「東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)」

総合得点
78.0
感想・評価
666
棚に入れた
3437
ランキング
564
★★★★☆ 4.0 (666)
物語
4.2
作画
4.1
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.0

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二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

雪が舞い降るクリスマスの夜、3人のホームレスと捨て子のとある物語

今敏監督のアニメ映画としては3作目にあたる作品。
主人公は3人のホームレスで、三人三様の事情があってホームレスをやっています。
あるクリスマスの晩にゴミ捨て場にクリスマスプレゼントを探しにでかけた三人は、そこで赤ん坊を拾うというストーリーです。

赤ん坊を拾ったホームレスは、まずは警察に届けるようと考えるのですが、3人の内の1人、オカマのハナは、赤ん坊を神様からの贈り物と考え、育てようと考えます。
ただでさえ逸れものなのにそんなことをしたらまずいことになると思ったホームレスたちは、赤ん坊の親を探して親元に返そうと画策します。
本作より前に作られた2作 (PERFECT BLUE、千年女優) と、後に作られた"パプリカ"は全て、夢と現が交錯し合い、現実か妄想か今見ている場面がどちらかわからなくなるような演出があります。
本作は今作品にしては珍しく、そういった演出はなく、ストーリーは時系列で、赤ん坊を巡ったハプニング劇となっています。

登場人物が多く、また、全員がキーパーソンと言える構成です。
テンポが良く、次から次へと忙しく場面が変遷し、ホームレスたちはスクリーンを所狭しと駆け回ります。
基本的に登場人物は、ホームレス、オカマ、ヤクザ、警察、赤ん坊を捨てたワケアリの夫婦、と、不穏な人々で、"ゴッドファーザー"なんていうタイトルも相まって鉄火でダークな作品と思いきや、コミカルなドタバタコメディな分でした。
今敏監督作品だということもあって身構えて視聴し始めましたが、観る前と観た後では印象は全く異なりました。
難解な部分のない、ライトに楽しめる作品です。

ホームレスたちと赤ん坊の経緯、彼ら4人の変えるべき場所がキレイに伏線回収されます。
なお、作中なんどもクリスマスの奇跡というワードが出るくらいご都合主義と感じるシーンが多いです。
私自身、物語のご都合主義的展開は好物なのですが、本作のそれは展開を良くすることで物語のテンポも良くなっていて、作品としてあるべきご都合主義だと感じました。
緊急自体に直面して、思わず目を覆う展開から、次の瞬間奇跡的な事が起きてとりあえず一難去るけど、一難去ってすぐまた一難と、トントンと進むスピード感が心地よい作品だと思います。

真夏に観てしまいましたが、クリスマスの奇跡が詰まった、ある意味で夢と魔法の込められた作品だと思います。
クリスマスの夜に観たい一作です。

投稿 : 2021/08/06
閲覧 : 181
サンキュー:

3

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