「シャドーハウス(TVアニメ動画)」

総合得点
78.5
感想・評価
485
棚に入れた
1630
ランキング
541
★★★★☆ 3.8 (485)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

不思議と独特の世界観

シャドーハウスには秘密がある。
私達の世界は人に影がついて来ますが、この世界は影に生き人形が付き従います。
影の少女ケイトと生き人形のエミリコの物語。

最初は、普通くらいの面白さですが話数が進む度に徐々に徐々に面白さが増していきます。
ミステリー作品ではありますがミステリーって程の深さがある訳でもありませんが、この作品の中毒性は、物語の展開力にあります。
毎回、毎回、これから先どうなるの?って不思議と思える作品です。
説明は難しいですが、謎の不気味さが強すぎず弱過ぎずにいい味を出しています。

さて、物語の生き人形ですが……
果たして、生き人形とは本当に人形だろうか?
実は、この作品特徴としては、その正体の秘密が散りばめられています。

例えば、パンを食べて食事をしたり、怪我をして血が出たり、煤が暴走した時は「首吊りになってしまうわ!」なんてセリフもあります。
と、生き人形の正体のヒントを探しながら見るのも楽しいかと。

シャドー家の人々は煤を出して部屋を汚してしまうので生き人形が身の回りのお世話やお掃除をします。
この煤は溜まり暴走すると襲ってくるのですが……まさかのプチ戦闘?的なのもありますw

ですが、生き人形には大切な使命があります。
それは、生き人形はシャドー家の顔である事。
シャドー事、お陰様達には顔がありません。
真っ黒に塗りつぶされた身体に服を来た全身真っ黒な人々です。

その横に付き、お陰様の表情を読み取り、怒ったり悲しんだり、笑ったり、そんな表情を読み取り再現する。
それが生き人形に課せられた使命。

そこを言わせると、エミリコは余り出来が良い子ではありません。
でも、必至にお仕事も使命も頑張る女の子で彼女は凄く優しい心を持っています。

例えば、彼女達は、お披露目と言う試験を受けることになります。
お披露目の試験に合格出来なければ、大好きなケイト様と離れ離れになり自分は処分される。
でも、それは他の生き人形も同じなのです。
離れ離れになるかもしれないと考えたエミリコは試験に合格する事を決意する。

試験は点数式で、何かをすれば加点され何かをすれば減点されます。
何をすれば正解か不正解か解らない中で、友達であり生き人形のラムが困っている時に、エミリコは彼女にアドバイスする。

エミリコは困っている子を頬っては置けない優しい子なのでしょう。
自分も試験で試されて居て、正直、受かるかもあやふやな状態でも困っている人に手を差し伸べる。
結果、勝手な行動として減点されるもエミリコの優しさにラムは行動に移せるようになります。

そして、パトリックとリッキーのコンビの時もそう。
この2人は最初は本当に嫌味なコンビなんです!
エミリコをお花畑とバカにしていました。

リッキーも嫌味な奴でエミリコのティーカップの持ち方の間違いを嫌味に指摘します。
普通は、もっと言い方あるだろ?とか思いますが彼女は、それに対して素直に感謝を伝えます。
それは、言い返せなかったのではなく単純に善意で教えてくれたと考えたからです。
嫌味だけど、教えてくれた事が嬉しかったのでしょう。
知識をつけるると更にケイト様の役に立てるから

で、パトリックの場合は、お披露目の試練で真っ暗な箱の中に閉じ込められていた時に1番先に見つけ出し声を掛けたのはエミリコでした。
助けようとした、エミリコにパトリックは言います「お前みたいな出来損ないに助けてもらうもんか!どっか行けよ!」

酷いですよね。
いくら身分があろうと助けようとしてくれてるのに……エミリコは「1人でこんな所に置いてけぼりにされたら誰だって嫌ですよ。」と彼女はパトリックの酷い言葉なんて気にすらしないのです。

何故なら真っ暗な狭い所に閉じ込められて……不安です怖いです。
その不安も怖さも想像出来るエミリコだからこそ彼女は優しい言葉を口にするのです。
「役にたてれば私は嬉しいですから」と笑顔で。

それでも、エミリコの主人はケイトです。
自分を助けるより先にケイトを探せと言う言葉にエミリコは従います。
普通はそれで、立ち去りますがエミリコの優しさは1つ上をゆく。

なら、せめて何か出来ないかとエミリコは考えます。
そこで空気穴からお腹が空いてるかも?と考えて、手持ちのオレンジの皮を向いて、オレンジを投げ込みますww
そして、パトリックを待つまでに退屈しないように途中で拾った花を渡します。

そんなパトリックですが、リッキーが後に助けにくるのですが、その後のお披露目のゴールまでの道中に現れます。

エミリコはケイト様救出に苦戦していました。
ケイト様は、鳥籠に囚われ下は荊棘があり小さなハサミで少しづつ切りますが、鳥籠の鎖が切れ落下しそうになって時間もない。

実はこの時、リッキーは大きなハサミを持って居ましたが渡そうとは考えませんでしたが、パトリックが頭を下げたのです。
プライドが高そうなパトリックが身分の低い生き人形リッキーに「エミリコにハサミを渡してやってくれ借りがあるんだ」と。

それは自分を助けようとしてくれたのが嬉しかったからです。
口ではなんと言ってもエミリコの言葉も行動も嬉しかったのでしょうね。
エミリコの気持ちは通じてた。
エミリコは見返りなんて考えもしてなかった……それでも!パトリックが変わるきっかけを与えてくれたのだと思います。

エミリコは何故ケイト様の場所に辿り着けたのか……
それはエミリコ自身が1番解っている。
エミリコはケイト様までの道中、沢山の試練を乗り越えて来ました。

それは1人だと乗り越えれなかった、沢山の人の助けがあって今ここにいると言うのを1番理解している。
だから、彼女は言います。
「皆が後押ししてくれます。」

ケイトはその言葉に「最初からそうだったわけじゃないわ。貴女が皆を変えたのよ。私は馬鹿だわ……始めから敵を作っていたのは私」

そうなんです。
人は大人になる度に、誰かに頼る事を難しくなります。
でも、頼っても良いのです。

エミリコの様に出来ない事は頼って、自分が出来ることをしてあげる。
助け合いの中で人は成長出来るし親しくもなれる。
そうして絆を深めていくエミリコの様に。


次はケイト様について少し。

ケイト様は凄く頭が良くてエミリコの理解者です。
私が優しさを感じたのは、試験でお菓子を食べたエミリコが美味しさのあまり思わず喜びそうになりますが、試験中なので勝手に感情表現すると減点されるのですがケイトがそれに気付いて大喜びしてフォローをしてくれる場面が印章的でした。

生き人形はお影様の名前と似たものにするそうなんです。
それは自分の顔だから……
でも、ケイトとエミリコでは全然違う

ケイトはルイーズから「ケイトは顔を気に入らなかったのねっ 愛されてない顔なんだわ」と言われて不安な顔をしてしまい減点されてしまう……

当然です……大好きな人から嫌われてると考えたら不安になります……
これにケイトは心の中でエミリコに当たります。
「余計な事を考え失敗して、他の顔になんて構って名前のことなんかで動揺した」と

私、ケイトって1番人間らしいかな?って思うんですよね。
怒ったり、ヤキモチ妬いたり、焦ったりと。
顔は見えなくても1番感情表現が伝わるキャラだと感じます。

一方、エミリコは落ち込んでいる所をショーンとラムからエールを貰い元気になります。
それを見たケイトは「間違えていた……周りを気にしてルールに縛られてエミリコを見ていなかったのは、わたし」と気付かされます。

人って、その時は率直に解釈するけど、ふとしたきっかけで、あっそっか、とか自分の考え方の間違えに気付かされたりとかしますよね。
そう言うのも本当に人間らしく感じます。

ケイト自身もエミリコに教えられる事も沢山あるみたいで、何だかんだ言いながらもエミリコを信用してるシーンや、エミリコをみて成長してるシーンも多々あり2人の関係って素敵だなぁ〜と感じました(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

で、シャドー家は生き人形を自分の顔として見ています。
ですが、ケイトが言うには「わたしは、ケイトとは違う個であって欲しいから、あなたをエミリコと名付けたのよ」

このセリフはエミリコには伝えられていませんがエミリコが愛されてる証拠……違うな……それ以上だ……顔として愛されいるのが生き人形なら……それ以上の……愛以上の想いがあるのだと思います⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝

お披露目の後からシャドーハウスの謎が1つ明らかになります。
生き人形とはなんなのか…
物語はこの辺りからアニメオリジナルエピソードになります。

前々からチラチラ原作とは違う場面はありましたが後半は完全にアニメオリジナル展開になって来ましたね。
これはこれで面白くはありますけどね。

個人的に残念なのは此処でアニメエンドにしちゃうと続編はないのな?って思ってしまいます。
シャドーハウスとはなんなのか…秘密が明らかになり面白くなるのも、これからなのに、続編がないのかな?と思うとやはり残念です。

ラストには、原作通りのシーンが後日談として散りばめられてはいます。
続きがありそうな匂わせ方はして居ましたけど……続編するにしても最初はオリジナルから入る事になるでしょうか。

ただ、ラストのあの歌とエミリコのセリフには、果たして、どう捉えるべきか。
終わらせ方として上手い終わらせ方ですね。
謎を残しながらも物語の1つの終わり方をしっかり描いていますね。

お陰様と生き人形との絆から、最初は揉めたりとバラバラだった同期生の面々の絆が強くなり纏まるなど絆って部分をすごく出せていた作品だと思います。

原作も面白いですが、アニメもオリジナル要素を中々楽しめたりもしたのでオリジナルでもいいから続編見てみたいですね。

投稿 : 2021/07/11
閲覧 : 201
サンキュー:

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