「Yasuke -ヤスケ-(Webアニメ)」

総合得点
59.1
感想・評価
15
棚に入れた
56
ランキング
5874
★★★☆☆ 2.9 (15)
物語
2.6
作画
3.3
声優
2.8
音楽
3.0
キャラ
2.8

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ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

【評価辛目】ファンタスティック・ブラック・サムライ

蒙古襲来により人型AI巨大兵器の類が伝来するなど、
異能がひしめき合うパラレル戦国乱世を舞台に、
信長の家臣として実在したアフリカ出身の黒人侍・弥助を主人公にした、
Netflixオリジナルのアクション時代活劇(全6話)

【物語 2.0点】
原案・監督・製作総指揮・ラショーン・トーマス氏。
アメリカの黒人アニメーターで、
アメコミのTVアニメ化シリーズの脚本等を手がける。

超能力、ロボット、獣人化を戦国時代に設定することで、
過ぎた力を持ってしまったヒロインを通じた、
異能力者の悲哀と葛藤いうアメコミの王道が成立するホームグラウンドを整備。

その上で、黒人侍主人公を通じて、
迫害される能力者とマイノリティの心境をシンクロさせる昨今のトレンドも盛り込む。

本邦のエンタメ時代劇が育んだ武士の魂も、
"誉れ”という形で取り込もうとするが、今ひとつな誤訳感。


ここまでならまだ基準点ですが、
最終回の取って付けたような{netabare}主人公蘇生{/netabare}で0.5点底割れ。

加えて眉をひそめたのは、キリスト教に対する憎悪。
極東の島国が差別意識も蔓延る封建社会と、
少々誤解されつつエンタメ消費されるのはまだ
海洋越えの困難さと許容できます。

が、純朴な黒人のソウル等と対比された、
イエズス会の狂人司祭アブラハム(命名も含みがあって趣味が悪い)の暗躍ぶりと
{netabare}墓標代わりの?巨大十字架で貫通{/netabare}される末路。
あれはキリスト教嫌いな自分でもドン引きしました。

これも欧米のポリコレには受けが良いのでしょうか?
私は伝統文化をリスペクトしない彼らが進歩した先には
分断の闇しかないと憂慮します。0.5点続落……。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・MAPPA(これが視聴動機の8割)

アメコミ風の能力バトルも、時代劇ならではの殺陣や合戦も
そつなくこなす非凡さで魅せる。
ただ両要素が融合できていたかと言えば、闇鍋感の方が勝りますが(苦笑)
それでも、出血多量も厭わず踏み込んだアクション映像自体は目を見張る物があり、
これは脚本の責任の方が大きいと感じます。

世界志向も強い同スタジオには今後、
アメコミのアニメ化オファー等も舞い込むのかもしれません。
ただ、私としてはMAPPAがガチで挑む本格時代劇アニメが見てみたいと思いました。
まぁ、ネトフリでは実現しないのでしょうね……。


【キャラ 3.0点】
広義の信長枠?とも取れる本作。

信長は黒人でも女でも面白ければ取り込む新しい価値観のリーダーとして。
光秀はしきたりを重んじて、黒人は侍にはなれぬと立ちはだかる古い人間の象徴としてキャラ消費。
光秀も、主張に一理ある?となりかけますが、短尺の中で、
闇の大名の側に堕ちてからは発狂し、議論は深まらず……。

それにしても、本能寺の変については、私も諸説、目にして来ましたが、
{netabare}北条政子{/netabare}黒幕説は、虚を突かれてツボにハマりましたw


黒人、マイノリティ、社会的弱者としての葛藤を表現するには、
実在した弥助だけでは足りぬとばかりに、
さらなるアフリカ出身術者や、女サムライなどの架空のサブキャラで補強。

私は弥助一人に集約した方がシンプルだったと思います。


【声優 3.0点】
日本語吹替版を視聴。

アフレコというより、英語オリジナル版に日本語音声を当てた、
ゲスト俳優、タレント陣も交えたTVロードショーの洋画吹替え風と捉えての基準点評価。

主人公・弥助役の副島 淳さんも日本人と黒人系アメリカ人ハーフのタレント、俳優で、
吹替えも本作が初挑戦。
たどたどしさはあるが、アフリカ出身の侍があまり流暢でも違和感があるので、マッチ度はまずまず。

ヒロインの能力者・咲希役は新人声優・田村 嬉子さん。
感情表現に可能性は見られるものの、
安定感の面では現状、初々しさの方が目立つか。

一方で闇の大名役の榊原 良子さんは流石の女ボスぶり。


【音楽 4.0点】
劇伴及び主題歌「Black Gold」は、
ロス出身の黒人アーティスト・フライング・ロータスが担当。

和太鼓や和風サウンドもアレンジするが、黒人のソウルがより上回る印象。

時代劇のBGMとしてはミスマッチだが、
本作自体がそもそも時代劇に合わせるつもりがないので、
この場合は適切。

むしろ、黒人のルーツを感じるサウンドが、
弥助らの半生を想起させるスケール感がありました。


【感想】
国境を越えて有名、実力派アーティストがコラボして完成させた曲が、
案外ビミョーな出来だった……。
私にとってはそんな感じで苦笑することも多い作品でした。

ネトフリオリジナルの混沌の闇の中から、
また逸品が飛び出すのを待ちわびてはいるのですが……。

但し、弥助のキャラに関しては、私が過去に目撃して来た
パワー担当として消費される大河ドラマの黒人侍などよりは、
心情に踏み込んでいて良かったと思います。

マニアックですが本作が今のところマイベスト弥助作品になりますw

投稿 : 2021/05/14
閲覧 : 464
サンキュー:

9

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