nyaro さんの感想・評価

3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態：観終わった

古いタイプの短編小説の作り。１話１話の恐怖が足りない。

　ストーリーの組み立てが少し古いタイプの短編小説なんでしょう。
　最近の１冊１話あるいは２，３冊で１話のラノベものではなく、１冊で数話入っているような。あまりエピソード（短編）毎に設定そのものを作りこんだり登場人物を変えたりせず、ほんの少しずつ展開するくらいの感じです。

　したがって、最近のラノベやアニメに慣れてしまうと、なんじゃこりゃ、になるかもしれません。

　閏間冴月という人物を探すというテーマ以外は次回に引きずらない、謎解きでもなく、深みはあまりなく、不思議な世界での恐怖を毎回楽しむタイプのような作りといえるでしょう。友達とかいろいろありますが、まあ添え物です。

　逆に言えば新鮮ではあります。話もまあまあ面白いです。悪いのはキャラ造形と恐怖演出ですかね。
　設定という舞台は展開させずに短編エピソードを楽しむのですから、この作品の本質である不思議さ、恐怖、不気味さがしっかりしていなければいけません。
　ですが、正直、絵もシチュエーションも演出も恐怖感が足りていない、肝心の都市伝説を実体験するような驚きや怖さがついて行けてないのです。登場する怪物？が独自設定なら、こっちはどこが怖いのかわかってないのでなおさらです。短編で楽しむからにはそこが大事です。残念ながら恐怖のレベルが足りていません。

　女子大生をダブルヒロインにしたのはなかなか新鮮ですが、女子大生設定が活きてませんでした。研究とか専攻とかいろいろありそうですけど。
　短編という作りから言えば、あまりキャラのバックボーンを前面に押し出さなくてもいいのですが、感情移入するためには、さすがにもう少しエピソードに落とし込んだキャラのプロフィールや性格造形が欲しいところ。せっかく３人のメインキャラには面白そうな裏がありそうなので。

　あと、現世と繋がる場所について、出現条件とか現世と裏世界の地図について、もう少し説明があると話が楽しめたかもしれません。

　　なお、題名に偽りがあります。ピクニック感はゼロです。リュックサックを持っているくらいでしょうか。