「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(TVアニメ動画)」

総合得点
89.3
感想・評価
6798
棚に入れた
30622
ランキング
83
★★★★☆ 4.0 (6798)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.3

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

極端なキャラで同調しづらいものの、問題提起の物語

ラノベにありがちな長ったらしいタイトルと
ご都合ラブコメ臭プンプンのキャラ配置。
普段なら手に取ることがない作品ですが、
あにこれでの評価が高いので視聴開始。

【作品概要】
 根暗で陰キャでぼっちの主人公 比企谷八幡。
 斜に構えたナメた作文を提出したことから強制的に
 奉仕部に入部させられます。
 
 そこでクールなぼっち美少女雪ノ下雪乃に出会います。
 いろいろな問題を抱えて奉仕部を訪れる生徒たちとの
 あいとゆうきの青春コメディ(やや誇張表現が含まれております)
 
【作品に対する感想】
 キャラの印象が最初と最後で90°くらい変わる作品です。
 
 冒頭の八幡のねじ曲がり過ぎた独白を聞いてるだけで
 試聴意欲の90%くらい奪われ、1話切りを考えましたが、
 話が進むにつれて歪んでるなりに薄っぺらいだけの奴じゃない
 ことが徐々に伝わってきたため、完走できました。

 思ったより重たい話も多かったです。
 で、その解決方法がスマートな方法ではなく、
 「もっとええ方法ないんかい」ってモヤモヤしつつも、
 続きが気になる変わった作品でした。
 
 2期があるようなので、継続視聴します。

1)物語
 自己肯定感が異常に低い主人公、比企谷八幡。
 
 そんな人間の発想が自分や周囲にどういった結果を
 もたらすか…そういったことが描かれています。

 物語としてスッキリしなかったり納得できないところも
 あるんですけど、問題提起としては意味があった作品
 なのかなと感じます。

2)作画
 比企谷の魚が死んだ目、ホントに死んでますよね。

3)声優
 柚木涼香さん、オーディオコメンタリー面白すぎです。
 私もいくつになってもこういう下ネタ、好きなんでしょうね。

5)キャラ
 姓名で韻を踏んだような変な名前が多いです。
 それなら全員そうした方が統一感あるのに、
 そうでない人もいますけど。

 ➀比企谷八幡
  言ってることは分からんこともないんですが、
  苦手なタイプです。
  ・1話冒頭
   1話切りを真剣に考えさせられた主人公。
   「やらない理由を先に考えて、言い訳ばっかりで
    逃げ回る奴」
   は非常に嫌いなタイプで
   「うわ、アニメ選び失敗した」と感じました。
  
  ・中盤
   頭の切れはいいみたいです。
   ただ、やっぱり一回失敗したくらいでしっぽを巻いて
   避けるのはどうかと思います。

  ・終盤
   こ奴の在り方はFateの聖杯を連想します。
   願いを破壊という形で成就させる…。
   例えば戦争がなくなれば…という願いに対して、
   人間がいなくなれば戦争がなくなるから疫病で
   全滅させてしまえといった。
   ただこやつは皮肉ってるだけじゃなく、手段はともあれ
   行動するところは評価できると思います。
  

 ➁雪ノ下雪乃
  ・序盤
   言葉のナイフ少女ですが、言ってることは正しいと
   思うので、肯定的に捉えてます。
   ソースは私…これがあるからこの娘魅力的に感じます。
   自分を貫き通す強さを持ってるんですよね。

  ・終盤
   お姉ちゃんの跡をついていってるだけ?
   だとしてもすごいんでしょうけど。
   でも最後の方では姉ちゃんを認めさせる
   成長を見せましたね。

 ➂由比ヶ浜結衣
  アホの子担当みたいな感じですが、
  変人ばかりのレギュラーメンバーで、
  唯一普通感漂う子ですね。

 ➃平塚静
  この先生最高!この先生ならグーパンされてもいいです(笑
  
 ➄比企谷小町
  この娘ホントに中学生か?と思うくらいコミュ力高いですね。
  フォローすげえです。

 ➅葉山隼人
  イケメン、陽キャのすげー良い奴。
  八幡の対極の立ち位置なのでしょうか。
  すごく理想論なんですけど私はこやつの考えを
  推したいと感じました。
  あとこやつが凄いのは、対極の八幡の考え方を
  「納得できないけど、理解しようとしている」
  ところなんですよね。

6)印象深いシーン
{netabare}
 ➀由比ヶ浜結衣 「バカ」
  素直に向けた好意や善意が、
  疑いによって受け取ってもらえないとき
  どんな気持ちになるか体感させてもらいました。
  私も対人関係はどうも勘繰る癖があるので、
  ちょっと態度を改めようと思いました。

 ➁人間関係を見限った小学生
  割と問題あるシーンと思う林間学校の話。
  子供の内は本当にどうしようもなくなったら
  見限るのも一つの手と思います。
  学年が変われば小さなシャッフルは発生するし、
  進学すると大きくシャッフルされるので、
  リセットできる機会があります。
  ただ社会に出ると、強制的にシャッフルできる
  チャンスはほぼなくなり、シャッフルするには
  リスクや対価が必要になるんですよね。
  となるとシャフルせずにちゃんと人間関係を構築できる
  術を持っておいた方がいいと思います。
  
  私は「無理に合わせる必要はない。合わせられる範囲で」と
  人間関係の90%を見限った時期がありました。
  今思うと、+2割くらいは適当に合わせて、処世術を
  学んだ方がもっと強い私になれたのかも…と思っています。
  
 ➂実行委員で割り切った雪乃
  上がバカなら傀儡にして使ってしまえと割り切った雪乃。
  いい判断だったと思います。
  理由はどうあれ、相模は自分から責任者に
  なったんですから責任を負えって話ですね。

 ➃文化祭 相模抹殺
  八幡の指摘はごもっともと思います。
  相模は他人を見下してないと自分が維持できない人の
  典型ですね。

  ただ八幡も相模を再起不能になるまで追い込む
  必要はなかったかなと。
  さすがに相模も現実を知ったことで、
  反省して変わると思います。
  (これで変わらなかったら本物の馬鹿なので、
   改善の余地なしと思います)
{/netabare}

7)名言・迷言に関して
{netabare}
➀最低限の努力をしない人間には才能がある人を
 うらやむ資格はないわ。
 成功できない人間は成功者が積み上げた努力を
 想像できないから成功しないのよ。(雪ノ下雪乃)

 これ凄く同調します。
 ついでに言うと、力を持った人はすべて才能によるもので、
 先天的に何もかもが常人と違うと
 勘違いしている人がいますよね。
 ごくごくごく一部にそんな天賦の才の方もいると思いますが、
 大半は何かしらの対価を払い、努力してきた人と思います。

➁世界は変えられない、自分は変えられる。
 自分を変えることとは、周囲が間違っていることは
 沢山あるのにそれに屈して隷属すること。(比企谷八幡)

 事実とそれをどう考えて対応するかの話と思います。
 世界は変えられない、自分は変えられる…
 99%の人はこれに該当すると思います。
 1%の世界を変えられる人は、どうぞ世界を変えてください。
 99%の人は歪な世界に対してどう考えてどう行動するかは
 自分で選べます。

 八幡のように負け・隷属と考え、
 自分を変えることを否とするならば
 自分でその結果を負うことを前提にお好きなように。
 逆に自分を変えることを選ぶのも、
 自分でその結果を負うことを前提にお好きなように。

 要は選ぶことは自由ですが、どちらも自分で選んだ以上
 その結果は自分で責任を負う…ということかなと思います。
 選んだ挙句に「世界が悪い」って関係ない人を
 テロに巻き込まないように。
  
➂みんなでやることが素晴らしくて、
 みんなでやることがいいことで、
 じゃあ、一人でやることは悪いことなのか? 
 どうして、今まで一人でも
 頑張ってきていた人間が否定されなきゃいけないんだ。
 (比企谷八幡)

 これは論点がずれてると思います。
 一人でやることを否定しているんじゃなくて、
 一人でやれることには限界があるってことだと思います。
 他人を巻き込んで束ねるには、価値観や優先順位が違う人を
 納得させる必要があるんで、調整力が必要だと思います。

➃一人に傷を負わせてそいつを排除する。
 ……一人はみんなのために。
 よくやってることだろ(比企谷八幡)

 きつい指摘ですけど、これも現実なんですよね。
 私も中学生頃にこんなことよく考えてました(歪んだ思考)笑。
 大人の世界でもこんなことが普通にまかり通ってるので、
 一側面としては間違ってないと思います。
 だからそれに抗う力は必要なんですよね。
 だからそれに抗ってきた雪乃は好印象なんですよ。

 強者だから何をやっても許されるわけではないと思いますが、
 弱さを武器にするのもまた違うのかなと思います。

➄人という字は片方が寄りかかってる。
 誰かが犠牲になることを容認しているのが人の概念。
 (比企谷八幡)
 
 搾取する側、される側。
 搾取する側が悪のことが多いと思いますが、
 される側にならないように、いなして流す力だったり
 圧倒して黙らせる力だったりが必要なのも事実なんですよね。

➅たとえ君が痛みに慣れていたとしても、
 君が傷つくのを見て痛ましく思う人間がいることに
 そろそろ気づくべきだ。
 (平塚静)

 これいい言葉だなと思います。
 自己肯定感が低い人ほど自分の命が勘定に入ってない発想に
 なりがちですが、自分はそれで納得するとしても、
 「アナタ」を大事に思ってる人はとても納得できない…と。

 珍しく「うす」って素直につぶやいた八幡が良かったです。

{/netabare}

投稿 : 2022/06/10
閲覧 : 486
サンキュー:

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