い。唐突に意味不明な差し込みをする演出なんて全く無い。劣化セルフコピーか焼き畑農業しか能の無い連中は見習って欲しい。初アニメなのにアニメ的なデフォルメもしっかり効かせてきちんとエンタメしてる適応度の高さはくぐってきた場数が違うということか。ショッキングな要素でフックさせるのは同じに見えても意外と誠実な本筋に落ち着かせる作家性からグチャグチャな鬱アニメを期待すると肩透かしになるのかも。きちんとキメ台詞も用意してるし、最後までエンタメ作品して欲しい。アニメ脚本として見れば褒めるとこしかない。むかつく。アイのひきこもり解消しないうちのカミングアウトは親視点で観れば流石にご都合展開だけど。

投稿 : 2021/02/17
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サンキュー:

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