「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(アニメ映画)」

総合得点
84.1
感想・評価
429
棚に入れた
1958
ランキング
293
★★★★★ 4.2 (429)
物語
4.0
作画
4.4
声優
4.3
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

終わった<68>

エヴァンゲリオンが完結した。ハッピーエンドで完結した。
そこにどれだけ重きを置くかですわねー

まずエヴァは庵野監督の私小説的な存在でその時の心理状態が反映されるので意味深げな碩学ワードで物語の欠けたところを埋めるパズルをしてもあんま意味ないのよねん。
それでも圧倒的な演出力・動きのセンスがあってアニメとしてはとにかく面白い。
この面白さシン・ヱヴァでは序と破で顕著だった。しかしストーリーとしては昔の焼き直しでございました。
Qでまた鬱屈ワールドが展開されて、ついにストーリーが分岐した!と期待させてから10年弱。
今回のシン完結編(作品名の読み方を公式が提示しないと不便やね)は、いままでのエヴァにケリをつけましたというハッピーエンドだったけど、思いでどうにでもなる展開に入ってからのその結末では正直肩透かし。
旧劇でもシンジくんの思い一つでどうにでもなる状態ではあったけど、病んだ歪んだ心からのキモチワルイラストだからご都合とは感じなかったのねん。

てか、もうエヴァに飽きてんじゃないのかなぁ、割と安易だったし。
本筋は長年の愛着を育んだキャラで迷彩がかかるから、わりとどうでもいいシーンを上げるけど、
・エヴァ・インフィニティから人間に戻った人々が空から降ってきてるけど、人間に戻ったのなら落下死ですよね?
・裏宇宙から脱出艇で帰ってこれるんですか?
・簡単すぎる第三の槍制作
と、作品世界を軽くしちゃうような安易さが目立ったような。
そら全部マジカルパワーで帳尻はあったんだろうけど、まさにそれがどうなんだですよ。
TV版の最初ではエヴァが歩くとき電線がひゅんひゅん揺れたりして実在感を出してたけど、そういう細部の積み上げで作ってきた作品世界じゃなかったのか。
特撮監督で当ててから出してきたのがコレだと、もうアニメでの表現に情熱はないのかとさえ思っちゃうわ。
絵や動きやイメージ的なのも目新しいものがなかったなぁ。旧劇からの巨大綾波が実写混ぜてより不気味になってた程度には工夫してるけど、新規にそこまでのモノは出せなかった感じ。20世紀にアレを観せたのはアニメの表現の幅を広げてさえいたんだけど。
あと動きの天才な庵野秀明のはずが(総監督なせいか)エヴァの戦闘シーンがとにかく3DCGをガチャガチャ動かしてる目まぐるしいだけのものになってたのは残念。

印象に残ってる部分としては、綾波農業編。なんか今更なことやりだしたなぁと思いつつもホッコリしてたら寿命が尽きてパシャリEND。その後シンジくんは髪の伸びた綾波を救ってたけど、コピーがいるから前のは溶けてヨシ!とせずに、綾波が死にかけてるからヴィレに戻る展開でも良かったんじゃないかなぁ。
年月を経てコクの出てきたアスカ。ままならなさがまさに彼岸の存在である「女性」といった感じで、そういう意味ではヒロインには最適だったけど、過去の女と定義付けられてしまってる。てか、シンジくんとくっつくとそういった魅力は損なわれてしまいますわね。
んで、中学くらいで初めて付き合った女とは結ばれねぇぜと、ポッと出メガネと結ばれるわけですが。
現実に帰れ的な主張なんですかね。大学くらいで付き合った気楽な女性と結ばれるみたいな。
母親世代なのはどうなのか、おっぱいが大きいので大丈夫というのが現実路線なのか。
宇部興産のスーツ職、学生庵野が見てたあるべき大人像とか知らんがなそんなもん。
物語の流れでそういう大人になりましたって提示してよ、親子ゲリオンファイトより重要なはずだべ。

ねっちりと書いてるけど、巨大な才能が25年を引っ張ったエヴァンゲリオンに対して、こんなもんやろとは言わないのよ。

投稿 : 2021/03/21
閲覧 : 167
サンキュー:

7

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