「3月のライオン 第2期(TVアニメ動画)」

総合得点
86.7
感想・評価
750
棚に入れた
4046
ランキング
182
★★★★★ 4.3 (750)
物語
4.4
作画
4.3
声優
4.4
音楽
4.2
キャラ
4.4

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ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

そしてまた春が来て、新しい出会いと日々が僕らを待っているだろう。

原作から大好きだった「3月のライオン」。
その2期です。

この2期のお話こそ、
NHKが映像化したかった場面じゃないかな…。

学校のいじめ問題。

原作を読んでストーリーを知っていたにも関わらず、
私の心にもグサグサ刺さりました。

2期は全22話です。


● ストーリー
男子高校生の桐山零(きりやま れい)。
職業プロ棋士。

家族を幼い頃に事故で亡くし、
引き取られた家では居場所がなく、
今は一人で暮らしている。

孤独で暗い生活の中、
橋の向こうに住む明るい三姉妹と交流を持つようになった。

プロ棋士の厳しい世界や、
三姉妹の次女・ひなたの学校でのいじめなど。

厳しい世界で戦う棋士たちの生き様や、
いじめと必死に戦うひなちゃんの姿から、
零は過去の自分やこれからの自分に向き合っていく。


この作品は、将棋ストーリーと三姉妹ストーリーの二本の柱があり、どちらにも共通しているのは、登場人物たちの生き様が丁寧に描かれていることです。

重いところはしっかりと、
明るいところはコミカルに。

そのバランスもちょうどよくて、
飽きずに楽しめます♪

主に原作の5巻~9巻が、
2期で描かれたエピソード。

そして新しい春を迎える。

変わりゆくことに寂しさを抱きながらも、
これまで確かにあったものを確かめ、
それぞれの始まりに期待を持って…。


≪ いじめ ≫

2期も見所がたくさんありました。

その中でも2期のメインとなったのは、
やはりひなちゃんのクラスで起きたいじめ問題かなあ。

中学3年生。受験を控えた1年間。

いじめを受けた友だちをかばったことにより、
自分がいじめのターゲットとなってしまったひなちゃん。

この1年は、ひなちゃんにとってとても辛く、
でも決して自分は間違っていないと戦い抜きました。

そんなひなちゃんの姿に、
零ちゃんは孤独だった過去の自分が救われたような気持ちになり、

なんとしてもひなちゃんの力になりたいと奔走。

どうすれば彼女の力になれるのかと悩み、時には暴走しながらw

何か教訓めいたものが語られるわけではない。
ただ、そこで起きた出来事が描かれる。

いじめに対して、
当事者が、被害者が、家族が、学校が、
どのように感じ、行動していくのかが描かれていました。

その描かれ方が、リアルだったなーと。
私は学校現場に関わりがある職に携わっているので、
この物語は、どうしても教師目線で見てしまいます。
自分が体験してきた出来事と重なるところがあって、苦しかったです。

と同時に、問題と向き合っていくひなちゃん達や、
学校の先生たちの言葉にはうなずけるものがたくさんあって。

ひなちゃんの学年主任の国分先生や、
零ちゃんの元担任・林田先生は、本当にいい先生だなーと思います。

こういう先生がいれば、
子どもたちは救われると思う。

加害者を救うのって難しい。
救うというのは、自分がやったことの重さを自覚させ、
今までの自分と今後の生き方を見つめさせること。

被害を受けた子の心のケアは何よりも優先すべきこと。それに加え、加害者に対してそこまでできてようやく、いじめの問題が解決に向かっていると言えるのでは。

いじめた方が悪いんだから、救ってやる必要なんかない!
というのは、気持ちとしてはすごくわかる。

新人の教師くんも同じこと言ってましたね。
自分が犯したことには責任を取るべきだと。

でも国分先生は別の考え方をしている。
「教える」+「育てる」で「教育」。
だから学校はどちらも見捨てられない。

ほんとそれなんですよね。
悪いやつらを切り捨てるだけなら簡単だけど、それでは教育ではない。
だから難しい。

救えなかった後悔は、ずっと残る。私にも残っている。
その後悔が、このエピソードでズキズキとうずき、苦しかったです。

というか、ここまで的確にエピソードを描いていて、
原作者の羽海野先生何者!?と思います。笑

どうか新しく迎える春が、
ひなちゃんにとって明るいものでありますように。


● キャラクター
キャラクターが個性的で、楽しいです♪

私のお気に入りは、
1期同様、林田先生です^^

なんだかんだと零ちゃんを気にかけ、
まだまだ視野の狭い零ちゃんの背中をどーんと押す。

零ちゃんが道を恥ずかしく間違えそうになったら、
止めなきゃー!と焦るw

普段は親しみやすい軽さなのに、
真面目さが必要な時はちゃんと真面目。

真面目な時の先生、
とてもかっこいい!

この作品、
子どもは子どもらしく自分の悩みにぶつかってもがき、
大人はそれを温かく見守ったり助言してくれたりと、

大人と子どもそれぞれの立場の描き方がいいんですよね。
大人が子どもに寄り添ってくれて励ましてくれて、いい大人なんだよな。

プロ棋士達にはそれぞれの生き方が描かれていて、
それもまた見ごたえがあります。

キャラクターが丁寧に描かれている作品です。


● 声優
どのキャラクターも声優さんの演技が良さを引き立てていて、
すごく好きです^^

最終話、零ちゃんが育った家を久しぶりに訪れるエピソードがありました。
ここは引き取った母の語りがメインとなる回です。

この語りがとても心地よくて…。
過去の悲しさや後悔に溢れたエピソードのはずなのに、
なぜか温かさのほうが強く感じられて、不思議でした。

島本須美さん、本当にいいお声です^^


● 音楽
【 前半OP「フラッグを立てろ」/ YUKI 】
【 後半OP「春が来てぼくら」/ UNISON SQUARE GARDEN 】

どちらも好きなんですが、
やっぱり「春が来てぼくら」は特別に好きです。

この曲を聴くと、
ぶわっと3月の春の空気が溢れだしてくるのです。

ああ、もう春だなあ~…という空気や匂いが、
この曲には閉じ込まれていて、本当に大好きな曲。


【 前半ED「カフネ」/ Brian the Sun 】
【 後半ED「I AM STANDING」/ KERENMI 】

どちらもこの作品とマッチする歌詞で、
ぐっときます。

私は前半EDの方が好きでした^^


● まとめ
ストーリーは響くし、
作画等の演出も安定して見ごたえあるし、
良くできた作品です。

主人公はプロ棋士だけど、
将棋がメインというわけではないから、誰でも楽しめます。

彼に関わる三姉妹もメインキャラだから、
話の幅が広がってるのですね^^

いろんな人の生き方に触れている。
人の生き方についての話が好きな人には、特におすすめできます♪

NHKが描きたかったのはいじめ問題かもしれないし、
話もキリのいいところで終わりましたが、

3期があったら嬉しいな…と期待しています!

投稿 : 2021/05/08
閲覧 : 296
サンキュー:

25

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