「魔法科高校の劣等生(TVアニメ動画)」

総合得点
85.1
感想・評価
4496
棚に入れた
23003
ランキング
222
★★★★☆ 3.8 (4496)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.8

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nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

緻密な設定に裏付けられた上質なSF作品だと思います。本当に面白い。

 問題はこれがSFかどうか、なんですよね。例えば「新世界より」も超能力を発現したあとの社会のシミュレーションです。「魔女の宅急便」はどうかといえば、あれも魔法がある社会における女性の自立みたいなテーマでしたが、あれをSFと言っている人はあまりいません。ヒーローアカデミアはどうでしょう。まどかマギカは?
 
 いろいろ考えるときりがありません。魔法科高校はSFだろうな、と思ってみています。なぜかといえば「魔法」そのものの発現には具体的な説明がありませんが、魔法を取り巻く理屈、設定がしっかりとされているからです。
 私が思うSFの定義は、核となるフィクションをストーリーと合わせて、設定そのものの緻密さと深みと世界観、そして論理性を楽しめるかどうかで判断すればいいと思っています。これがなければファンタジーでしょうね。
 本来は、未来になると実現するだろう科学上の予想に基づく事件や物語を描く=サイエンスのフィクションなんでしょうけど、それをいうならタイムリープや重力制御などはほとんど魔法と同義です。そこまで厳密に考える必要はないと思います。しかし、あり得ない設定を軸に、その周辺でしっかりサイエンスする必要はあると思います。

 本作においては、サイオンやブシオンといった粒子のような設定、エネルギー保存の法則との整合、魔法そのものをプログラムというかコーディングのように情報処理として扱っている、制御のためのデバイス、魔法の発展の歴史などの魔法についての緻密な設定があります。また、歴史や世界情勢、一般人との対立、軍隊組織、世論の状況や社会インフラ等々も明確に論理的に説明されています。またその設定が見事にストーリーに融合しています。したがって極めてレベルが高いSFと言えます。

 また、ストーリーが多層的な構造になっているのも面白いところです。
 核融合を魔法で実現させることで、経済的な有用性によって魔法師の社会的地位を向上させようという主人公の目論見。魔法師の社会における組織、家制度の対立と最強の四葉家内における跡目争い。兄妹の関係性とその他女性の人間関係。世界の軍事バランスにおける主人公の立場。異次元から侵入してきたパラサイト、情報収集を得意とする秘密組織、人間型アンドロイド、主人公のライバルとなる強敵との闘い等々。

 これらの複雑な設定と伏線がかなり破たんなく、根底に流れる物語の幹となっています。ですので、俺TUEEEの代表格みたいな本作ですが、戦いの方向が単純に「敵」ではなく、これらの「問題の解決」なため、単純な勝った負けたではありません。

 これらが読み解けない、あるいは読み解くのが面倒だ、説明がくどい、鬱陶しい、という人からはどうも人気がないみたいですね。

 でも、ヒロイン深雪は究極の妹キャラですし、武道家のエリカ、主人公ラブのほのか、大企業家の娘しずく、ライバルの家の娘まゆみ、そして、米軍スターズの総隊長リーナなど、人物が魅力的です。男ももちろんいっぱいでます。エリカとリーナ推しです。

 物語の構成もしっかりしていて、入学、対テロ戦、七高戦、横浜と話が進んでゆくうちに、上の複雑な設定がすんなりと頭に入ってきます。日常もバトルもバランスよくあり、コミカルパートの比率も高く、面白く仕上がっています。

 さすが30巻以上発売されたラノベ原作だけあって、元が面白いのはもちろんですが、非常に丁寧にアニメ化されており、満足でした。七高戦のヒロイン深雪の活躍がちょっと足りなかった気もしますが(衣装ももうちょっとなんとかしてほしい)、TVシリーズのアニメとしてはかなり出色の出来でした。本当に面白かったです。

投稿 : 2021/06/29
閲覧 : 207
サンキュー:

3

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