「夜は短し歩けよ乙女(アニメ映画)」

総合得点
74.2
感想・評価
332
棚に入れた
1730
ランキング
921
★★★★☆ 3.8 (332)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

あっちへふらふらまたゆらゆらと歩む乙女と、それを追って(偶然を装って)がんばる先輩のあれこれ

森見登美彦さんの小説を原作とした劇場版アニメ。
監督は湯浅政明さんで、原作の挿絵担当である中村佑介さんのシャレオツな絵で、やれ願掛けでパンツを履き替えないだの、春画の蒐集に没頭するセクハラオヤジだの、はては妙齢のおじさんたちが雁首揃えて大量に汗を流しながら火鍋を食い合うという、破廉恥極まりない映像が流れる90分強となっています。

主人公は京都の大学生「先輩」。
彼は、同じクラブの後輩「黒髪の乙女」に心を奪われており、偶然を装って彼女の目に止まり、印象付けた上、これはもはや運命では、と気づかせるという後ろ向きでストーカーじみた危ない作戦「ナカメ作戦(なるべく彼女の目にとまる作戦)」を日夜結構し、埋めても埋めても埋まらない外堀をひたすら埋めに埋め続け、もはや穴掘りの達人にならんとしています。
そんな「先輩」と「黒髪の乙女」の、ある長い夜の物語です。

ストーリーは原作を基準として、キャラクター、展開は一部オリジナルです。
アニメからでも十分楽しめますが、私個人的には小説から読むことをおすすめします。
後で小説だとアニメのイメージが先行してしまい、小説を読んだときの自由度が失われてしまうためと、もう一点、アニメ版は同湯浅監督、森見さん原作のアニメ『四畳半神話大系』のキャラがスターシステム的に登場していて、「アニメ化するにあたりこのキャラをこう設定したんだ」というところが面白く感じるためです。
小説の宣伝になりますが、森見登美彦さんの小説は文体が軽快でテンポが良く、普段小説を読まない方にもおすすめです。
個人的には"新釈 走れメロス"がおすすめです。腹を抱えて笑えました。

京都府内のある料理店で、大学のクラブのOBの結構披露宴に出席した「先輩」は、これを機会に「黒髪の乙女」と懇ろな仲になろうと画策していたのですが、「黒髪の乙女」は二次会に出席せず、ひとり酒を求めて夜の町を練り歩く。
これに気づいた「先輩」は、黒髪の乙女の行く先に偶然現れんと、黒髪の乙女を追うのだが、パンツは奪われる、春画の闇取引に巻き込まれると散々な目に合う。
一方で、黒髪の乙女は、知り合った酒飲みから『偽電気ブラン』という幻の酒の噂を聞き、夜の街を練り歩くという展開です。
『電気ブラン』というお酒の存在を本書で初めて知って、神谷バーまで購入に行ったのも懐かしい記憶です。
文章でも魅力的に書かれていますが、美味しいお酒を嗜むシーンや夜の古本祭り、夜の学園でゲリラ公演されるミュージカルのシーンなど、魅力あふれるシーンがアニメーションで表現されるのはやはりいいものだと思いました。

主題歌はもちろんアジカンです。
この組み合わせが好きな人は(既に見ていると思いますが)、間違いないと思います。

投稿 : 2021/03/15
閲覧 : 216
サンキュー:

6

夜は短し歩けよ乙女のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
夜は短し歩けよ乙女のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

二足歩行したくないが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ