「四月は君の嘘(TVアニメ動画)」

総合得点
91.6
感想・評価
5043
棚に入れた
20041
ランキング
29
★★★★★ 4.3 (5043)
物語
4.3
作画
4.3
声優
4.2
音楽
4.4
キャラ
4.2

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ネタバレ

みどりーぬ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

春のあとには椿が必要なんだよ

正直、感動系はこれ以外ないと思います。
こんな緻密な作りはなかなかできないです。
あ、タイトルはYoutubeのコメ欄からお借りしました!
まず、最初のシーンからむちゃくちゃ綺麗なんですよね。
風景、雰囲気、人。主人公だけが暗い感じで。
そこからの文化センターへ駆け出すシーン。あそこで暗い空気から春の輝きへと主人公は境界線を越えるわけです。
彼は友人A、しかし恋をしてしまった。しかもその人には自分のトラウマである音楽が付きまとうわけで。彼女に恋すればするほど音楽とも向き合わなければいけない彼の葛藤が前半では上手いこと表現されていました。
また、そこでも別のドラマが。椿は主人公のピアノが聴きたいが、そうすればするほど、かをりにのめり込んでしまう。自分が好きな主人公が奪われていく悲しみとピアノを聴ける嬉しさの葛藤がここにもあるわけです。その中で先輩と付き合ったり、気を逸らそうとする様子も思春期らしくいいものです。けれどやはりそう簡単にはいかないわけで。
そこからは後半戦、主人公は大好きな彼女の病を知るわけです。今までは彼女と音楽がセットであり、彼女がいたから音楽に向き合えたわけで、そこから一人になる恐怖、悪化する病への恐怖、友人Aという立場からの彼女へのアプローチに苦しむわけです。
そこで重要なファクターとなるのが渡です。渡というキャラは本当に全体を整えてくれるキャラで、女たらしという要素がどれだけ喉越しよくしてくれているか。しかも、諦観の上にあるコメントはどれも素晴らしいものです。そんな彼ですら女の子に振り回されるわけですから、恋は盲目とはよく言ったものです。
そんな友人のアドバイスに支えられながら、自分と音楽と向き合い、主人公は「自分なりの答え」を探すわけです。
ここが重要なんです。あくまでも主人公なりの答え。私たちは見守るしかないのです。感情移入をする隙なんてありません。というかこんな複雑な要素が乱立する中で、答えが必ず全会一致で出ることなんてありません。これは彼の物語であり、演奏を終えた彼が出した答えを私たちは受け入れるしかないのです。彼が親の愛情を感じたならそれはそれでいいのです。それを無駄に同情しようとし、そこに自分の納得する答えが無いからと騒ぐのは無粋だと私は主張したい。
一般的な倫理観では到底追いつかない葛藤がそこにはあるのです。私達が追えるのは主人公の「恋心」くらいでしょう。
この葛藤の中の作画はとてもつもなく暗く、悲しい物です。
そして最終話、これまでは彼女の隣の「音楽」に向き合っていましたが、ここからは彼女自身にフォーカスが行くわけです。
よく物語を理解していなくても、泣けてしまうのはこの恋心の結末へのシフトが最終話になって起こるからです。
そこで手紙のシーン。ここでも普通なら利用された渡に憐れみを感じる所ですが、不思議とそのようなドロドロした気持ちにはならない。
なぜか、それは渡の設定とどこかで全てをわかっていたような描かれ方によるものです。本当にいいキャラしてます笑
そして最後の踏切でのシーン。そこの作画では不思議と前半の明るさや後半の暗さでもない、どちらでもない不思議な色合いだと思うのです。(勘違いなら申し訳ない)
その色合いが主人公の決意、これからを表していると私は考えます。
そして主人公の「君のいない春が来る」
これでノックアウト。ひたすら泣く。
といった感じが私なりの解釈ですが、いかがですか?
解釈が難しい!至らない点もありますがご容赦を。
なんにせよ、こんな作品を描けたのは本当に素晴らしい。
正直一期のEDがあまり好きではなく、飛ばしていたのですが、最終話になって効いてくるとは…。
wacciさんも有名になっているようでなによりです。
最後になりますが、こんな恋してみてぇーーーー! 以上。

投稿 : 2021/02/01
閲覧 : 337
サンキュー:

8

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