「シャドーハウス(TVアニメ動画)」

総合得点
78.6
感想・評価
485
棚に入れた
1629
ランキング
534
★★★★☆ 3.8 (485)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

Bハウス さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ギミックから始まる友情物語

4月アニメのイチオシを「スーパーカブ」と書いたが
本作も甲乙つけたがたい

野球のドラフト選手で例えるなら
素材型で育て方次第な「スーパーカブ」に対し
どこの球団に入っても主力になるのが「シャドーハウス」

物語の完成度が高いので
どこの制作会社でも上手く作れるレベル

優劣を付けたのは私の嗜好性の問題で
恐らく他人からの共感はこちらが高いだろう

さて物語はシャドーハウスと言う特殊な舞台から始まる
この中ではシャドーと言う煤で出来た謎の存在が主人
生き人形と呼ばれる人間が従者として扱われている

この手の設定は「寄生獣」から度々使われているし
人形と言う定義は「コッペリア」なんかが有名だが

この作品の魅力は生き人形はシャドーの顔である事
全体の物語にとって大きなカギになっている

主人公は真っ赤な服を着たケイトと呼ばれるシャドー
そしてケイトの生き人形して宛がわれたエミリコ

ケイトは出会った当初こそエミリコに興味を持たず
一人で本を読んでいることが多かったが

エミリコがケイトの為に一生懸命尽くす事で
徐々にエミリコに興味を持ち始め
やがて自分のパンを分け与えるようになる

この関係性をしっかりと描いていたからこそ
お披露目からの展開に説得力がある

二人の関係性を見せる一方で
「生き人形はおかげさまの顔で余計な事は考えない」
「シャドー家の為、偉大なるおじい様の為」と言うセリフや

完全なる顔の形としてサラとミヤにフォーカスするなど
特殊な空間の中でケイトとエミリコは異端の存在と示していた

そしてお披露目の前に行われた試験
子供のシャドーは生き人形以外と接することが出来ないので
初めて他のシャドーや生き人形と出会う

初めはお互いをライバル視していた
ジョンとショーン、パトリックとリッキー
ルイーズとルウ

しかしエドワードが仕掛けた課題により
エミリコを中心に生き人形がそれぞれ協力をして
シャドー達を助けるようになる

この事で生き人形もシャドーも
同じ苦境を乗り越えた同志と言う形になり

最後のエミリコがさらわれたときは
ケイトに協力をする

話の構成で言うとお披露目後に
煤コーヒーを飲むと生き人形が操られてしまう事
世界全体に煤をまき散らして人間たちを従者にしている様

そしてシャドーはモウフと言う精霊のような存在で
人格や人型を形成するために人間を鏡にしている
立て続けに設定が重ねられて一気にこの世界にひきづり込まれた

恐らくエミリコと言う強烈な個性が
ケイトを従者ではなく親友と認識させたし
他のキャラクター達も感化された

その要因は無償の愛
打算的で権謀術数が渦巻くシャド―ハウスで
エミリコだけが純粋に真っ直ぐ向き合っている

それがお披露目で同期だった
シャドーと生き人形の関係性も変わって行った

最終回はエドワードの謀を回避することが出来
エミリコとケイトは大人のシャドーと生き人形
の勉強をしていたが

ここからが本番と思うだけに
続編の期待を膨らまさずにいられない

※OPはまさにコッペリアのようなイメージだし
EDのラストショットで引いて
スノードームにシャドーハウスを映すと言う演出は見事

どこも手を抜いていない
近年でもそうそうない位の秀作である

投稿 : 2021/07/04
閲覧 : 206
サンキュー:

10

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