「空の青さを知る人よ(アニメ映画)」

総合得点
75.0
感想・評価
232
棚に入れた
1070
ランキング
829
★★★★☆ 3.8 (232)
物語
3.7
作画
4.0
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.7

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

そこに行けば、どんな夢も、叶うというよ。

イン ガンダーラ ガンダーラ
ゼイ セイ イット ワズ イン インディア♪

ちゅうこって、詳細はゴダイゴ「ガンダーラ」でも聴いてください。

「あの花」制作チームである超平和バスターズによる“秩父三部作”の3作目。2019年に劇場公開され、約1年半経ってようやくアマプラ配信開始ということで観ましたよ。

なんでガンダーラなのよというのは、本編を観ればわかります。

「あの花」「ここさけ」は、10代の子にズバッと刺さる青春ストーリーですが、この「そらあお」(語呂悪いなしかし)は、10代の子もそうだけど、むしろ昔10代だった大人に刺さる青春ストーリーになっていますね。

願えば何でも夢が叶うと思っていた、全能感しかない10代。そんな青春真っ盛りの主人公・JKのあおいは、幼少期に姉・あかねがマネージャーを務めていたバンドのメンバーに憧れ、ベーシストを目指しています。あかねの恋人である慎之介(しんの)に「将来、ウチのベーシストになれ」と言われ、眼球の白目にホクロがあるという共通点から慎之介に「俺たち、目玉スターだな」と言われたことで、恋と呼ぶには稚すぎる感情を抱いていました。

それから13年。JKとなったあおいは、ベースの練習で利用している超平和バスターズの秘密基地……のような場所で、13年前のまんまの赤髪の「しんの」に出会います。実は、しんのは生霊だったのです。はたして、どんな話になるのでしょうか。

というストーリーですね。

まず言及したいのは、気持ち悪いと言われようがなんだろうが、とにかくあおいが可愛い可愛い。思春期特有の斜に構えた感じとか、それでいてツンデレのような、たまに見せる真っ直ぐな素直さとか、もう可愛いしかない。

そんな魅力あふれる主人公だからこそ、ストーリーにぐんぐん引き込まれます。両親を失い、自分の腕一本で妹を育てなければならないと、いろんなことを犠牲にしてきた姉・あかね。でも、かつての恋人である慎之介のことを忘れられない。そんな慎之介が、とある事情で地元・秩父に戻ってきますが、31歳になった彼は夢を追いかけるのを諦め、薄汚れた大人になっていました。

ま、あんまり詳細を書くのもネタバレになるし、無粋なので、このへんにします。ストーリーは、さすがの岡田マリー。彼女が得意とする10代であるあおいや、生霊である“しんの”の熱いぶつかる青春を描きつつ、青春期の終わりを迎えたアラサーの慎之介やあかねの、大人になったからこその繊細な描写が見事としか言いようがありません。

声優の演技も見事。あおい役の若山詩音さんの素っぽい演技も見事でしたが、特筆すべきは姉・あかねの吉岡里帆さん。声質が早見沙織さんにそっくりで、意識せずに観ていると「あのはな」のつるこかなって気持ちになってしまうほど。慎之介・しんのの吉沢亮さんもお上手でした。

しっかりと超平和バスターズらしい青春ストーリーであり、それだけに留まらない「10年後の8月また出会えるの信じて」いた大人の我々にズバッと突き刺さる素晴らしいアニメ映画でした。

投稿 : 2021/04/03
閲覧 : 180
サンキュー:

10

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