nyaro さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
最高の恋愛アニメ。最高の残念アニメ。
庵野秀明という人は天才故に、終わりが見えるとやる気がなくなるのでしょうか。それとも完璧主義故に完成させることに不安を感じるのでしょうか。エヴァでやらかした病が19話以降ですかね。顕著に表れています。
18話までは、本当にアニメ史上まれにみる名作といえると思います。もちろん原作が素晴らしいんですが、それを見事に脚本化して、演出と間で心の動きまで表現しています。信号とか水道とか心象風景を織り交ぜて、とてもナイーブな映像でした。
途中はいる黒い線画が美しくて、それも楽しみでした。
ですがまあ、後半についてはやはり擁護できないですね。原作に準拠しているといえばそうなのですが、構成によっては他の人のエピソードを省けば、原作のもっとも重要なエンディングまで持って行けたはずです。
OPのヒロインがお腹を押さえている絵。あれは作中にも使われていますが、どう考えても本当は、この作品のもっとも重要なエピソードに使うはずだったと思います。
庵野秀明は、多分、 {netabare}ヒロインが結ばれる{/netabare}場面を描いたことで、何かが壊れてしまったんじゃないでしょうか。
超優等生の男女は本音を隠して学校生活を送っていました。あることがきっっかけで、お互いの仮面の下を知ったがために、心を通わせ恋愛に発展して、付き合って…という話です。
恋愛については、男女が本音で寄り添う事の安らぎとか、抱きしめたい、一つになりたいという気持ちなど描いていました。
家族とか、恋愛とは違う愛情とか、嫉妬、仲間外れ、いろいろな人間のありがちな場面を、エピソードに落とし込むことで、青春時代の人間関係を描けていて、本当に面白かったです。18話までは。
そこから先はまあ、紙芝居です。楽屋ネタというか、何というか…。そんな感じでした。
オープニングは、曲というか映像の演出含めて考えると、傑出した出来です。曲は、やさしさ、切なさ、真摯な気持ちみたいな感情が感じられて、何度聞いてもジーンときます。
映像は、ヒロインだけでなく、登場人物たちそれぞれが自分の道を模索しながら青春を過ごしているところを上手く表現していて、それがとても良かったです。
最高の恋愛アニメと同時に、最高の残念アニメになってしまいました。