「バクテン!!(TVアニメ動画)」

総合得点
68.3
感想・評価
119
棚に入れた
340
ランキング
2079
★★★★☆ 3.5 (119)
物語
3.4
作画
3.7
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.4

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ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

青春の演舞

主人公、翔太郎はある日、新体操の競技をみて新体操に惹かれて自分もしたいと思い新体操を始める。
人間、やりたい事なんて最初は解らないし、実際やりたい事なんてこんな感じで始まるのだと思います。

彼は、水泳にサッカーに野球などをしていたそうですが、自分のやりたい事を見付けられず転々としていたのでしょう。
そんな中、惹かれたのが新体操。

このチームには夢がある
それは6人で新体操をする事。
でも、監督から素人の翔太郎がマットの端から端までバク転出来る様にならなければ6人での参加は認めないと言われる。

それでも、無理しない様に素人の翔太郎が気にやまない様に応援してくれて、いつまでも練習出来るステージを準備してくれる先輩達。
いつまでも練習させてくれて、もしも結果がダメでもいいよって言って貰えるし、凄く優しい先輩ですよね。

だって、普通ならここまで先輩に練習見て貰って成功させないとってプレッシャーに潰されそうになるし、それをしっかり言葉にしてくれると気持ちが凄く楽になりますし、凄くやりやすいですね。

次は監督ですね。
監督は過去に凄い選手だったらしいのですが、怪我で二度と新体操が出来なくなった。
だから、彼は新体操の指導者になろうとするけど、何処にも受け入れられずにいました。

何故なら監督は学生時代は周りを見下していたからです。
彼は天才ではなく努力で頑張って練習して腕を上げた。
それは物凄い練習量だったはず。

だから、上手くなった。
その努力の分メンバーとも差が付いた。
他のメンバーは練習は頑張っていたようですが、練習量が違うから監督からすれば、自分は練習してここまで上手くなったのに、周りが上手くならないのは練習量が足りない、だからサボっている、本気を出してないと思ったでょう。

真面目に取り組んでるからこそ周りとの温度差を感じるものです。
だから、イライラして見下した。
でも、人を見下すのは良くはありませんよね?
昔は昔なんて割り切れたら楽なのでしょうが、見下された側からすれば溜まったものではありません。

監督は今は真面目に人に優しく心を入れ替えて頑張って居ますが、見下された人からみたら、見下した奴にしか映りません。
心なんて見えないし読めないのですから……時間を掛けたら解ってもらえるかもしれませんが、そんな時間すらない……受け入れて貰えないのですから。

でも、彼はキャプテン達と出会い一緒に頑張るために新体操部を設立する!
この作品で1番印象的なのが監督の話でした。


後は……
ミサトは組技練習中に相手に怪我をさせてしまったトラウマを持っています。
スポーツする人は大なり小なりの怪我をする事は頭の片隅にあると思います。
けれど、怪我をさせてしまうとトラウマになりますよね。

また、怪我させるかもしれないと怖くて本領発揮が出来にくくなります。
実際、怪我をするより怪我をさせる方が怖いってのは私も解る気がします。

そして組体操は飛ぶタイミングを相手に委ねる技らしくミサトの場合は人に頼りきれない部分もあるらしくて……

人に頼るのって難しいですよね。
人に頼ると迷惑になるとか、申し訳ないとか思っちゃうから中々人に頼るって難しいと思うのです。
でも、逆に誰かから頼られたら自分は、それを迷惑だと思うでしょうか?
結局、それが答えなのかな?って。


翔太郎の怪我の話。
彼は大事な大会の前に怪我をしてしまう。
でも、彼は大会に出たいと言います。
何故なら新体操は6人でするもので点数が減点式の為に1人掛けたら既に減点された状態からのスタート。

そして、それよりも……6人で新体操がしたいから!
次なんてない!先輩は卒業しちゃうから6人で飛ぶ新体操は今しか出来ない。

怪我をした人にスポーツをさせるべきだろうか?
私は良くないと思います。
その人の事を考えると、将来の事や怪我が大きな事故に繋がるかもしれない……だから、その人を思うのなら心を鬼にしてでも止めるべきです。
それが、優しさだと思う……

ですが、これは正論ですが正解じゃない。
多分、私が怪我をした立場なら出たいって言うと思います。
仲間が許してくれるのなら……

自分の怪我でチームが減点からスタートするのは正直辛くて泣いてしまう……
ですが、多分、出ても負けたら泣いてしまう……それなら、出て泣いた方が私は後悔しないと思うから……

怪我した人が出たいって言うのは無理してる訳じゃないんですよね。
罪悪感で言ってる訳でもない。
それなりに出来ると思うから言っているのです。
ミスしたら足を引っ張るのは解ってる……本当にダメなら、足を引っ張るからって辞退するハズなんですよね。

それでも、怪我をした自分でも、出来ることがあるから、それをやらせて欲しいって思う。
100%の力は出せないかもしれない。
それでも、やりきりたいって。

だから、先輩達が、翔太郎の気持ちを解ってくれて良かったと思います。
監督は怪我をして引退したから決断に迷っていました。
監督も当時怪我をしても内緒で大会に出たから気持ちは凄く解って……でも、それで新体操が出来なくなったから怖さも知っていて……悩んでも翔太郎の気持ちを尊重してくれた。

例え、これから先に新体操が出来なくなったとしても…………
今、自分達がいるのは未来でも過去でもなく現在だから、目の前の大会に出て結果を残す事が、今の自分には大切な事だから監督も当時は無理して試合に出たのだと思います。
そう言う意味でも監督は理解者ですね。

怪我をして出場した大会は2位と言う好成績。
病院から戻った翔太郎は涙します。
その涙の1番の理由は頑張ったからでも2位だからでもない。

安心感……
大舞台には緊張感を初め様々なものがあります。
ですが、翔太郎の様に怪我を押して出場する人には他の選手より1つプレッシャーを多く持って出場しています。

仮に怪我をした人が足を引っ張っても誰も文句は言わないでしょう。
監督も仲間も合意の上です。
そして、何より彼らは絶対に誰かのせいにする人達でもない。

それでも、誰が責めなくても怪我をした人は自分の怪我のせいだと自分を責めるかもしれません。
特に結果を聞くまでは凄く不安だったんろうなぁ〜って思います。
だから、インターハイ出場が決まって安心感で涙が溢れた。

でも、怖かったのは多分監督も……
インターハイ出場が出来る出来ないでもなく……
監督は怪我して無理矢理出場して選手生命を絶たれている……
その怖さも辛さも1番解る監督ですからね。
それでも、翔太郎を送り出した時の不安や迷いは計り知れなかったでしょう。

それでも彼等は好成績を残した。
それは凄く輝いて誇らしかったでしょうね。

この作品にある監督のセリフで「責任なんて誰にも取れないって、ただ罰を受けるだけさ」ってセリフがありますが、これって本当にその通りだなぁ〜って。

責任を取るって大事だけど……
出来事が無かった事にはならないし起きた事は変えられない……責任を取るなんて形だけで結局は本当の意味で責任を取るなんて誰にも出来ないし……罰を受けるしかない……でも、罰を受ける事がEqual責任を取る事にならないって事なんでしょうね。

監督にとっての罰って監督の責任問題とかじゃないんだろうなぁ〜とも感じました。
監督は自分の身可愛さに最初反対した訳じゃなくて、監督の罰は怪我をした選手が自分と同じように選手生命を絶たれる。
それが、多分1番怖かったのかなぁ〜って思います。

さて、物語はいよいよインターハイです!
私はこの青高のチームはもっと輝けると感じました。
彼らは解っているのです。
自分に足りないものや弱点を。
それが解る人達は成長出来ると思います⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
是非2期も見てみたいですね。

投稿 : 2021/07/03
閲覧 : 222
サンキュー:

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