「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(アニメ映画)」

総合得点
84.1
感想・評価
429
棚に入れた
1962
ランキング
293
★★★★★ 4.2 (429)
物語
4.0
作画
4.4
声優
4.3
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

平成の怪物の最後

日本アニメに最も影響を与えた作品は何か?機動戦士ガンダム?涼宮ハルヒの憂鬱?ターニングポイントは何度かあった事は間違いない。

だが、現在の深夜アニメの発展に最も貢献した作品は間違いなく「新世紀エヴァンゲリオン」だろう。夕方に放送されていた本作だが、再放送された事で知名度は一気に上がったと聴く。私の産まれる前の作品なので、当時の事は詳しくないが、エヴァンゲリオン以降深夜アニメは増えた。

だが、エヴァンゲリオンという作品は人気と同時に万人受けする作品では決してなかった。旧劇と呼ばれる「TVアニメ版」・「Air/まごころを君に」は見ている物を置いてけぼりにする演出がラストの方に多くあり、これがハマらない人もいればこれが好きという人もいる。9年前になるが、新劇と呼ばれる序・破・Qの中で、3作目にあたるQでエヴァンゲリオンは再び我々を置いてけぼりにしていった。

あれから9年エヴァンゲリオンが本当に終わるのか?何が起こるのか?ファンは長い時を考察などしながら、その時を待っていた。私はエヴァンゲリオンを見たのは1年前なので、エヴァ世代の方に比べると思い入れは欠けるかもしれない。それでも、エヴァンゲリオンをTV版からQまで1度見たならば「置いてけぼりになりながらも最後まで見たくなる感覚」というものが注入されるのだ。私も心待ちにしていた。

映画の延期・新型コロナウィルスの影響でQから9年という月日が経った3月8日。エヴァンゲリオンは本当に完結した。これほどのコンテンツが完結するという歴史的瞬間に立ち会えた事がまず嬉しかったし、悲しかった。

一言で言えば「最高だった」

やはりエヴァンゲリオンの最後はまた置いてけぼりにするのだとばかり思っていた。だが、終わって見れば意外にも「シン・エヴァンゲリオン」は大団円と言っても過言ではない終劇を迎えた。

シリーズを一通り見たものならば、グッとくる演出がいくつもあった。だが、私が1番嬉しかったのは登場キャラクター全てに活躍の場があった事だ。特に碇ゲンドウの深掘りは想像以上に行われている。活躍の大きさに差はあるかもしれないが、出ているキャラクター全員が印象に残るというのはやはり嬉しい。

その中でもやはり主要キャラクターの活躍は、今までのエヴァンゲリオンの中でも1番素晴らしいものだった。碇シンジはちゃんと主人公だった。綾波は人間の感情や知識に触れ、人間らしさがより際立った。アスカも孤独では無くなったのだろう。明確な事は分からないが、恐らくはそういう事だという気持ちにはなれた。

そんな中でも、個人的に印象に残るキャラクターは葛城ミサトと碇ゲンドウなどの大人たちだ。

葛城ミサトはTV版から、人間のダメな所と共感できる所が混じり合う人間だった。新劇の破のシンジへのセリフはは鮮明に脳に刻まれている。だが、結果的にミサトはシンジに背負わせてしまった。そんなミサトが個人的には1番好きなキャラクターなだけに、シン・エヴァンゲリオンのミサトの活躍は色んな事を考えてしまうものだ。

先程も言ったが今作の終盤の主役といっても過言ではないキャラクターは碇ゲンドウだった。何故ゲンドウは人類補完計画を遂行しようとしたのか?という事が描かれた。ただ、これは旧劇で分かっていたことではある。それとは別にゲンドウとシンジの対話が終盤の見所だったが、これはとても面白かった。A.Tフィールドのない世界を目指していたゲンドウ。そんなゲンドウが拒否した存在が息子のシンジだった。ゲンドウについて多く知れて、共感できる所もあった。流石にスケールが大きすぎるとは思うが…それは今に始まったことでは無い。

シン・エヴァンゲリオンはシンジ・ミサト・ゲンドウの成長・大人としてのケジメといった物を見れたのが何よりも嬉しかった。ハッピーエンドなのか?は人それぞれだと思うが、私はスッキリ出来た。

他にもアクションや演出面でのエンターテインメント性の高さや、シリーズファンへの最後の贈り物とも言えるシーンがいくつもあった。もっと言えば庵野監督ファン・古のオタクへの贈り物まであった。

上映時間は2時間50分だった。流石に長いと思わなかったというのは嘘だが、思っているよりは体感時間は短い。2時間ぐらいだと思っていただけに、のめり込んで見てたのだと改めて思うところだ。

色々ダラダラ言葉を連ねできたが、シン・エヴァンゲリオンを見て良かった事は

「エヴァンゲリオンからスッキリ卒業出来た」

という事だ。

平成のアニメ史上最も影響を与えたであろうエヴァンゲリオンは終劇をしたが、我々はエヴァンゲリオンを忘れる事は無い。間違いなくエヴァンゲリオン史上最高の作品であり、アニメ界やエンタメ界にその名を刻んだ作品として「シン・エヴァンゲリオン」は後世まで語られるだろう。

投稿 : 2021/04/09
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